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6.湿疹・皮膚炎について

こんにちは、デルキンです。

5.までのレクチャーである程度、総論的な、基本的な皮膚科の知識を紹介しました。
皮膚科の疾患の大まかな分類、ステロイドを中心に治療法の選択方法、発疹の表現、見方などなど。

今回は、各論として、湿疹・皮膚炎群について話をすすめます。

日常の臨床で、湿疹はかなりメジャーな疾患ですのでここをまず理解すれば各論の理解が進むと思います。
接触皮膚炎やアトピー性皮膚炎など多種ありますが、湿疹皮膚炎ということでは同じです。


ちなみに湿疹も皮膚炎も同義です。
強いて言えば、英語だとeczema、dermatitisと表記し、湿疹は症候、皮膚炎は病名として使われることが多い。
(例:急性湿疹(症候)、アトピー性皮膚炎(病名))

<湿疹を表現しよう>


湿疹を表現してくださいと言われたら?

先に結論をいいますが、「湿疹三角」(後で説明します)で表現できます。

湿疹ってじくじく、発赤、カサカサ、細かい水ぶくれ、、多様な表情をしていますので、実は表現の仕方が難しいものの代表です。
患者さんの中には各自の主観をもって受診されたり、肌で何が起きているのか困惑する方もいます。
「昨夜まで赤みと痒み(かゆみ)だけだったのに、今朝になったらブツブツ、じくじく汁が出て、かさぶたになって。。。またかゆくて引掻いて。。。」

そうです、そうです。
それが湿疹三角で表現されるところです。
湿疹三角とは湿疹とは、どのような症状が出て、どのように変化するのかを示したものです。

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皮膚科の教科書がある方は教科書を、ない方はWeb検索で「湿疹三角」をチェックしてみてください。

<湿疹三角をよむ>

湿疹三角を調べてみましたか?
上の図のようなものが載っているかと思います。
紅斑から始まり、矢印をたどると、皮疹の移り変わり、多様性がわかります。

湿疹の症状が強い、多様なほど、矢印を多くたどります。

例えば、
軽い湿疹であれば、「紅斑→落屑・治癒」で終わる経過です。
少し強い反応になると、単に赤いだけでなく、ぷつぷつ(丘疹)も出ます。「紅斑→丘疹→落屑・治癒」。
さらに強い症状では、水疱がでて、つぶれてじくじく(湿潤)、それが乾いてカサブタ(結痂)、カサブタがとれて治癒へ。
湿疹を繰り返して長期化すると、慢性湿疹といって、皮膚が厚みを増し、ガサガサや色素沈着が強くなります。

<湿疹は、多様な発疹が混在してる>

湿疹の表現として、湿疹三角を紹介しました。
実際には、矢印のように順序よく発疹が変化すればわかりやすいのですが、
湿疹は多様性といって紅斑の部分もあれば小丘疹、小水疱が混在するとことも、痂皮になっているところも同一病変にみられます
テキストや、Webの画像検索で「湿疹」をみると、赤くてポツポツ、じくじくした症状が多く見られることでしょう。

基本的に湿疹は「多様性、集簇、点状状態」といって、細かい発疹たちが湿疹三角の多様なフェーズで同時期に同じ場所に集合して出現する状態を特徴とします。
なので、単に赤い発疹だけでなく、ぷつぷつした小丘疹も出現したり、カサカサも出現したり、発疹のデパート状態なのです。

逆をいえば、多様性に乏しい皮疹は、皮膚炎ではない可能性が高いとも考えられます。
膨疹だけなら蕁麻疹を考えますし、紅斑だけなら多形紅斑など紅斑性の疾患を疑います。

<皮膚炎の種類によって症状が異なるか>

おまけで、細かい話を言うと、アレルギー性の接触皮膚炎(例:うるしかぶれ)と、刺激性の皮膚炎(例:手指消毒で手荒れ)ではちょっと違いがあったりします。

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