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SSAADNは何者か -ハマモトソウタインタビュー-

先日、いつもイベントなどをやらせて頂いているShibuya Valleyの企画にて、アーティストとしての自分についてのインタビューをうける機会がありました。

この内容は、後日Shibuya Valleyが刊行するZineにて公開されるのですが、特別に私のnoteで先行公開させていただけることになりました。
インタビュアーは、現代詩人のハマモトソウタ氏です。

プロフィール

自分での位置付けは冒険家です。
社会での認知は、ラッパー、思想家、CGクリエイター、単管職人と、様々な名前がありますが、自分にとって常に未知の領域を探検することが面白く、それを その時々の心が向くままにやっていた結果としてついたものです。
今はフリーランスでIT系プロジェクトマネジメント業をやりながら、空いた時間でアーティスト活動をしています。

生来の冒険家

子供の頃から探索できていないところ、たとえば道路の先だったり、宇宙の先だったり、認知の外側が気になるタイプでした。
その好奇心は身体的にも知的にも鋭敏な方で、たとえば幼少期の木登りや学生時代のスポーツを通して身体の未知を探究する一方で、ドイツへの留学や建築研究を通して行う知的探究にも飽きないものがありました。
自分の地図がどんどん広がっていく感覚というか、知らない世界を知ることの喜びを強く感じます。そういう意味では、自分は生粋の冒険家なのかもしれません。

アーティストSSAADNはディザスターを生む

現在は音楽を主軸としたアーティスト活動を行っています。
今の世の中に対して、近代社会で機能していないものを 破壊するような詩的テロリズム、それをやるために一番効果的だからと判断の上、主に音楽というスタイルを選っています。
今の活動に行く着くまでには、いろいろな過程があるのですが、 「アーティストSSAADNってなに?」という疑問に一言で答えるとしたら、世界にバランスをもたらす者、と答えます。 

チャップリンの『モダンタイムズ』で語られるのとそのままに、現代において人間は、機械とカネ の奴隷となり、資本のための資本が生成され続け無期限に加速していく競争の中で、より安全で より構築された社会を盲目的に目指している渦中に居ると捉えています。

そして、人間があらゆるリスクをコントロールしていった結果、必要なリスクすらも無くなってきてしまい、みんな生きたくないけど、死にたくないという実存的不安を抱えているのではないでしょうか。
いうなれば、調和・・・それもところどころ機能しなくなっているつぎはぎの調和、無理に積み上げられたぼろぼろのジェンガ、そんな体裁を無理に保っているような印象です。 
そんな似非調和に対するアプローチの一つとして、自然レベルで当然あるべきしかるもの、たと えば概念的な台風を発生させるような活動を通して、人間がコントロールしてしまっているリスク を巻き起こし、つみ上げてきたものを一度壊すような行為をしているのが今のSSAADNです。

また、僕は、混沌と秩序が動的に移り変わっていくことが、世界の理想的な「調和」のあり方だと 考えています。
今は混沌を起こすことをしていますが、いずれを秩序を担う活動をする可能性もあります。そういう意味で、世界のバランスを思考し、その要請に基づき必要だと考える行動を選っ ている存在だと解釈しています。

破壊衝動の価値提供

今の状態を維持する存在が「正義」と呼ばれるのなら、混沌を生むのが「ヴィラン」であり、だとしたら僕はヴィランかもしれない。
でも、深い世界への愛をもった上で、今は混沌が求められていると察知し、愛をもって破壊活動を行っています。 

人は誰しも破壊衝動を抱えています。

子供の時に誰かをいじめてしまったり、動物や昆虫に残虐な 行為をしてしまったり、もちろんそういう行為は褒められたものではありませんが、元来、人間はそういう衝動を抱えているものであり、それ自体に良い悪いという判断は及ばない。

世の中では、痴漢、家庭内暴力、ギャンブル、酒、ドラックなんかに溺れる人々がいますが、自分の破壊衝動を他者への価値提供として提供できない人がそういう非行に及んでしまうのかもしれません。

そうであれば、そういう衝動も表現として昇華して、価値として提供する、そんなモデルケースになりたい。そういう負とされている衝動を実際のアーティスト活動を通して表現に昇華していきたいと考えているんです。 

自分がフリースタイルでパフォーマンスをするときに常に意識しているのは、聴いている人がもっ ているバイアス、現状の信念体系から来る悩みを破壊してしまうような曲をつくることです。

たとえば、この前リリースしたEP の中に、「4th Kultur キッド」という曲があります。

これは日本語、英語、ドイツ語、それらがまぜこぜの奇形言語を交えて歌う楽曲で、「分けられている」言語の壁への破壊活動を行っている作品です。

こうした楽曲づくりを通して、人間がコントロールしているもの、理性で抑えつけているもの、環境を制御しているもの、を破壊する災害のような存在としてSSAADNという名前のもと、アーティスト活動を日々重ねています。

混沌の解放者か調和の担い手か

「俺は逆ジョーカー、絶望を燃やす」なんて歌ったこともあるっけ・・・バットマンの宿敵ジョー カーが人々の持つ負の炎を焚き付ける存在なら、僕は逆ジョーカーで、人々の持つ絶望を燃やし尽くして、燃え上がっている炎とか夜空に昇っていく煙なんかをみんなで囲みながら、ほら綺麗じゃんって、思ってもらいたいんですよね。

人々が今まで非としてきたような価値観や抑圧されてきたもの、それをアートとして表現することで昇華させていく。

僕の音楽を聴いている人にも同様に自分の絶望を燃やすことをしてほしいんです。
つぎはぎだらけで無理に積み上げられたジェンガじゃないですけど、そういうものをいっぺん全部壊したり、燃やしてしまったりして、各々が各々の世界を破壊して、世界全体を概念的焼け野原、または概念的サバンナにしてしまう。

それが僕の目指す混沌状態です。 これだけだと、なんか恐ろしい話に聞こえますかね?笑
でも、先ほど話したように、混沌の後には秩序が訪れます。
僕はなにも永遠の破壊主義者というわけではありません。
今は混沌をつくる行為を続けていますが、いずれは壊すことではなく作ることをはじめるかもしれない。
たぶん、そうなるとしたら40代くらいかな?国家や人種に囚われない既存社会の労働、経済、家族形態、男女の価値観、国家体制のオルタナティブを作り上げて、そのシステムの中で幸せになる人を増やす活動なんかをしているかもしれません。
混沌と秩序が移り変わっていくことが、世界のあ るべき「調和」の姿だと考えています。
僕はその流れを、うつくしく楽しいことを通して作っていきたいんです。

それぞれの宇宙を生きよう

今、やりたいことへの一歩を悩んでいる人たちがいるなら、こう言いたい。
それぞれの宇宙で最強があります。
あなたの宇宙で大切なものはなんですか?
あなたはどういう動物ですか?
それが分かったら、あなたは宇宙で一番、最強の存在です。
後はもうその宇宙で生きていくだけです。
もし、それでもあなたがどっち着かずで悩んでしまっているときは、一度、SSAADNのライブでも 観に来てください。

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