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不死身の心優しき人造人間、まっくさん

まっくさんと出会ったのは、今から5年前、2015年の夏、インターネットでだった。


当時の僕は、建築学科のなんともいえない閉塞感や、
分かってない難しい専門用語を高校生ラッパーの高速フローのようにまくしたてる学生のスノビズム、
建築意匠系の設計課題における謎のヒエラルキー、
自分が本当に好きか嫌いかも分からずに、とりあえず思考停止でマイナーなものをありがたがり、メジャーなものをバカにした結果、画一的な「個性」に収束していく周りの人々に嫌気が差していた。

彼がやっていたブログ「建築学科攻略サイト」の記事を呼んだ時、まさに僕と同じ違和感や嫌悪感を感じていて、そこから抜け出して自分が楽しいと思う方向に進み、かつ定量的な結果も出している人がいて、「インターネットすげえ!!」と改めて思った記憶がある。

なので、僕はいきなりまっくさんに連絡した。
これが、インターネット上に残っている最初のやり取りだ。

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そういえば、当時はZoomなんてなくて、Skypeだったなぁと思い出す。
確か、
・お互い海外経験があること、海外あるある
・それを踏まえた上での、日本で謎のヒエラルキーとか決まるあの感じなんなんだろね?みたいな話
・建築新人戦を出そうとしてます、と言う話
そんな感じのことを話した気がする。

まっくさんの一番尊敬している点は、感情を切り離して、まるでロボットのように淡々と努力を積み重ねられるところだ。
僕自身は、とても感情に左右される。
気持ちがのっている時は、常人の数倍のスピードや質で物事をこなせるが、乗っていないときはどんな簡単なタスクでも全くやる気がしない。
そんな自分なので、彼がまるで人造人間のように、一旦自分の感情は脇において、学生時代から地道にトレースをしたり、本を読んだり、コンペを分析したりを、コンスタントにやり続けているところをとても尊敬している。

僕も、彼を見習って少しずつその癖をつけるようにしたいと思っている。

まっくさんが以前、「繊細と敏感は違う」みたいな話をしていたことがあった。
繊細な人、敏感な人、両方とも、周りの色々な刺激に対して気づきはする。
それに対して、とても反応しやすいのが繊細な人で、気づくけど反応はしないようにできるのが敏感な人だという。
僕は繊細だと思う。そして、まっくさんは敏感な人だ。
その辺りが我々は対照的だけど、根本の部分の「バカなことをでかいスケールでやるやつが一番すごい、オモロイやつが一番偉い」という男子校で染み付いたの価値観が一致しているので、理解し合える。

まっくさんが、完全に心を持たないロボットなのか、というとそうではない。
彼の感じは、人造人間サイコショッカー、サイボーグが一番近い、と僕は思ってる。

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ちゃんと、心や脳は人間で、温かい物がある(多分サイコ・ショッカーはないけど)が、その外側が機械でてきている感じだ。

ちゃんと、下ネタを話すのが大好きだし、よく分からないツボで爆笑したりする。
ちゃんと、タバコを吸いすぎているのが良くないとわかりつつも吸っている。

まっくさんは、別に
「おう!元気ねえな!!とりあえず元気出せよ!!!ガハハハ!!(肩バシバシ)」みたいなタイプの人でも、
「そうか… それは辛かったな… 俺にもカクカクシカジカなことがあって… 前、向けそう?」みたいなタイプの人でもないけど、
不思議と「ああ、この人は俺を気遣ってくれるな」という優しさを感じる人だ。
ラピュタの巨神兵が、黙ってシータとパズーを運んでいく感じ。あの優しさが、まっくさんにはある。

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これからも、彼の人造人間さに救われながら、自分は感情に素直に生きて、何か彼に恩返しができればな、と思っている。

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