ニューノーマル

-おふとんに入ってまず考えたこと。

それは、昨年から猛威を振るうコロナウイルスのことだった。

ご存知の通り、世界的に流行したコロナウイルスは弱毒であるが、特定の持病を持つ人や高齢者に対しては重症化する傾向があり、多くの人の命を奪った。その中には、時の著名人も何人も含まれており、人々の恐怖を煽った。

各国政府は緊急事態宣言を発出し、日本も例外ではなかった。不要不急の外出、3密の回避、在宅勤務の奨励など、人同士の接触を避けるニューノーマルな生活様式が提唱されてきた。

そして、コロナウイルス流行から約一年経った今、医療従事者からワクチンの接種が開始されている。

とはいえ、友人達と直接会ってゆっくり話せるのはまだまだ先だ。オンラインで会話することもあるが、ご飯や買い物、旅行など、リアルタイムに同じ景色を共有するという体験はやはり楽しいものだと感じさせられる。これは外に出なければ味わうことのできない唯一無二のコミュニケーションである。

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-へぇ〜。。私のひいおじいちゃんだか、ひいおばあちゃんだか知らないけど、昔なんか病気が流行ってたんだぁ。

でも、今の時代、拡張現実があるから、お家に友達のホログラムを呼べるんだよねー♪

しょっちゅう一緒におやつ食べたり、漫画読んだりしてる!流石におやつをあげることは出来ないけど、味覚の共有が出来たり、漫画もデジタル版を貸してあげたりできるし、ほぼうちに呼んでるのと変わんないっていうか!

-へぇー。流石は未来。3へぇくらいあげるよ。

-うわっ、仏壇から勝手に出てこないでよ!!心臓止まるかと思ったし!!!

-一緒におやつを食べて、味覚の共有ができるのは分かったけど、買い物とか旅行とかはホログラムじゃ物足りんじゃろ?

-確かにそーだけど、拡張現実に入ってしまえば見える世界は360度共有できるし!本当に友達の隣歩いてるみたいなんだから!

-私の時代にも拡張現実のオンラインゲームのなかでどーたらこーたらっていうストーリーが流行っていたけど、そーいう感じなのかな?触覚はどうなの?女の子同士手を繋いだりスキンシップするでしょ?

-し、しないし!百合ジャンルの読みすぎだよ!あの百合アンソロジー漫画、私のお父さんが気に入っちゃって、まだ捨てられてないんだから!

-そ、そうなんだ。それは良かったです。まぁでも、同性同士のスキンシップは私も苦手です。なんかドキドキしてしまう。

-う、うん、まぁ、私もそんなところ…

-ちゃんと私の遺伝子が残ってるんだな…

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