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【要約】ブラック・スワン 第1章 実証的懐疑主義者への道
まず最初は著者の生地であるレバノンの、戦争を中心とする古代からのお話で始まります。これが・・難解、と言うか日本人にはとても馴染みがない地域のお話なのです。 #レバノン には多民族、多宗教が入り乱れ・・ となるのですが、そもそもレバノンってどこ? ですよね。
まあ場所だけは押さえておきましょう。地中海の東岸の小国です。ギリシャやシリア、イスラエルに近くキリスト教、ユダヤ教、イスラム教と様々な宗教があるようです。ただここは深入りは避けて本題に戻ります。
ここレバノンで長い間平和な時代が続いていたが、1975年に #レバノン内戦 が勃発、その後17年も続くことになります。戦争の勃発もそうですが、毎日毎日みんなの予測からかけ離れたことが起こりました。また、戦争の終結もまったく予想がつかない状態となりました。
この経験をもとに、タレブは「歴史の不透明の三つ子」として以下のような人間の症状がでるとしています。
1)わかったという幻想。実際は極めて複雑なのに、何が起こっているか自分はわかっているという思い込みをしてしまう。
2)振り返ったときの歪み。現実ではなく、バックミラーを見るように、後付けで物事を理解する。ああ「日本経済の失われた20年はですね、この様な原因で、・・・」みたいな後付け説明は得意。
3)実際に起こったことに関する情報を過大評価する。毎日テレビや新聞はどの会社も同じことを言い続け、人々はより詳しく知ろうと細かいことまで知ろうとする。そこには未来につながる新しい情報などないのにである。
タレブは、歴史の不透明さは、レストランでテーブルの上に並ぶものと厨房で起きていることの違いを例に出し、歴史上も起こったことは見えるが、その出来事に至る筋書き、仕組みが全くわからないという意味だと言います。。
その具体例として、レバノン内戦、そして #第2次世界大戦 の始まりの頃、いかに人々が状況を甘く見ており、それらの長期化を誰一人予測できていなかったことを説明しています。
さらに、分類すること、塊にしてしまうことの是非を論じます。複雑な現実を簡潔な形に切り分けたい、という我々の願望の表れだと言います。マスコミはだれも同じ切り口で、重視する材料も同じなのです。現代では「デフレの時代」「ニューエコノミー」などがそうかもしれません。
「分類すれば、複雑さは必ず低下する。黒い白鳥が生まれるのはそういうところだ」と言います。そして、その原因は世界を単純化することにより不確実性の源をいくつか無視することになるからなのです。
タレブはウォートンスクールに入学、その後金融会社であるクレディ・スイス・ファースト・ボストンの #クウォンツ 兼 #トレーダー になります。
ウォートンでタレブはすでに次のような考えに至りました。
「科学が導き出した結論のいくつかは、めったに起こらないことが与える効果を過小評価しているので、現実には使い物にならない」
そして1987年10月19日( #ブラックマンデー )を経験します。大したニュースもないのに株が大暴落しました。「あれはブラックスワンだったが、私はまだそういう呼び名を知らなかった」ただ「自分は正しかったと感じた」と言います。
そしてブラック・スワンの物語は始まります。