僕たちは未来を創る古代のミステリーだ。
最近、とある本を読んでふと思うことがあった。
ヒエログリフを解け。
ナポレオンがエジプト遠征時に発見した黒い石板「ロゼッタストーン」に書かれた謎の古代エジプト文字「ヒエログリフ」。それを解読しようと挑戦していた若者たちがいた、という熱いノンフィクションなのだが、ここでひとつ疑問に思うことがある。
ヒエログリフ、それは本当に、意味のある文字なのだろうか?
実はテキトーに書かれたものではないのだろうか?
今ではそれなりに解読されているらしく、古代エジプトのみならずギリシャやローマなどでも発見された文字や絵にもそれぞれ意味がある、ということに落ち着いているらしいが、僕はどうも胡散臭いな、と思っている。
なぜ、そう思うのか?
それは、僕がそういうタイプの人間だからだ。
疑い深い、という意味ではない。
あたかも意味のあるようなものに見せかけて実はテキトーに書いたものを残すタイプの人間、という意味だ。
古代の文明もさることながら、僕が小さい頃はテレビゲームのRPGが大旋風を巻き起こし、ご多分に漏れず僕もそのブームにドハマリし、その世界の中で数ある謎解きに好奇心を鷲掴みにされていた。
数千年前、魔族と神々の戦い。
その業火の中で印された古代文明の傷痕。
現代に復活した魔族たちを滅ぼすため、僕たちは光の戦士となり、古代の神々から討伐のヒントを得て、戦うのだ!
もちろん、そんなことはリアルの世界では起こっていないので、旅をする必要もなければ教会でセーブする必要もない。
それでも、僕は、その勇者たちに憧れてきた。
おれも、もんすたーたちとたたかって、せかいをすくいてえ。
そこでピッタリなのが、まさにこれである。
テキトーに書いた、ヒエログリフだ。
僕は、あらゆる謎を記してきた。
百円の、折り紙に。
その謎を解きながら、モンスターたちと戦ってきたのだ。想像上の。
もう今となればその折り紙がどこに行ったのかわからないが、それは「消滅した」とは誰も証明できないだろう。
それがもし、なにかの偶然が重なったために保存状態が最高の状態で残され、数千年後の人類が発掘してしまったら…。
僕たちは、現代に生きながら未来を創るクリエイターと同時に、はるか未来から見れば古代のミステリーなのだ。
ということで、僕はウェブというロゼッタストーンの上で、ヒエログリフとなる文字で数千年後の人々に心から謝罪したい。
それ、僕がテキトーに書いたやつです。ごめんね。