UFO呼んでみた
UFOスポットで、愛を感じた話。
みなさん、UFOはお好きだろうか?「宇宙人に会いたい」と思ったことはないだろうか?
正直に言おう。私は、ある。
私は山梨県は甲府に住んでいる。フルーツ王国山梨。小学生のころ友達と手をつなぎ、富士山をのぞむ気持ちの良い空き地で「UFO、UFO、UFO、UFO、で〜て〜こい、で〜て〜こい」というあやしい呪文を唱え、呼んでいた記憶がある。
しかし、大人になった今「UFOが見たい、宇宙人に会いたい!」などとというのは……オカルト好きとか言われて気持ち悪がられるかもしれない…。
そんなとき、この「やってみた大賞」というチャンスが訪れた。(運営のみなさま、すてきなチャンスをありがとうございます!)
このチャンスに便乗し、UFOが出るとうわさの場所に行ってみることにした。 そこであわよくばUFOに出会えたら…なんて淡い期待を抱き。
結論からお伝えする。UFOには出会えていない!!
しかし、私はこの企画をとおして「愛」を感じることができた。まぎれもない愛。自分でもおどろいている。
この記事では「UFO(宇宙人)が出るスポットでUFOを呼んだら、愛を感じた話」をお伝えしていく。
島根の相棒。
さて、この企画。遂行するための相棒がいる。
とあるアートとコピーを学ぶスクールで出会った40代男性である。
彼は、私が甲府出身だと伝えると……
「甲府…… 甲府星人の甲府…… 」などと口走り
こんな話をはじめた……
1975年2月23日午後6時ごろ、2人の少年が帰宅途中のぶどう畑周辺でオレンジ色に光るUFOを目撃。追いかけるように飛行してきたUFOから逃げ、ものかげにかくれた。恐るおそる見にいくと、UFOからチョコレート色をしたしわしわののっぺらぼう状態の搭乗者がおりてきて、ひとりの少年の背後にまわり、肩をたたいた。
その後、少年が家族をよびにいき両親が見にいくと、UFOが飛んでいく姿が目撃された。そのとき、周辺でおなじものを目撃したという情報がいくつかあり、「甲府事件」としてニュースにもなった。
後日、現地からは原子炉からしか出ない物質が出るなど、科学的に不可解な(普通ではありえない)ことが判明し、「本当にUFOが着陸したのでは」と謎の事件として語りつがれている。
なんと、私、宮川の地元甲府市は、「宇宙人事件の舞台」だったのである!!
そして「島根の相棒」は次にこんな話をはじめた……
島根県出雲市大社町にある「稲佐の浜」という場所がある。神話の舞台として有名で、観光地としても人気の場所だ。
現在61歳と、66歳の田中兄弟(仮名)の話だ。ある日野球少年だった弟が、浜が見える路地で素振りをしていると、すぐ近く数十メートルの距離に明るい照明器具のようなオレンジ色の光の長方形を発見した。
「最初は新しい照明が設置されたのかと思った」と田中弟は語る。
しばらくながめていると、なんだか様子がおかしい、徐々にせまってくるように感じられたのだ。恐怖を感じた弟は兄を呼び、叫んだ。
弟の様子に、ただならぬものを感じた兄があわててかけつけると、空の光る物体がにげるように動き始めた、大きくなったり小さくなったりしながら浜の方へ移動していく。
兄弟は追いかけた。
そのまま光る物体は海上へ、海の上でまるで「お餅のように」姿を変えながらただよっていたが(この間15分ほどもあったという)ビョーーーンと横に伸びたかと思うとそのまま消えてしまった。
おわかりだろうか。UFOは、宇宙人はいる!
そして、私たちの共通点は「UFO目撃地」に住んでいるということである。
そんな地に住むふたりが出会った。
甲府と島根、私たちはコンビを組んだ。
それぞれの地でUFOが現れたとうわさの場所に行き、何かを感じ取ってこようではないか。
私たちは、甲府と出雲で「それぞれ同じ日、同時間にうわさのスポットにいきUFOを呼ぶ」ことにした。
もしかしたら、UFOに会えるかもしれない……ワクワクが止まらない状況だ。
さっそく呼んでみよう!
甲府事件の現場は今。
「甲府事件」のあった現場は、当時のぶどう畑もなくなっており、UFOが呼べる雰囲気ではなくなっていた。また、周辺に民家も多いのでUFOを呼んでいたら通報される可能性もある。
すまん、島根の相棒よ。私は変な人だと思われたくない。別の場所を探す。
色々聞きまわっていたら、知人から
「むかし、愛宕山でUFOをよくみたって聞きましたよ」という情報を得た。
甲府、ふしぎな裏山へ。
愛宕山とは、甲府駅から車で15分くらいのところにある、小高い丘のような山だ。少年自然の家や、県立科学館などがあり、雲の少ない晴れた日には富士山を望むことができる。子供の頃の思い出がつまったような場所だ。
休日に、まだ幼い娘のいる私は夫にこうお願いをした。
「一緒に、愛宕山にUFOを呼びにいってくれない?」
夫は、「あ、なんかやばいな」という顔をしていたが、ひとりは怖いので、なかば強制的についてきてもらった。
くねくねした林道をあがっていくと、少し景色がひらけたところがある。
少しはなれたところに車を待機してもらい、ひとりで歩いてそこまで行った。
そこらじゅうにある木々からセミの声が鳴りひびき、その音に包み込まれるような感覚。周辺のぶどう畑からバタバタとなるなにかの羽根の音、森がひとつの生き物みたいに存在しているようにも感じた。
少しの怖さにおびえながらも、森の澄んだ空気やにおいが気持ちよくてすううううーーーっと深呼吸した。
ぽっかりと空がひらけた場所につくと、おどろいた。
ぶどう畑と甲府盆地と富士山が見はらせる絶景と、ひろい空が頭上に広がっていた。
そのとき、確信したのである。
「ああ、ここ、間違いなくUFOが来るやつだ。」
近くにでっかいバッタがいて、いつもなら、虫嫌いのわたしは一目散に逃げ帰るところだが、この日はちがった。なぜならUFOに会いたかったからだ。
(しかし、何度かバッタがうごいて発狂しそうになった)
空が暗くなるまで、カメラをかまえUFOを待った。
結局、UFOは来なかった。
しかし、言葉にならない感覚を得た。
私たちの住んでいるまちは、こんなに美しい自然が身近にある。
私たちは自然の一部だ。
今日同じ日にUFOを呼んでいる島根の相棒、休日におかしなことにつきあってくれる夫、それから私を支えてくれる家族や仲間たち、世界中の全てのひと、みんなへのあたたかい想いがこみあげてきて、こう感じた。
「ああ、ワンネスだな。」
このあと、車を停めた位置に戻ったら、夫の車がなくなっていた。
私はマジでUFOにさらわれたものだと思い焦ったのだが、
「あ、車がきて邪魔だったからちょっと移動してます〜」とのことで、ことなきを得た。
では、ここで一旦「島根の相棒」に筆を譲る。
出雲、神がおりる浜へ。
ここからしばらく書き手を、僕「ふののこ」が務める。
まず悩んだのは、島根県のUFO事件の始点をいつとすべきかということである。ここでは神話のふるさと島根県らしく、神話の時代までさかのぼってみたいと思う。
島根県出雲市大社町にある「稲佐の浜」。観光地としてにぎわうここは出雲神話「国譲り」の舞台である。
天から「タケミカヅチ」という神様がこの浜におり立ち、出雲の国をおさめていた「オオクニヌシ」に「国譲り」をせまる、という物語だ。
また、現代では出雲大社の「神迎え」とよばれる神事が、この浜を舞台に毎年旧暦の10月に行われている。
これは出雲の「神在月」、全国では「神無月」と呼ばれることでも有名で、全国の神々が地元を留守にして、この浜をめがけて天から集ってくるという。天から神が降りてくるのである。
天から何かが降りてくる、つまり宇宙人であろう。
さて僕はその浜に立っている。
UFOよ、僕は来た。
浜にたち、人目をさけて空を見あげた。きもちのよい空だ。
ただ空を見上げているだけでは何も起こらないだろうと感じていた僕は、さっそく「ほら貝」を吹いてみた。
ボォオオオオオー
ボオォォォー
結果は、だめだった。
神と宇宙人に関連はあるのか、縄文時代の日本列島では「土偶」と呼ばれる緻密な造形の人形がつくられていた。ところが弥生〜古墳時代ともなると急に「ハニワ」をつくり始める。
ハニワはかわいい、土偶は怖い。ハニワは人間で、土偶は神なのだ。
そんなヒラメキを得たところで、出雲大社横の「島根県古代出雲歴史博物館」では、今年、飛来したUFOに驚く島根県民(古墳時代)の姿を見ることができる。ということをご報告しておこう。今年の8月28日まで。
今回僕は、まるで子供に戻ったような無邪気な気持ちで、調べ、現場に行き、取材し、写真を撮り、呼んでみた。
今回のお題は「やってみた大賞」とのことだが、
何をやってみたかと言われたら「子供にもどってみた」ということになる。
僕たちは、なにがなんだかわからない世界に生きている。なのにコスパや効率、利益と金を求める資本主義勢がなぜだか偉いことにされている。
何かが間違っていると思う、何が間違っているかは知らない。知る由もない。僕の方が間違っている可能性が高い。
だが子供のころの僕は「コスパ」も「利益」のことも気にしていなかった、僕はその時の自分のことが好きである。
以上が、相棒から送られてきたレポートである。
やばい。やばすぎる。
最後らへんはもうなんの話かよくわからなくなってるけど、これはものすごいものを感じる。なんだろう。なんか言葉にできないけど多分、もしかしたら私と同じようなものを、感じ取ったのかなと思った。
もしかしたらそれは、地球上でみんながいうところの「愛」なのでは?
宇宙人から、私たちは「愛」のようななにかを受信したのかもしれない。
宇宙はひとつ。豊かさはいつもそこにある。
今回、この企画をとおして、私たちはものすごいことを感じた。
自然の豊かさに感動したり、歴史に思いを馳せたり、童心にかえり法螺貝を吹いたりした。
この感覚はおそらく、言葉にしようと思っても、言葉にできない。
それぞれが住む土地で、うわさの場所にいき、UFOを呼んでみた。
たったそれだけなのに、感じてしまったのだ。
この世界の素晴らしさ、人や生命のあたたかさ、愛、ワンネス、を。
もしかしたらこれは、新しい土地の楽しみ方なのかもしれない。
みなさんもぜひ、自分の地元、旅行先の地域などの「UFOが出るとうわさのスポット」に足をはこんで、その感覚を味わってほしい。
この記事を書いた人:宮川 史織
相棒:ふののこ
最後に…
この記事を投稿しようと思ったところで、島根の相棒、ふののこさんから連絡があった。
「宮川さん、送ってもらった写真に写ってたこれ….飛行機ですよね?」
「え…..この日、飛行機は飛んでませんでしたけど………」
撮影しながら注意深く空を見ていましたが、このあたりに飛行機が飛んでいたという記憶はない。
これは一体なんだったのか?
もしかしたら………
【終わり】
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