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雑記1135「好きの稀有」

希林さんのちょっとした名言を集めた本をトイレで読み返している。
大の時に読むだわさ。
いらん情報すまんこってす。


そしたら、前は全然刺さらなかった…ってか、まるで覚えてもいなかったのがやたら刺さった。
覚えてなかったのは、珍しくそのページだけ、他の人の言葉を希林さんが借りたものだったからだ。
それが秋野不矩ふくっていう女流日本画家の言葉だった。

秋野さんは若い人にちょいちょい「私も絵で食べられるようになりますか」って聞かれるんだけど、
「世間の人は嫌なことをしながら生活を必死で成り立たせている。自分の好きなことで食べていこうというのは誠におこがましい」
「食べられないほうが当たり前」
「それで食べていきたいと思うことがもう違うよ。そのためにやるんだったらそういうものはやらないほうがいい」
って返してきたらしい。

希林さんもそれを聞いて、歳を取ったらこのぐらいズバッと言ってやったほうが親切なんだなぁと思ったと。


これがねー、昨日はスポンジのように吸い込まれましてねー。ワテ。
いままでだったら、不安ながらも「はぁ~~~ん?」って反発したと思う。そして嘆いてイラついてやってただろうね。
なんだけど、言ってる意味がわかった時のほうが、まったく不安がなかった。「え~、やっぱり並大抵じゃ音楽家にはなれないの~?」なんて一瞬は思うんだけど、理解してるもんだから「そりゃそうだよな」ってすぐに染みる。わかるのに落ち込まないんだな。
そもそも、成る成れんの視座ではないってことがやっとわかってきた。

で、言ってることがわかるってことが才能なんだと思った。自分で言うけど。
前はこの言葉をどの角度から見ていいのかまるでわかんなかった。
それはちょうど、「人生は自分の思い通りになるよ」っていう言葉を「そんなわけねーべ! どんだけやってもダメなヤツはいるよ!」とまったく受け入れられずに必死こいちゃうヤツの思考と似てたと思う。すぐ「はぁ~~~ん?」ってなるわけだ。
死ぬほど「はぁ~~~~~ん?」するならまだ望みもあるんだろうけど、しょせんはその場限りの反駁だ。半日で忘れる。いや、数分ぐらいか。
この言葉の前に希林さんが「やりたいことをやれてるだけでありがたいのに」と付け加えてくれてたのもデカかった。

そうなんだよねぇ。
今日もまたたまたま、高校卒業間近の場面を夢に見た。そこでは鍵盤の付いてる机を探してて、みんなの前でなんか歌おうとしてんだな。必死こいて。「あー、時間がなくなっちゃうー」なんて焦ってんだ。
これ、いまのオレの心境そのまんまなんだろなぁ。ロクに歌の発表もライブもしないで、人生の時間が終わっちゃうーって焦ってんだろう。

そんな文字通り夢見るほどやりたいことがあってだよ、それはたとえば、二度と食えないような高価で希少な満漢全席だとか、ブルジュ・ハリファ(タイトル画)行きたいだとか、絶世の美女抱きたいとか、そういう夢を叶えたいーって思っといて、あわよくば叶った暁にはお金もくださいよ~言い出すってことじゃんって気づいてさ。あーこれはおこがましすぎるわなと(笑)
むしろ払う場面だろと。やっとわかった。「あーっ」ってなった。

やりたいことをやれてる、いやその前にただやりたいことが「ある」。それがどんだけありがたいことか…。
わかると焦りがなくな…りはしないけど、だいぶ減ったと思う。

やりたい技法はすでに決まってんだ。それが遠くにあることもまた楽し。
それをやることでお金が入ろうが出ようが、どんな結果になろうがオレの知ったこっちゃないんだ。そんなことは天が勝手に采配してくれるわな。


ぺたぺたぺたぺたと積んでいくしかない…ってか、積んでくだけでよかったのだ。
自分の作った曲をあとから眺めてニターッと悦に入れるっておめでたさは、実のところかなりの才能なんだろうなぁ。

その対象がお金である人じゃなくて良かったと心底思う。




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【今月の過去分オリジナルソング】




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