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ホン雑記 Vol.10「バランシング サ・ガ」

さてさて、最近仮想通貨投資を人に勧めていて、またそれをやめたんだけど、資産を現金以外でも持っておいたほうがいい世界が訪れはじめてますよ~? ってことだけはやっぱり言っておこうと思ったわけである。


ギリシャが2年に1度破綻しているとか、トルコリラが10年で4分の1の価値になってるとか、キプロスがどうのかアルゼンチンがこうのとか、そりゃあ前々から色々あるんだけど、今回のコロナが一気に世界の動きを推し進めてしまった。
コロナが良い悪いじゃなくて実際いろんな出来事を一足飛びにさせてしまうのが大イベントなんだな。戦争の始まりも、終わりもそう。

はっ!
いかん、また話が長くなる予感がしてきた。エントロピー増大の話まで持ち出そうとしているぞ。簡単に言うと覆水盆に返らずなわけで、そのスピードが遅くなることだけはないよってこと。芸人や歌手などの賞味期限や、人間がじっと見ていられる動画の尺が長くなることはもうない。

で、オレが最近の世界情勢で何が一番ゾッとしたか。
それは米国のお金ジャブジャブだが、コロナ禍によってこの6カ月で刷ったお金の量と、建国以降の200年間で刷った量とが同額だということだ。
ある程度の大人だったら分かると思うが、今のお金はゴールドのような実際目に見えるものとの紐付けは何もない。ただみんなが、これぐらいの価値があるだろうと信じているだけだ。

「別にそんなにドルの価値下がってないじゃないか」
本当にそうか? 指標にしてる円が下がってるかもしれないのだから、今度は主要通貨全体から見たドルインデックスも疑わなければいけない。1ドルが103円なんていうその指標が宙に浮いたものなのだから。次に、法定通貨のすべてが等しく人に見放されていけば、ドルインデックスにも何も現れてこないだろう。

そうして、各国政府の思惑の外にある仮想通貨が見直されはじめているのが現状である。代表格のビットコインは3年前の大バブルと同じ値段まで上がってきたが、市場参加者は当時の10分の1ほどしかいない。つまりもうバブルではない
価値を知っている者や機関投資家だけが、3年前とは比べ物にならない量のビットコインを仕込んでいる。
(補足:ビットコインはコアプログラマーが勝手にジャブジャブと市場流通量を増やすことはできない。現在1800万枚が発行され、2100万枚以上増えることはない。このことが価値の担保にも繋がっている)

貨幣に限らず、すべての物の価値は相対的にしか測れない。
仮想通貨や株や債券や貴金属や土地など、あらゆる天秤を持っておいたほうがいいのは間違いないだろう。

長くなるので端折るが、世の動きのスピードが落ちることがないのは「FOMO」が関係していると言われている。どこまで行っても、経済は結局は人心なんだなぁと思わされる。

ある番組で某インテリ外国芸人が、
「そうは言っても、1年足らずで4倍もの価値がつくほど変動性のあるものに賭けることなんかできない」
と言っていた。それに対して仮想通貨識者が、
「その市場では円が4分の1の価値になってるとなぜ思わないのか?」
と返していた。

市場の値動きは、参加者が増えるほど、価値を信じる者が増えるほど変動性を失っていく。つまり今の法定通貨のように、みんなが盤石だと思っていて、いつでも価値の変わらないものになっていく。

こういう話ばかり聞いていると、自分の価値感覚が変わっていくのが分かる。絵画や切手に甚大な価値がつけられているのを、以前は本当に「バッカじゃないの?」としか思っていなかった。本心からそう思っていた。

今では、価値が分かるようになった…とは言わないが、なぜそういう市場が存在しうるのかが分かるようになった。分かる人と分からない人がいるから存在しているのだ。
そしてその市場にとっては事実価値があるもので、パッ…外国芸人が憤っていたのを見て「あぁ自分もこれをやっていたんだなぁ」と腑に落ちた。

番組の最後にまた別の業界人が「庶民は買わなければいいだけです」と締めたのが言い得て妙だった。妙とは言っても、その人物ほど庶民をバカにしてるわけではなく、いや、そもそも庶民と自分を分けてるつもりもなく、ホントに分からなければ買わないでいいとしか言いようがない、という意味でだ。
ってなんの言いわけをしてるんだオレは。


下図はオレの資産比率である。ポートフォリオも同じ意味。

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今までに何カ所かで聞いた、一般的(守備的)なポートフォリオは、資産の1%を仮想通貨で、5~10%ほどをゴールドで持っておくといいらしい。

パラジウムは金の約1.3倍の価値がある金属で、ディーゼル車不況かつガソリン車好況の状態だと価値が出るヤツ。でも国がガソリン車いらん言いだしたからそろそろ売る。その分と円のいくらかが株に変っていると思われる。
円を信じずに、金と仮想通貨どれだけ信用してるんだって割合だ。


かくして、バランスを取らなきゃいけない性(さが)にあるんだよというタイトルにたどり着くのであった。




………で、本当はこの記事を終わらせるところだった。上も3行改行しているしね。いつも最後だけ3行改行しているのだ。

基本的にオレは、人の不安をあおる記事は書きたくない。基本は、ね。
人が見て前向きになれるような、言葉の憩いの場のような、ラジオブースに感じるぬくもりのようなものを届けたいと思っている。
なので、このまま終わるのはなんか違うぞと思いなおした。


これから今にもまして、価値を保存するモノが入れ替わり立ち替わりして、見極めが難しくなってくるだろう。が、最後の最後まで人々から見て価値が残るのは個々人の信用だと思う。よく言われることだけども。

それは具体的にどんな人かというと、「その人が属するコミュニティの中の、そしてその次にはコミュニティの外の、なるべく多くの生命体をなるべく遠くの時間と空間にまで送り届けるような行動を取っている人」だと思っている。つまり価値の保存を考えてない人。なんとも逆説的だけども。


みんながそうなったら、その時にはもうお金は要らなくなってるのかもしれないなぁ。




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仲大輔
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