ホン雑記 Vol.670「有機外部記憶装置」
いやー、ホント糸井さんの「今日ダー」の話ばっかで申し訳ない。だってネタに事欠かないんだもん。ってかオレの発想に似すぎてるから使い回したくなっちゃうんだもん。
あ、オレが似てるんでした。
「大事そうじゃないけど大事な思い出」の話だった。世の中的には一応大事度をモノの値段で決めていて、自分的には大事そうだったかどうかで大事度が決まる。
もし、オリンピックで金メダルを取っていたとしたら、その思い出は「すっごく大事」ということになりそうだね、と。そりゃそうだわね。
ところが、まったく大事そうでない思い出の中でもずっと覚えているものがあるという。自分年表を書くとしたら絶対に入れないようなエピソード…にもならない「大事そうでないもの」が案外ある、ということだ。
あ、いきなりだけど、おヒマだったら歌詞だけでも見てってつかぁさい。
いやいや、宣伝じゃないから。なーんも取らないから。
…っていう結局宣伝なんだけど、これは唯一のツレのことを書いた歌でしてね。あ、唯一はツレのほうも歌のほうもなんですけども。
ってところがあって、カギかっこ内はご存知の人にはご存知の通り(当たり前だな)、ドラクエ1のフィールド曲「広野を行く」のメロディーをそのままパ…オマージュしておるわけです。
で、この「竜の目の中に目の中に」の歌詞は小5のオレが口ずさんでたものらしいのだ。オレはまったく覚えてなくて、それを何年か前にツレが教えてくれた。これを知った時に、ってか家に帰って反芻してた時に、人間ってとーってもすっっっごいなーって思ったんだー(語彙よ)。
オレの物語が、オレじゃないヤツの脳ミソの中にも記されているのかーっ! って。まぁ、文章にしちゃうと当たり前の話なんだけど、これをこんなレベル(こんなって見せられないんだけど)で感じてるのがオレのすこぶる素晴らしいところだよね。だよねって、しらんだろけど。
この手の感動は、オランウータンでは絶対にあり得ないんだよね。5歳児並みの知能を持つ彼らだけど「え、オレってそんなこと言ってたの!?」ってやりとりはたぶんしてないだろうし、こういうタイプの感動は、人間じゃないと味わえないんだな。あぁ、ありがたや~。
で、そのアドリブ曲を聞いた時のツレは「ふーん。そうなんだ」って思ってたって言ってた。かわいい。
それは彼にとってはたいした思い出じゃなかったんだろうけど、たまたま何かが引っ掛かって覚えてて、それがオレに帰って来た時にはまるで宝のようになっていて、1曲の歌まで作らせることになった。
同時に、歌ってすごいな、とも思った。これ、その時のオレが「竜の目の中に目の中に」っていきなり朗読しだしたとしたら、ツレのほうも「なんだコイツきめー」だっただろうし、「ふーん」中の「そういうものかもしれないな」の納得感もなかったと思うのだ。
サカナクションの山口一郎は、だから歌にしてるって言ってた。文学畑の人らしいけど。刺すために歌の形にしてるって。
この手の思い出狩りは友達がいなくてもできると思ってて、オレにとってはこのホントにとりとめもない雑記がその手段なのだ。
もちろん、人から聞かされるほうが遥かにノスタルジーなんだけどさ。