雑記1210「お前が居続けてどうすんの」

バカなことを言ってないで死になさい。
心の底からそう思った。

死になさい言うてもディスってるわけじゃーない。
ま、ディスりだとしたらディスりどころじゃないが。

いやあのね、Youtubeのサムネかなんかで見かけた「本当に不老不死に挑む！」みたいな煽り文句に対してさ。と、そういうのにマジメに取りくんでるバカ野郎に対して。ちゃんと死になさいと。

核家族化や、終身雇用の終わりや、便利な支払いや、インターネット…。
残念ながらオレも嫌いじゃないそういう物たちは、遅効性の猛毒で徹底的に人間を破壊してきた。
そして、オレは善悪などは無いとは言いながらも、あえて「悪」というものがあるならそれは、輪を閉じ、隠れ、我田にのみ水を引くという気質（それ以外にもあるんだろうが）だ、と何度かここでも書いた。

破壊されるのはいつだって数十年後だ。その時は「便利ねぇ～」と、誰もが豊さを錯覚する。言うてるオレだってそうだ。
ネットには調べ物や音楽やアレで、どんっっっだけ世話になったかわからない。

そして上に挙げたような物たちよりも、さらに悪に遠そうな望みが不老不死だ。つまり、一見悪の入り口に関係なさそうに見える。
が、遠いくせに、上に挙げたような物よりもさらに巨悪だ。賢治言うところの「銀河」「四次元」「ほんとう」「透明」にもっとも反する、クソみたいな望みだ。
あ～～～。そういやホリエモンもキャッキャ言ってたな。不老不死。

金持ちのコールドスリープもまったく同じだけど、目も当てられんような低級霊。自分さえ良ければいい。全体のことなどこれっぽっちも考えてない。殺人にも劣らない最下級霊。

戦争のほうがまだマシだ。少なくとも目に見えるからね。だけど、汎用性がなくなっていくだけのクソしょーもないオトナがこの世に居続けようとすることは、ターンオーバーを拒否する古い細胞と同じだ。

そんなバカな細胞があるか。
老兵は去りなさい。
醜い。

生物学者の福岡伸一氏が言ってたよ。
生命とはエントロピー増大に反する唯一のシステムであると。

原子、素粒子でさえ消滅したり中身を入れ替えて再生したりするというのに、生命だけは永遠に消滅しないためにアポトーシス（プログラムされた細胞死）というまさに神がかり的な仕様を搭載した。
つまり、全体としての自己を永久に続けるために、個としての自己をその前に自ら殺すわけだ。情報だけは新たな個体に送って。

オレの信じる神のカタチは「個であり全」、つまり神で無い部分は宇宙（もちろん銀河でも）中に存在しないというニール・ドナルド・ウォルシュ氏にモロに影響を受けた、著名なところではスピノザの言う神に近いものだけど、そう思うと生命＝神に最も近いカタチだなぁと、少なくとも最も近いカタチだと説明するのにうってつけだなぁと思う。

それをだよ、テメーいっぴきだけ永遠にぬくぬく生き続けようなんて魂胆が、どれっっっほどクソ排他的な謀り事なのか、たぶん感じることすらないんだろうな。あーゆーヤツらは。

谷川俊太郎が言ってた「かくされた悪を注意深くこばむこと」ってのはまさにこれのことだと思う。まったく悪っぽくないからね。
だって、フツーの人は誰だって長生きしたいもん。
（オレは日によってコロコロ変わってしんどいけど。自分の中の太宰や三島チックなもうひとりが全部壊そうとするんだな。これもアポトーシスなのかね）

だから一見、不老不死の研究が「みんなのために」なってるんだと錯覚しちゃう。ところがこのウンコみたいな虚構の利便は、子孫を真綿で首絞めるように祟り続けるで。
だから「死になさい」なんだよ。愛あるお言葉ですよ。自分で言うけど。
そんなことを望むこと自体が、そもそもの虚空というか闇というか、そういったものに対峙する姿勢を間違えてんだよ。
不老不死ってあなたね、フリーザじゃないんだから。そんなものを手に入れたところで、その時のおまえにとってはまったく「良い」状態じゃーないんだ。それがわからんことのほうをこそ、なんとかせーよ。マジで。クッソ短絡的だわホンマ。

そういや、なんかの動画でホリエモンが子供のことを「負債」って言ってたわ。別に子供をディスるわけでもなく、さらーっと。さも当然のことのように。

そういったそもそも中身がまったく一般とは異なってるニンゲンの書く本をせっせと読んでるってこと、みんなわかってんのかね。

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