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ホン雑記862「『好き』は想像以上にだいじです」

明日は9月1日。最も子供の自死が多い日だ。
そんなことならむしろ、夏休みを無くすか、減らすか、それがかわいそうなら週1ぐらいで登校日、というか普通の授業の日を入れて、そのぶん前倒しで夏休みに入るか、先に延ばすか、そんなことはできないもんだろか。


普通に考えたら春休み明けのほうが不安は多いはずだ。学生は確実に環境が変わるんだから。それにも増して9月1日が最多というのは、やっぱり40日というオフ日の長さのせいだろう。オレも10年ニートしてたんでよくわかるけど、休めば休むほど最初の一歩は踏み出しにくい。
気を張り続けるのはしんどいだろうけど、気はやっぱり緩めに張り続けたほうがいい。

とはいえ、すぐには制度的にはどうしようもないんで、やっぱり学校以外のコミュニティが死ぬほど(死ぬほどとか言うなよ、こんなテーマの時に)だいじなんだと思う。
こんなオッサンでも、近所のブラジル人とわりかし仲良くなってきたってだけで、雲間から一条の光が射しこんだ感があった。子供たちならなおさら、自分のいる世界がすべてだと思ってしまってるだろうから、人間という環境が与える影響は計りしれないものがある。
塾でもいい。オンラインのゲーム仲間でもいい。自分が楽しくいられる場所ならなんだっていい。いくつか心の避難所を持っとくといいんだろうな。

コミュ力の低い人だってまったく諦めることはない。上に挙げたのは所詮人間界だ。まだまだ狭い。
養老先生は、子供の頃からいままでずっと虫が死ぬほど好きなんで、相対的に人間社会での出来事が小さく感じられるという。というか、昔はみんなそうだったと。
プラモデルにハマってみたり、アイドルをマネてオモチャのマイクを手に歌ったり、少年野球やったり、宇宙に想いを馳せてみたり、ギター少年になってみたり…。

いまの若者たちは、入学前や配属前からオンラインでヒエラルキーが決まりはじめるという。やっぱり生物として異常だよそれって。単に不安避け、もしくは優位に立ちたいだけで、まだ見ぬ仲間と早くしゃべりたいワクワクなんかじゃないだろう。
せっかくこの世界にポッと生まれて来て、それなのに人間関係の構築に割く時間があまりに多くなった。自然や好きな芸術、過去の偉人の苦悩なんかを身の回りにはべらせると、日常の卑近な人間生活がうまくいかなくてもなんとでもなるんだけどね。
これって定年退職したおじさんとかもそうなんだろうなぁ。趣味もなく夫婦仲もいまいちだとそりゃぁ人生キツイわなぁ。


収入源をいくつか持っておきたい時代、なんてよく聞く昨今だけど、本当に好きなものをいくつも探し続けるほうが、ひしがれて死なないためにはよほど優先事項だと思う。
お金なんて、いくつもある幸福製造材料のうちのひとつにすぎないんだから、それも結局一点賭けなんだぜ。




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【今日の過去詩リーズ】


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