ホン雑記 Vol.36「素敵なミスプリント」
素晴らしいニュースがあった。
ちょっとしたことなんだけど、オレの中では大きな第一歩だ。
オレの中の一歩と言ってしまったが、オレはなんら関係ない。
缶の英語表記で誤りがあったため発売中止になっていた「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」について、サッポロビールは廃棄することなく発売するとの報せだ。
このニュースはちょっとだけ、確実にオレを幸せにした。
コンビニなどが台頭してからというもの、たった1日で捨てられる食料品を見ることに耐え難いほどイラついていたからだ。
なんとかして、食糧難の国に冷凍してでも送る方法はないのかといつも思っていた。
日本人のイヤなところに「揚げ足を取る」っていう国民性がある。自粛警察しかり、とにかく一夜漬けの正義で「けしからん」と言いたがる。
ってか、文字打ってるだけでもハラ立ってくる。
なんとな~くPTAや行き過ぎたフェミニズム団体が嫌いなオレだが、なんにでもイチャモンつけたがる、そういうクソみたいなハゲどもがこういう風潮を作ってるんだろうなぁ、と勝手にイラついていた。
自粛警察を先に言ってしまったが、コロナ禍のギスギスで、よりそんな輩が顕著に台頭してきていると勝手に頭の中のクソ怪物と戦っていた。
なんだこの文章イラつき過ぎだろオレ。
発売中止の発表に対して、SNS上では「廃棄にしないで」「中身に問題がないなら、もったいないので販売して」などの声が上がっていた。
「LAGER」の表記の「E」が「A」になっているというミスだったため、「#EじゃなくてもAじゃないか」というシャレの利いたハッシュタグも見られたという。
これを受けて、サッポロビールは発売中止の決定を取り消した。
これほどの大企業が、ミスプリントされたままの商品を出すってすごくないか?
関係ないのかもしれないが、なんとなくこれもコロナ禍の生んだストーリーのような気がした。
最初は「飲食店が店開けやがって」と出る杭を打っていた者も、さすがに皆が疲弊して来ると「いやいや、中身がちゃんとしてるなら別に捨てんでも」という心境になって来ている層も少なからずあるのかもしれない。
で、これって売り手と買い手がお互い顔が見えてたら、当たり前のことだったはず。ミスプリント直してから持って来いよ、とは言わないと思うのだ。位牌に書かれた戒名を間違えたりでもしない限りは。
いやぁ、ホント素晴らしい一歩だった。あっぱれ。
もっとゆる~く行こうぜよ。
って、いちいちこんなに反応してるのオレだけ?