雑記1131「もっと夢見る夢オサン」

糸井さんとこの「ほぼ日」にはホントによくお世話になってるなぁ。

何年か前に「ほぼ日の學校」ってコンテンツを糸井さんがはじめて、それ有料アプリだったんでしぶしぶほかっといたんだけど、昨日Youtubeでタダでいいのが落ちてた。もちろん切り抜きとかじゃなくて公式の。

あぁ、「ほぼ日の學校」ってのは、いろんな道の人に糸井界隈まで来てもらって（スタジオ？）、講義してもらうっていうやつなんだけどね。
ちょいちょい著名人も出てくる。谷川俊太郎とか鶴瓶師匠とか。

で、昨日観たのが、東京事変のベーシストとか、いろんなミュージシャンのプロデュースで著名な亀田誠治氏の回だった。

どうも音楽プロデューサーっていうのは、オレのイメージの中で音楽家って感じがなくて（小室はどうなるんだよって話だが）、なんか裏でウマいことやってるオトナの人なのかなーぐらいに思ってた。アホ極まれりだけど。

でも、そんな肩書きとかホントはどーでもよくって、「あぁ、この人も作り手なんだなぁ」と思ったな。
作詞・作曲・編曲・演奏してるんだからそりゃ作り手に決まってんだけど、どーもビジネス脳があったり（全然悪いことじゃないと散々西野サロンで学んだんだがなぁ）、ウマいことやってるように見える（いろんなことをウマいことやれて何がいかんのかなぁ）人を見るとどーも尊敬の枠から外そうとする凡夫極まりない性質がオレにはある。

でも昨日そういうの払拭されたなぁ。いや、もっと前からされてたか。ゴッホ展観に行った時にだいぶそういう偏見が剥がれた。
それまでは、作る者、編集する者、広める者、（作品や人を）集める者、そして見る者の垣根をモリモリと勝手に脳内で積み上げてたなぁ。

で、亀田氏の言うところをギュッとすると「やっぱり好きが強いよ」ってことだった。
芸術の世界にいると特に「好きを仕事にとか難しいよ～」なんて声を聞くけど、遠回りしてでもやーっぱり好きで固めた人が強いと。

んで、こういうこと言う人って、間違いなくオレの好きな感じのことも言ってくれる…つまり、ちょっと不思議な話もしてくれるんだよね。これまーぁたいがいそう。

亀田氏は小2の時に小児喘息で（シャレではない）1学期をまるまる家で療養することになるんだけど、その時に親の持ってたレコードを聴き漁ることになる。
そこで洋楽にドハマリして、アメリカのビルボードチャート40かなんかの（うろ覚え）ランキングを常にチェックするようになる。が、自分のオキニのミュージシャンがいつも2位までしかいかないんで、もう自分でTOP40を決めてやる、というような少年だった。

そこから高2まで架空のラジオ番組「FM亀田」を脳内で続ける。青春のすべてをこの妄想に捧げてしまったと言っていた。
それはリスナーの自分がDJの自分にリクエストハガキを出すほどのイカれっぷりで、ここまで来たらもうオレは尊敬しはじめている。

で、いつの日かミュージシャンを自分の作ったラジオブースに呼べたらなぁと妄想して、新宿のビル群に物件の下見に行く。もちろんまだ子供時代の話だ。

高層ビルの30階あたりで～、こっちの窓からは東京タワーが見えて～、横の窓からは富士山が見えて～、ミュージシャンはこの辺に座らせて～、って妄想してたっていうんだね。

それから何年も経って、音楽の道に進めるようになって、ラジオの番組を持てるようになって、その時に通されたブースが、東京タワーと富士山が一望できる33階の部屋だったという。これには講義を聞いてたみなさんも（糸井氏もいる）拍手してたわ。
自分で設計したとかじゃないんだよ。偶然。

で、そんな偶然ってないよなぁ…つまり、そういう必然ってあるのかもなぁ、って信じてフワフワしてる時が人生で一番楽しいんだよ、オレ（嫁と遊んでる時を除く）。

そんなオレは見る人が見たらアホ極まれりなんだろうけどさ、もうそういうスピリチュアルな奇跡ぐらいにしか希望を見出せないのよね。こんな何も出せてないまま出がらしちゃった枯草のようなオッサンにはさ。
って、誰が枯草やねん。

でも、この逆ってさ、「オレは何をやってもダメなハズだ」っていう諦めなわけでしょ。そして他者に当たる。秋葉の通り魔事件や、京アニ事件の犯人みたいに。
鬼はそもそもの悪人（そんなヤツはいないが）なんかじゃなく、自縄自縛し続けた者の心に宿るのかもしれん。それは横目でチラチラと他者を見続けた者。
だったらさ、たとえ勘違いでも「オレだってきっといつかはすげえオッサン、もしくはおじいちゃん、も、もしくはあの世でも、ら、来世でも…はぅ～」なんて思い続けてるおバカのほうがええじゃないか。

なんの根拠もないけど、心が気持ちよがることは、きっとやってていいことなんだと思うんだよね。
脳が気持ちよがることはやりすぎたらアカンっぽいけどね。

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【今月の過去分オリジナルソング】