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ホン雑記 Vol.119「What A Wonderful World」
「なぜこんなにたくさんの病気があるのか」
ふと疑問が湧いたのでググってみた。
が、めぼしい特に答えは見つからなかった(読んでみたい書物はあったが)。
代わりに、興味を惹くPDFファイルが落ちていた。詠み人知らずならぬ、書き人知らずの文書だが、どこかの医師が書いたものであるようだ。ちょっと内容を拝借してみる。
抜粋して載せるが、人生の途中で難病、あるいは障がいを被った人に宛てたメッセージと思われる。
皆様はハリーポッターというお話をご存じでしょうか。両親を亡くして叔父のもとで暮らしていた少年に、突然フクロウが手紙を運んできて、彼が魔法使いであることを知らせます。
魔法学校に入学したハリーは魔法使いの友人たちと魔術の勉強をしながら、様々な困難に直面し、これらを打ち破りながら成長していくストーリーです。とてもワクワクするお話で、映画化もされて世界中の子供や大人が夢中になって楽しんでいます。
ところで、ある臨床心理士の先生が私に「難病患者として生きるということは、ハリーが魔法使いに成長していくようなものだ」と教えてくださいました。これまでマグル(ハリーポッターでは一般社会に住む普通の人々をこう呼びます)として生活していた皆様は、自分の持つ何か不思議な力(障がい)に気付いて私たちのもとを訪れられ、魔法使い(難病患者)であることをフクロウ便(医者)によって告げられます。マグルとして生活されていた皆様にとって、自分が魔法使いである事実はとても受け入れがたいことかもしれません。
しかし、皆様を待ち受ける困難に打ち勝って生きて行くためには、魔法学校に入って友人(闘病仲間や支援してくれる人)を見つけ、魔術(患者としての知識や生き方)を身につける必要があるのです。魔法使いの生き方は、マグルの世界では教えてくれません。一歩を踏み出して、魔法学校の門を叩こうではありませんか。
近しい環境に生きる人にとっては、美談が過ぎるのだろうか。部外者である自分には、すんなりと沁みてきた。
昨今の世界の動向には感心している。特にパラリンピックの開催や、障がい者を扱ったテレビ番組などのお陰で、健常者との垣根が以前よりは低くなってきているように思う。
オレも昔から「あまり分け隔てないほうがいいと思うけどな。お互いのために」と思っていたので、ホントにいい傾向だ。
差別や区別をするつもりはなくても、以前はプールなどで四肢のない人を見かけたら「ギョッ」と思ったものだ。悪気はないが、触れる機会がないんだからどうしようもない。
今ではテレビCMなどでも障がい者が出ているし、ホントに「背が高い低い」「肌の色の違い」「フサフサとハゲ」程度の差と同様… に近い心持ちで見られるようになってきた。自分が歳を重ねてきたせいもあるかもしれないが。
とはいえ、やはり特別な訓練は要るのだろう。分け隔てる必要はなくても、健常者とは異なる能力である以上、多数派用に作られた社会でより良く暮らす術を教えるのは普通の学校では難しかろう。
魔法使いに成長していくには、自分ひとりの力では困難です。魔法を教えてくれる魅力的な教師や、励まし合いながら共に成長していく仲間の存在が大切です。しかし、今の日本ではこの面でのシステムが欠落していて、不幸を招く大きな要因となっていると思います。
マグルの世界で生きていて、魔法使いの世界に気付いてない人々に、魔法学校の設立を求めても難しいのかもしれません。医者もマグルのエリートであるために、多くの魔法使い(患者様)に接していてもその必要性を強く意識している人が乏しいのは残念なところです。
筆者自身も医者というマグルでありながら、こういうことに気付けるのはなかなかすごいことだと思った。
この文書の中にはこんな一文があった。
健常者、障がい者の別を問わず、胸に留め置くといいかもしれない。
マグルの世界では常識という魔物が支配していて、人の価値を「あなたが何をできるか(What you can 『do』)」に見いだそうとします。でも、人の価値を決めるのは本当に「do」なのでしょうか?
たとえば、あなたが人を愛する理由は、相手が速く走れるから、歌が上手いから、手先が器用だから、いい職業に就いているから、だけでしょうか? おそらくそうではないでしょう。私たちは相手の人柄、すなわち「いかにその人があるか(How you are(『be』))」に共感して愛するのだと思います。
魔法使いに成長しようとする皆さまは、doを重んじるマグルの常識を打ち破り、より本質的なbeに存在する自分の人生の価値を高めていかなければならないのです。
魔法は、この世界に実在する。
きっと、星の王子さまに出てくる「目に見えない大切なもの」を見る力も、この魔力と同じものを見せる力なんだろう。
植物は脳もないのに、虫の存在を知っていて使役している。
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