僕のメンターシリーズ2「鴨頭嘉人」
ども。超ひよっこブロガーのでぽろんです('ω')ノ
みなみなさまの手で立派な鶏に育て上げてください。
さて、今回も僕が影響を受けた人生の師とも言える方を紹介していきます。
シリーズ第2弾は「炎の講演家 鴨頭嘉人」さん。
引き続きクセのある人が続きます。この人はねー、ずーっと拒否反応あったんですよ。「いや、こりゃアレやで」と。
アレって何かって言うと、そのルックスと熱量から立ち込める「胡散臭さ」です。「あー、こらアカンわ」ってなもんでした。
最初、YouTubeでチラホラとハゲ頭のオッサンがおススメに出てくるんで「絶対見るかいこんなもん」と完全バリケードだったんですよ。当然のごとく。
で、まぁこれがしつこいんですよ。僕が割と自己啓発モノの動画を見るせいなのか、しょっちゅう出てきよるんです。オッサン。
そしたらなんか腹立って1個見てしまうじゃないですか。そんなん。
案の定「あー、こらダメ。もっともダメな感じやん」でした。
しばらく経って、ウザいもん見たさで動画をいくつかポチってしまうんですが、その時には「な、内容はいいこと言ってるんじゃない? 内容はね」みたいな状態になってます。
で、結局メンターと仰ぐほどになったのは、とある動画で、上で言ったような感情の流れを、鴨頭さんにバチコーンと予言されたのが始まりでした。
予言というか、そういう人が他にもわんさかいるらしいので、こちらからしたら「なんで分かるの?」ってことなんですけどね。
では、ちょっと経歴をご紹介。
鴨さんは1966年生まれ。愛媛の高校を出たのち、大学入試のために上京した際にマクドナルドでアルバイトをします。接客業に魅了された彼は社員になり、そこで25年の時間を過ごします。
店長、スーパーバイザー(エリアマネージャーのようなもの)、本社人事部へと昇りつめ、独立を決意。この時点ではまだ、なんの仕事をするのかまったく決まっていません。ただ、サービス業に関わること、そして、お客さんのほうを変えていかなきゃだめだという信念のみで、マックを退社してしまいます。
後に講演家を志し、最初は1講演5000円で依頼を受けていましたが、今では1本200万円の価値にハネ上がっています。
YouTubeには1500本ほどの動画があるらしく、とても紹介しきれないので、「鴨頭嘉人」という人間が最も色濃く出ている、と僕が独断する動画の内容を一部引用して載せてみます。
彼が体験した、過去のとあるセミナーの様子を紹介するものでした。
コラボ講演の依頼が来たんですよ。やりとりしたものの、イマイチ内容が分からなかったんで、当日行って打ち合わせすればいいやぐらいの気でいたんです。コラボ講演を依頼するぐらいの方だし、慣れてらっしゃるだろうと。
セミナーの45分前に控室に行ったんですよ。話してたら衝撃の連続でした。彼は緑川さんって言うんですが、今回の目的をお尋ねしました。
緑「とにかく僕は従業員にスゴい人だと思われないといけないんです」
鴨(??? ちょっと何言ってるか分かんないな)
「ほぉ。OKですOKです。ちなみに、セミナーってどれぐらいやられているんですか?」
緑「今日が初めてです」
一瞬、血の気が引くようなこの会話、セミナー開始の30分前です。
鴨「………。OKです。どんな内容をお考えですか?」
緑「あの、これがプログラムです。このレジュメに沿って進めます」
鴨「その、進めるのは誰が?」
緑「あ、2人で」
鴨「…。おぉ」
えー、この会話が開始15分前ですね。
初めてかな、「このセミナーやっていいのかな?」って思ったのは。ちなみにこの緑川さん、ローソンのオーナーさんなんです。その人がコラボ講演の依頼をしてきたんです。
僕は聞きました。なぜこの依頼をしようと思ったのか、その経緯を教えてくれと。
「僕が鴨頭さんに出会ったのはYouTubeです。その瞬間に思いました。『この人とコラボ講演をやるんだ』って。そして依頼させて頂きました」
これが2か月前のことです。イッちゃってるなってことが、ここでやっと分かりました。完全にイッてしまってるなと。
今度は僕が腹をくくる番だと思いました。
ここまで見て僕は「ホンッッット腹立つわー」とご立腹でした。こういう、なんでしょう、言わばデリカシーのない輩がホントに嫌いだったんです。
「OK、このまんまやろう」と言って始めたんです。もうお客さん入ってますから。どうなるんだろうと思ってはじめましたが、緑川さん、さすがにちゃんと準備はされてました。
会場に入ると、ホワイトボードがある、客席も用意されてる、そしてもう1つ、普通見かけないものがありました。譜面台です。
自分がしゃべる原稿を全部そこに並べて、その前で読むというセミナーだったんです。初めてですから。それをただひたすら読みながら進行するんです。
オープニング始まってすぐの時でした。「今日は原理原則のことが学べます」みたいなことを緑川さんが言ったんです。
緑「じゃあ、その話を」
鴨「え? えーと、原理原則は…」
僕はしゃべりながら「これはエラいことになったなぁ」と思いました。
これ、2時間やるんですよ。
お客さんはセミナーのチラシを見て来てるわけです。3600円出して。
すごい大袈裟なタイトルなんです。「必ず人生が変わる!」みたいな。
ちなみにこのレジュメ、全部大島啓介さん(鴨さんに最も影響を与えた講演家)のパクリです。
分かりますか? つまり打ち合わせの段階では「頭がおかしい人」であり、「失礼な人」なんですよ。
セミナーを1回もやったことないド素人が、金さえ払えば来てくれるということで、このプロの講演家を呼び、そいつに大島啓介さんのセミナーの内容をやらせるんですよ? ハハハっ、分かります? 馬鹿で失礼でしょ!?
まだ鴨さんを全然受け入れてなかった僕は「おー、胸のすくようなことも言うやんけー。ホンマ嫌いやわこういうオッサン」
などと思いながらも「素人をこんなとこで叩いてもいいのか? 大丈夫か?」ってな気持ちで見ていました。
そのセミナーの内容の一部を紹介します。こういう内容でした。
「みなさんの夢はなんですか?」
というのをレジュメに1回書いてもらうんですね。
「そしてそのためには来年どうなりたいのか」
「そして過去の自分はどんなだったかを書いてください」
なんていうのを書いてもらって、周りの人とディスカッションしてもらう。
そして「じゃあ、もし一切の制限がなかったら、お金も時間も人も、自由に使えたら、その状態であったらどんな夢を成し遂げたいですか?」
という質問をするんです。そしてこう言うんです。
「どうでしたか? 最初に書いた夢と、2回目に書いた何の制限もない夢は違うサイズだったんじゃないでしょうか? つまり私たちは、過去と現在に影響を受けて、その延長線上でしか未来を考えられないんです。でも私たちが夢を実現するためには、過去と未来を切り離すことが必要です」
っていう内容なんですけど、内容は大島さんのなんで、そりゃあいいんですよ。そしてその内容を、僕を使って進めていくんです。
そしたらですね、1時間ちょっと経った時でしょうか、
「それではディスカッションタイムです」なんてやってる時に緑川さんが、
「ちょっと外に出て来ます」って言ったんですよ。
「(???) あ、あぁ、OKOK」
ってもう2人で話してる場合じゃないんですよ、そのあと僕が進行しないといけないので。緑川さんもう出て行っちゃってるんで。
大島さんのセミナー内容を僕も全部覚えてないし、どうしようと思いながらも場を繋いでたら、緑川さんが戻って来て「OK」なんて思いながらの。
「で、次は…」なんて感じでなんとか繋がるんですが、その時に彼のほうをチラッと見ました。スゴい脂汗なんですよ。
で、僕はその時、直観鋭いほうなんで分かったんです。
「あ、限界が近づいて来たな」って。
分かりますか? 彼は興奮して行動したんだけど、プレッシャーに気が付いてないんですよ。でもね、体は反応するんです。
事故した時とかもそうです。その瞬間はどこも痛くないのに、あとから首がちょっと…みたいな。あれって興奮状態で気が付かないんです。
緑川さん、今それが起きてるなって分かったんです。
「あ、今ダメージが来てるんだな」って。
でもあと45分ほどセミナーが残ってる。なんとか持たせようと思って進めました。
それからはチョイチョイいなくなるんですよ。でも気にしてる場合じゃないんで、彼が戻って来た時だけ進行させて、いなくなったら僕が繋ぐという感じで進めていくわけですよ。
そしていよいよ最後の、クロージング15分になった瞬間、帰って来なくなりました。そして僕は言いました。
「みなさん、本当に今日のセミナーの内容、分かってますか?
未来に、なりたい夢がある。なりたい姿があったら、過去や現在の自分を切り離すって。緑川さん言いましたよね。今、彼はそれをやってるんだ。
彼はセミナー今日が初めてなんですよ。人前でしゃべったこともない。つまり、彼の実績はゼロ、そして今お聞きの通り、しゃべるスキルもゼロ。
能力もない実績もない、でも彼はやるって決めたんです。だから今日このセミナーがある。まさに今、緑川さんはこれを実験して、実践してるんだ。
さぁ、みなさんはやりますか? やらないんですか?」
っていうクロージングに変えたんです。みんな終わったあと、
「今日来て良かったです」
「やります! 過去なんか関係ない」
「やりたいと思った通りに生きます」
泣きながら帰って行きました。
セミナーが終わって、会場にいた奥様と、途中から参加していた息子さん2人と、緑川さんに会いに行きました。
ベンチに倒れてる緑川さんに言いました。
「素晴らしいセミナーでした。僕にとっての最高の体験になりました。条件がそろってから動くんじゃ、人生は終わってしまう。やりたいと思ったら動くってことですよね」
緑川さんは、セミナーの内容通りに、そこにいたんです。
久々に僕、出会いましたね。無謀な男に。カッコいいって思いました。
最後に参加者に言いました。
「いっぱいいっぱいなんて言葉を使うな。それは保険だ。本当はやり切ってない人間の言い訳だ。二度と使わないでください」
僕もまだまだ限界まで使ってないなと思った瞬間でした。
この動画を見て僕は、人生最大級の悔恨の念に襲われました。
心の最奥から自分を恥じました。
「オレはいったい何をやってるんだ」と。
今では良く分かります。デリカシーの無い人間が嫌いなのは、自分がそれを気にして気にしてしょうがないからだと。決して周りに迷惑をかけたくないためではなく、自分が白い目で見られたくないためのデリカシーだと。
それを平気で超えてくる人間を見るのがイヤだったんでしょう。もちろん、今も抜け切れてはいないですが、鴨さんに出会わなければこういう「一見、何も考えてなさそうな人」を嫌いであり続けたでしょう。言うほど僕もモノを考えてるわけではないのに。
彼ほど「一見何もなさそうな事象に他の意味を見出す」ことに長けている人物を僕は知りません。
そしてそれは大抵、常識に照らし合わせるとどうしようもない人物を救い上げるかのような、彼独自の眼差しから来ていることが多いようです。
今ではほぼ病気のようにしゃべりまくる鴨さんですが、子供の頃、イジメの恐怖から失語症を患っていた過去が、未来の彼に優しい眼差しを授けたのかもしれません。
ではまた('ω')ノ