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「心地よいつながり」で、ものづくりの未来を創造する|コーポレートミッション誕生秘話

モバイルアプリの品質向上プラットフォームを提供する株式会社デプロイゲートから、コーポレートミッションが誕生しました。今回も、約4年ぶりに株式会社サインコサインの代表取締役/CO-CREATORである加来幸樹さんに携わっていただき、納得感のあるものを完成させることができました。

当記事では、コーポレートミッションに込めた思いや、作成後の変化について対話形式で振り返ります。

前回の加来さんとの策定プロセス ↓

【登場人物】
株式会社サインコサイン 代表取締役/CO-CREATOR 加来幸樹さん
株式会社デプロイゲート 取締役COO 安田 一斗
株式会社デプロイゲート 取締役CPO 今井 健太

様々なキーワードが飛び交い、時間をかけて作り上げた

画像左:安田 ・画像右:今井

加来さん:今回もプロジェクトにご一緒させていただきありがとうございました。あらためて本プロジェクトの経緯や背景を振り返りましょう。

安田:コーポレートミッションを作成するに至った経緯は、創業10年目である今年を第2の創業期と捉えて、会社とプロダクトの在り方をリデザインしていく必要性を感じたからです。

2020年にMVVを策定した当時は、プロダクトにフォーカスする意識が強かったのですが、2023年に私が燃え尽き症候群を経験したことをきっかけに、改めて好きな事と得意な事だけに集中できるチームでありたいと思ったこともあり、よりコーポレートとしての想いや価値観を言語化して共有する必要性を強く感じるようになりました。そこで復帰後から経営陣とありたい姿について意識合わせを行いつつ、ミッションの言語化に着手し、ある程度方向性が見えてきた段階で今回も加来さんにご依頼しようということになり、約3〜4ヶ月かけて丁寧に作成していったわけです。

加来さん:良い意味で時間をかけて言語化しましたね。隔週程度のペースで行っていたミーティング以外の時間でも振り返りをしていただき、会話中に感じたことや、湧き出たインスピレーションを都度Slackでお送りいただきました。そうしているうちに重要な材料がたくさん集まり、じっくり決めることができた印象です。議論が進んでいく中でも特にブレイクスルーとなったのは「心地よいつながり」というキーワード。今井さんが出してくださいましたよね。

今井:はい。「心地よいつながり」は、僕たちの出身である株式会社MIXIが在籍当時に大切にしていた言葉でもあります。やはりMIXIに共感して集まったメンバーだけあり、僕らのアイデンティティの根幹として引き継いでいる気がします。決して、MIXIを意識したわけではないですが、軸になることは変わっていません。

安田:「心地よいつながり」には、良いコミュニケーションがあってこそ、良いプロダクトが生まれるという意味が込められています。

私たちのプロダクトは開発チーム向けですが、開発チームの内外には様々な役割の人が関わっているため、互いの立場や考え方を深く理解し合いながら仕事を進めていく必要があるんです。

加来さん:はじめは「ストレスフリー」という言葉を使おうとしていましたが、それでは「マイナスではない」という意味で留まってしまうとの結論に至りました。一方、「心地よいつながり」は、自分のことも相手のことも想像し合いながら、共感をベースとして繋がっていくという意味を持たせられると考えました。

今井:また、当初から「ものづくり」というキーワードも入れたいと話していました。「ものづくり」という言葉には、単にソフトウェア開発だけでなく、プロダクト開発全般、さらには将来的に物理的なものづくりまで含めてサポートできるようになりたいという思いが込められています。「ものづくりと言えば、デプロイゲート!」とみんなに思ってもらえる会社にしたいと思ったのも大きいですね。

大切な想いが込もったコーポレートミッションが完成

加来さん:こうして生まれたデプロイゲートの新しいコーポレートミッションはこちらです。

加来さん:このコーポレートミッションには、「ユーザーの喜びを生み出すためには、『自分達』という固定観念に縛られず、周りの人々を想像しながら包括的につながっていこう」という想いが込められています。組織として、誰もが好きなことや得意なことにフォーカスできるようにすることで、より豊かなつながりを築いていくという意志ですね。

安田:そうですね。この考え方は、私がインドの意識と瞑想の専門学校で学び、日々の生活の中で大切にしていることをベースにしています。

人間の意識には「美しい意識状態」と「苦しい意識状態」の2つしかないと言われています。つまり、第3の状態は存在せず、私たちの日々の行動がどちらの意識状態に基づいているかで、結果が180度変わってくるのです。

苦しい意識状態というのは、怒り、悲しみ、不安、他者との比較、執着などに無自覚的に囚われている状態を指します。このような状態からは、周りにいるチームメンバーやユーザーの方々に対して、感謝の気持ちを持ったり、喜びを共有したり、共感しながら心地よくつながることはできません。

私自身、DeployGateを起業して以来、すごい経営者だと認められたいという外部からの評価を軸に生きてしまい、またプロダクトが主軸である会社で、エンジニアではない自分が開発以外の全てをカバーしなくてはならないという義務的な苦しさから駆動してしまっていました。そして2023年には経営チームがさらに進化していくべきだという苦しい「べき」論に縛られた結果、仕事はもちろん、プライベートで2人目の子供が生まれたことによる生活リズムの崩れが重なり、次第に精神的にも体調的にも追い詰められてしまったんです。昨年の5月には体調を崩し、3ヶ月ほどの休養を取らせてもらいました。

休養期間中に友人から紹介されたインドの意識と瞑想の専門学校での学びは、私にとって非常に大きな転機となりました。自分が抱え込んでいた執着を少しずつ手放し、心から望むことに徐々に耳を傾けられるようになったことで、「美しい意識状態」から行動することの大切なを体験をもって理解していくことができました。

復帰後は経営陣の2人とも率直に対話し、それぞれが持つ特性や好きなことに焦点を当てることで、個々のモチベーションを高めつつ、経営チーム全体の調和を図ることができました。このように、組織が自走できる仕組みを作ることが、私たちのコーポレートミッションとも一致していると感じています。ユーザーの喜びを最大化するためには、私たち自身が心地よい状態で周囲とつながることが不可欠です。

社内外問わず、細やかな心遣いを意識するように

加来さん:今回の言語化を経て、新たに生まれた意識や行動の変化はありますか?

安田:コーポレートミッションが生まれたことにより、「共に作る仲間を広げること」を今まで以上に意識するようになりました。先日、融資を受けるために銀行や政策金融公庫とやり取りをしたのですが、「彼らも私たちの仲間だ」と考えられるようになったんです。

具体的には、弊社の事業の可能性や成長性を融資提供側の視点を重視して中期経営計画書としてまとめたところ、先方から「めちゃくちゃ分かりやすい資料ですね」と言っていただきました。まさにこのような意識の変化が、社内外の協力者や理解者といった仲間を広げていくことになるのではないかと思います。

今井:私はプロダクト開発のアプローチが大きく変わったと感じています。以前は、思いついたものをとりあえず作り始めるという進め方をしており、リリースに時間がかかっていました。しかし現在は、早い段階でデザインを可視化できる状態にすることで議論に集中しやすい状態となり、開発のスピードも上がっています。

安田:経営チームでの議論もかなり楽になってきている感覚があります。やはり向かっていく方向性についての言語化ができたので、議論を進める中でそれぞれの抱く将来のイメージがそこまでズレなくなってきている印象がありますね。

デプロイゲートの今後の展望

加来さん:では最後に、新たなコーポレートミッションの先にある、デプロイゲートの理想の未来とは?

安田:直近においては今まで計画的に閉じてこなかった旧プランを廃止し、お客様に適切な新プランに移行してもらうことを計画しています。

ただ何よりも開発現場の日々の仕事を止めないことが重要であると考えていますので、個社ごとの事情をヒアリングさせてもらいつつ、丁寧に、より深いつながりを意識しながら進めていこうと思います。具体的には、旧プランではご利用できない新機能のユースケースをお伝えしたり、お悩みをお聞きしつつプロダクトとして解決できそうなものは機能開発を行ったりと、継続的に利用していただくメリットを明確にしつつ、良いものづくりを行える環境を整えるサポートをしていきたいと思います。

加来さん:良いものづくりを行うことを考えると、やりたいことが広がりますよね。

安田:中期的には、ものづくりの素晴らしさを伝える啓蒙メディアの立ち上げや、DX(Developer eXperience)に関するコンサルティングサービス、長期的にはスタートアップスタジオの運営などの新規事業展開も視野に入れています。このように複数事業を同時に展開できるようになっていくことで 「ものづくりについて、デプロイゲートに聞くのが一番だ」 と言われるような存在になっていきたいです。遠くない将来において、例えばデジタル庁や地方自治体など現状は縁遠い方々からもひっきりなしに相談が入ってくるようになっていくと嬉しいですね。

今井:デプロイゲートがものづくりに関する総合的なプラットフォームとなり、社会全体のものづくりの質を向上させる存在になりたいです。
そのためには、開発チーム内外のコミュニケーションの不和を無くす必要があります。プロダクトマネージャーや経営層など、開発に関わる全ての人々のコミュニケーションの円滑化ができたら嬉しいです。

プロダクトに関わる人々の範囲を広げ、より多くの人々がデプロイゲートを通じてつながれるよう精進します。

おわりに

デプロイゲートは「心地よいつながり」を通じて、開発チームの生産性向上だけでなく、ものづくりに関わるすべての人々の幸せを追求していきます。

単に開発チーム向けのプロダクトを展開しているだけの会社ではなく、「良いものモノづくり」に欠かせない会社へと変容できるように尽力しますので、楽しみにしていてください!

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