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風呂と話が長いのです

こんばんはオー凸です。

noteの使い方がまだよく分からないまま、
とにかく書いて覚えようと思っています。

実は先日、銭湯について色々と
お話しをする機会を頂きました。

で、その場に立ち合って下さったのが、
杉並の銭湯組合の組合長と広報担当の方。
それぞれお風呂屋さんを営まれている、
いわゆる銭湯のご主人です。

天沼の第二宝湯さんと阿佐ヶ谷の玉の湯さん。
どちらも深いところから井戸水を汲んで、
いい匂いのお湯に入らせてくれるし、
浴室もロビーも居心地が良い
素敵なお風呂屋さんです。
https://suginami1010.com/map/
https://suginami1010.com/daini-takarayu/
https://suginami1010.com/tamanoyu/

このお2人に限らずなんですが、男女に関係なく、
ずっと水と火を相手にされているからか、
お風呂屋さんは不思議な清潔感があって、
肌の感じも似ているなぁといつも思います。

編集の方のインタビューに答え、お2人が有難い
フォローを入れて下さる形の取材だったのですが、
詳しくは色々決まったらまた詳しく。

ところで、僕は1人でお風呂屋さんに行く
のが好きですが、それに拘っている訳ではなく、
2人で行ったり6人で行ったり、誰かと一緒に
行くのも大好きです。

「風呂部」というのがあって、そこは20代の
面々の中に1人おっさんが交じっている
メンバー構成なのですが、そこに現れた凄い
ルーキーの話もまたいずれするかも知れません。

もうひとつ、以前働いていた会社の元上司・先輩
の方々と、風呂屋さんに行きつつその後の呑みも
楽しむ「SLM」という集団もあります。
そこでは僕が最年少です。

何人かで行っても、元々湯に浸かりながら
大声で喋る訳ではありませんでしたが、
今のご時世に大勢で行くのは憚られるし、
お互いに気を使うしで、暫く集合していません。
早く世の中落ち着くと良いなと思います。

話が逸れました。

で、取材の際に「風呂屋さんで知らない人
との会話があるか?」という話題になりました。
編集の方は前の記事も読んでいて下さったので、
そこに出てくるクリーニング屋さんの事もお尋ねでした。

前の記事の舞台である清水湯さんでは、
とにかく爺ちゃんたちから、というか、
湯上りには婆ちゃんたちからも、
しょっちゅう話しかけられました。
同じ風呂屋さんにほぼ連日行っていて、
顔を覚えられたのだろうし、こちらが若くて
話しかけやすかったのがあるでしょう。
でも、一番違うのはやはり時代というか、
ご時世だろうなと思います。

風呂屋さんに限ったことではなく、
20年位前までは、街中でも知らない人に
話しかけられたり、こちらが何かを言ったり
というのは意外に多かった気がします。

クリーニング屋の爺ちゃんとは、
今でも太子堂の富士見湯さんや八幡湯さん
で会うとけっこう長く、でもヒソヒソと
お話しをしますが、それは例外の部類です。
https://www.setagaya1010.tokyo/guide/fujimi-yu/
https://www.setagaya1010.tokyo/guide/hachiman-yu/

前ほど知らない方との『会話』は多くないなと
感じていたので、取材では「時代も違いますし、、、」
みたいな返事で終わってしまったのでした。

取材をしていただいた夜は、仕事場を出るのが
少し遅くなり、今夜は風呂屋さんへは行かずに
帰ろうか、いややっぱり行こうかと迷ったまま
世田谷線に乗り込みました。

山下駅の手前で豪徳寺の鶴の湯さんの灯りが
見えて、反射的に電車を降りてしまったので、
そのまま鶴の湯さんに向かいました。
https://www.setagaya1010.tokyo/guide/goutokuji-tsuru-no-yu/

久しぶりの鶴の湯さんは、
脱衣所も浴室も明るくて清潔。
湯気が濛々と綺麗なのを見て、
来て良かったなと思いましたが、
時短営業になっているので少し急がねばなりません。
露天風呂へ先に行こうと思いたち、
ドアを開けて外に出ました。

鶴の湯さんの露天風呂は、細長い通路の先に
縦長の浴槽があり、内湯よりも湯加減はぬる目に
なっています。

先客がいたので拝み手をしながら入っていくと、
その人は体を奥に詰めて場所を空けてくれました。

でも、一番奥の壁からかなり熱い湯が
出る事があるので「そこ、熱いのが出ますよ」
と指差しました。

するとその人は
「ええ、さっき驚いたけどもう大丈夫です」
と答えてニッコリ。こちらも軽く微笑んでから
並んで湯船に浸かりました。

気持ち良いなぁと目を閉じること数分。
お隣の先客さんもゆっくり浸かるのが好きな
タイプの様で動きはありません。
泡の音と世田谷線の音が聞こえる以外は静かです。

さて、内湯に移ろうかなと思って目を開けると、
その方は徐に

「髪が真っ黒ですね。生え方もビッシリで羨ましいです」

と言うのでした。

見ると、その方は確かに見事な禿頭で、
伸ばした髭は真っ白です。
そして頭を撫でながら

「すっかりツルリで」と笑います。

何と返事をしたら良いのか分からず、
咄嗟に「や、お似合いですよ」
と言ってしまい。何を言ってるんだと
笑いそうになってしまいました。

その方は驚いた様な喜んだような顔をして
「そうですかね?」と、
また笑いながら頭を撫でました。

「髪の生え方を褒められたのは初めてです」
と言うと、今度は大真面目な顔で
「大事にしてください」と答えました。

その方は、宮の坂に住んでいて、
鶴の湯さんの露天風呂が
気に入ったからよく来ているそうです。

帰りしなに
「またお会いしましょう。お気をつけて」
と言って一礼したあと、ゆっくり去るのを
見送りました。

帰り道、ボソボソと途切れ途切れに話していたのを
思い出して、ああ、取材の前にお逢いしていたらなぁと思い、
何だか楽しかったなぁとも思ったのでした。

また長話になってしまいました。
もっと練習します。








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