散文日誌「種々雑多」2022/01/11
昨日成人式だった皆様、誠におめでとうございました。全自治体が COVID-19のオミクロン株対策しながらの開催か、延期または中止とする対応を取り、おそらくは、無事終了したと思われる。
今回のオミクロン株は、どうも若いひとが好きらしい。罹患率が、20〜30代が大半を占めているという統計からだが、その年代はやはり、じっとしていられない年代でもあるから、当然、罹患率も他の年代よりは上がる。そうなると別に、好き好んで、若いひとにキャリアになってもらってるわけじゃないってことになるんだな。嫌われ者のウイルスにだって、誰がキャリアとしてふさわしいか、選ぶ権利はある(はずだ)。
新しい株が出ても病原性がなければそれで終わりだし、デルタ株のようにまた強い病原性を獲得して、さらに伝播性が強くなったらこれはこれで大変なことになる。これからどうなるかは、コロナウイルスの遺伝子の文字のどこが書き変わるか?にかかっている。これ以上、誤植を増やさないでほしいと思うが、なにせ、mRNAは1本しか遺伝子がないし、紫外線や宇宙線で容易に文字を書き換えてしまう。書きかわった遺伝子をたくさん細胞の中で複製し、その細胞を壊し、彼らは外へ出ていく。その時、他の細胞に容易にくっ付くことができるトゲトゲ(細胞親和性の強いスパイクを持つよう)になっていたら、強い病原性を持つことになる。しかし、他の細胞にくっつくことができにくい/できないトゲトゲ(細胞親和性の弱いスパイクを持つよう)になっていたら、排除されて、やがてその株はいなくなる。
今回の株は、伝播性は強いが、細胞親和性があまり強くないスパイクを持つ株なのだろう。何故なら罹患率は高いが、重症率は今のところ低いからである。重症率が低いのは日本人が清潔好きであるという国民性も一役買っているのかもしれないし、ワクチンの効果もあるのだろう。
もともと風邪を引き起こすだけのウイルスが、遺伝子の文字がいくつか変わっただけで、強い病原性を持つものに変化した。本の文章で言えば、末尾が優しい「ですます調」だったのが、ケンカっ早い「べらんめえ調」に変わって、今度はおっかない「不良言葉」に変わってしまったような感じである。ー正しく「チクショー、
この細胞乗っ取って、こいつの体…」みたいな恐ろしい信号を、互いに送るように変わってしまうのである。
ウイルス同士の言葉がどんどん悪くなれば、そのういるすに感染したヒトの容態もどんどん悪くなる。ヒトの体は組織の集まりだ。そして組織どうしの信号のやり取りがはちゃめちゃになってしまうと、医師は薬で何とか立て直そうとする。または酸素の供給量を上げたりするかもしれない。あるいはAEDで電気ショックを与えるかもしれない。組織の復活を図るには何かしらのショックが必要なのだ。
いまの感染症対策で一人一人できることは、今まで通り、手を洗い、顔を洗い、うがいをし、マスクを忘れないことだ。あとは昼間1時間に一回の換気。今の時期は加湿も大事だ。つまりは全体的な事は政府に任せて、我々でできることをやれば良いという事なのだが、その組織がブレブレではどうしようもない。
新成人のみなさんには、こんなブレブレな組織を叩き直すくらいの気概がある人間が出てきて欲しいものである。
取り敢えず、新成人の皆様、この度は誠におめでとうございました。皆様の未来が明るいものとなる様、28年前に大人になった我々は、陰ながら願っております。