散文日誌 「種々雑多」 2021/4/27
私の住むまちは、平坦な場所が非常に少なく、海と山がせめぎ合うような地形になっている。そのため、夏になれば、東北地方で言う「ヤマセ」のような冷たい風が吹き、冬は冬で、山から下す風が吹く。
しかしながら、概して言えば、わが町は気候的に住みやすいかもしれない。なぜなら、大雪もそれほど降らないし、夏は適切に風の通り道を家の中に作ってやれば、海風が入ってきてそれなりに涼しいからである。
大企業のお膝元であるわが町。山を崩し、団地を作り、ピーク時には人口20万人を越えた。だが、いまは、ほとんどの人間が市外から通っている。聞くと、周辺の電車のターミナルなどの利便性のよい町に家を建てて、子供を産み、絵に描いたような幸せ家族をつくっているとか。
なぜ彼らは勤務地に近いわが町に住まないのだろう?私が思うに次の項目があげられるだろう。
1.道路が混みあう
幹線道路(国道)が2本しか走っておらず、しかも抜け道もない。山と海が近い地形が生み出した弊害だ。この混雑を緩和しようと、また山を切り開き、道路を作るも、そこもまた混みあう。自動車社会は便利でもあるが、こういうストレスになりうる不便さを生み出す事もある。
2.東京からの便利がよくない
わが町に来る最終電車は午後11時前には終了してしまう。しかし、ターミナル駅は遅くまで電車が走っている。海外出張が多い人にとっては、移動時間はかなりつらい。そのため、なるべく東京に近い方へと住むようになるのだろう
3.活気がない
これは、コロナが流行する前からの話で、夜になると本当に駅前大通を行き交う人たちが少なくなる。駅の改修を行い、きれいにしたとしても、魅力が少なければなかなか住み付く人もいないだろう。
まあ、問題点はたくさんあるが、唯一自慢できるのはこの夜景である。日本の夜景100選にも入っている。有難い事である。
何だかんだ言って、このまちを出たいと思わないのは、住みなれたところが一番だと思っているからである。とりあえず井の中の蛙でもいい、ただ、わたしは、まず自分自身のすんでいる場所をよく知ってから外に出るべきだと思う。
そして誇らしく、こう答えられるといいだろう。
"My home town is the best place to live in Japan."