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妊娠中の不安なときに思い出してほしい!電話健康相談エッセイ3選


妊娠中…多かれ少なかれ何かしらの不安経験はあるはず。そんな時に電話健康相談が役に立つかもしれない!と感じられる体験談を2022年に募集した「私の電話健康相談エッセイ」から、3作品ご紹介します。

自分と大切な命のお守りに 電話健康相談
(A  鳥取県  30歳 女性)

待望の子どもを授かったばかりの頃、電話健康相談を利用しました。

まだ初期の6週目で、子どもの心拍音も確認できていない頃でした。ですが、待ち望んでいた妊娠に、夫とともに喜び、幸せな時間を過ごしていました。

しかしある日の夜、生理の時のような出血がありました。どうして良いか分からず、通っている産婦人科クリニックも閉まっている時間だったので、強い不安に襲われました。

はじめはスマホの検索を繰り返していました。ネットには、多くの妊婦さんが経験することと書かれていましたが、一方で、「流産」の文字や、あらゆる疾患名が目に入り、どんどん不安は増していきました。そこで、以前から存在を知っていた、24時間対応の電話健康相談を利用しました。

ネットでは、一方向に情報を得ることしかできません。しかし、電話健康相談では、こちらの状況を伝えることができ、不安な気持ちを含めて話を聞いてもらうことができました。そのことがまず、大きな安心につながりました。そして、まずは安静にして、翌日にクリニックへ連絡をするようアドバイスをもらいました。

翌日、かかりつけの産婦人科クリニックに連絡して、その日に受診することになりました。

そして、お腹の子どもが無事であることが分かりました。また、仕事を休んで安静にするよう、指示ももらえました。あれから半年近く経ち、今はもう妊娠8か月。お腹の子どもも1500gを超えるほど大きく、元気に成長しました。

これもあの時、電話健康相談があったからだと本当に思います。ネットの情報も、全てが悪いわけではないと思います。ですが、妊娠をはじめ、体の多くのことは、心と深くつながっています。情報にまみれて、不安が増してしまうのは、最も良くないことではないでしょうか。

また、ネットで情報を得て、「大丈夫」と自己判断してしまうことも、自分や大切な命を危険にさらすことになりかねません。私もそうですが、日ごろ病院に行き慣れていないと、受診のハードルが高かったりします。

そんな時、いつでもどこからでも、専門家に相談できる電話健康相談は、とても重要な医療資源になります。そして、必要な受診へ背中を押してもらうこともできます。お腹で子どもが動いているのを感じるたびに、命の大切さを思います。

ご自分と、大切な誰かの命のお守りに。多くの人に電話健康相談の存在を知ってもらい、利用してもらいたいと願っています。

電話健康相談員の方がくれた魔法の言葉
(ともひろみん 岐阜県 42歳 女性)

最初の子供を授かり、妊娠7ヶ月の時、私は切迫早産となり、入院をしました。陣痛が始まりかけていたため、絶対安静となった経験があります。その当時は、私と夫2人の生活だったため、出産することだけに集中する事が出来ました。

2人目の妊娠の時、助産師さんから、切迫早産になった事があると、次の子もそうなるかもしれないと忠告を受けました。なるべく、無理をしない生活をしていましたが、やはり、妊娠7ヶ月目で、切迫早産となりました。入院は免れたものの、2歳になった長男との自宅安静生活は本当に大変でした。

3人目の妊娠の時もやはり同じ状況はやってきました。2人の子供がいる中で、どうやって安静を保てば良いのか、その時はもはや不安しかありませんでした。さらに、ほとんど寝たきりの生活が数ヶ月続くと、心も弱っていきます。冬の寒さが残る季節を過ぎ、いつの間にか桜が咲いても、見に行けず泣いてしまう事もありましたが、月に1度の妊婦健診を励みに頑張っていました。

しかし、3度目の安静生活だからでしょうか、途中、もう妊娠生活を辞めたいとまで追い詰められていきました。その時、誰かに助けてほしくて、縋るように、電話をかけたのを覚えています。

電話健康相談員の方は、じっくりと私の話を聞いてくれました。母親なのに、辛いと思うことは、いけないことではないか、安静にしたくても出来なくて、陣痛が来てしまうのではないかなど、今まで我慢していた思いが次々と自分の口から出てきます。 ひと通り私の話を聞いてくれた後、相談員の方が、このような言葉を私にくれました。

「3人目はね、本当に可愛いものよ。何故かしらね、とにかく可愛いの。だから、今は辛いけど、会えるのを楽しみにしてね。」

その時は、この言葉の意味の深さが理解出来なかったのですが、久しぶりに夫以外の方と話をする事ができ、もう少し頑張ろう、という気持ちになれたのを覚えています。 三男が無事に産まれ、あの時の相談員の方の言葉が現実となっていきました。

どうしてでしょう、子供は皆可愛いのですが、三男は特に可愛さを感じました。育児にもずいぶん慣れ、末っ子ならではの甘えん坊ということもありますが、もしかしたら、あの電話健康相談の時にいただいた言葉が私に魔法をかけてくれたのかもしれません。

三男が5歳となった今でも、その魔法の言葉は解けずに、私の心に刻まれています。

顔を合わせていないからこそ、初対面だからこそ話せる事があります。育児に行き詰まった時、不安な時、話を聞いてくれる人がいる、という事は、大変な心の支えになります。もう、あの当時の方と話す事は難しいかもしれませんが、心から感謝の気持ちを送りたいです。

もっと知って欲しい、電話相談のことを!
 (桃川 竣 佐賀県 51歳 女性)

里帰り出産の娘が無事に出産し、コロナの影響もあり病院に付き添う事も出来ず、それでも元気な姿で退院し、産まれた初孫は予想通り可愛く全て順調に回復。毎日が幸せだったある日、娘の体調が優れなくなりどんどん悪化していき、気分も憂鬱になりあんなに可愛がっていた我が子にも向き合えなくなっていく。

原因は便秘だろうと最初は高をくくっていたものの、気がつけば、救急車を呼ばなければならないほどに悪化していた。

コロナ禍に加え出産したばかりの娘はなかなか原因も分からず、家族は天国から地獄へと転落した。

相談する人も場所も底をつきこのままどうなるのだろうと不安な数日を過ごした。後日原因も判明、事なきを得る事が出来たがとても辛い日々だった。

一年後の今、ある公募で電話相談の事を知った。そして忘れもしないあの頃の記憶が蘇った。あの時知っていれば・・・。認知度が低い事を残念に思った。世間では知られているのかな、この電話相談・・・ただ単に私が知らなかっただけなのか。それならばいいが、もし知らない人がいるのならばもっと知って欲しい。

私のように片親で、相談するのもかかる費用も心配なのに抱える問題は案外重要でそれなのに諦めなければならない事も多々ある現実。せめて、体調に関する不安を聞いてもらえるだけで心はあたたかくなれるから。

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