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わが街の伝統産業 山梨県・甲斐市

第92回 山梨県甲斐市 〜名将・武田信玄公が残した「信玄堤」を活かして生まれた数多の農産物が特産品となった街

 山梨県甲斐市。県北西部に位置し人口は県で第2位の約75,000人で、2004年(平成16年)に竜王町、敷島町、双葉町が合併してできた街。旧竜王町にある「信玄堤」はあの名将・武田信玄公が若かりし頃、甲斐国の当主になって最初に手掛けた治水工事で、20年の歳月をかけて築き上げたもの。

 当時、釜無川と御勅使川が合流する地点で、たびたび氾濫がおきて田畑が荒廃して農作物ができずに困り果てていた時に、信玄公が着手したものといわれています。ここに今でも山梨県民の方々が尊敬の念をこめて、信玄公と呼んでいる理由があります。

 その甲斐市は、その信玄公が残した「信玄堤」を活かして、江戸時代に新田開発が盛んに行われて農業だけでなく養蚕業が発展。大正時代末期から昭和中期にかけて最盛期を迎え、現在でも桑畑が広がっており、その桑の葉を活用して桑の実ジャムを製造。

 「甲斐の桑茶」や「甲斐の桑パウダー」は2019年(令和元年)に地域団体商標の認定を受け、甲斐の桑100%を使った商品で地域ブランド化しています。

 梅の栽培も盛んに行われており、梅ジャムやうめワインなどが製造されて、甲斐市の特産品となっています。また、竜王源水を活用した「Kaiウイスキー」もあります。竜王源水は釜無川近くの深井戸から汲み上げられた天然水で、ミネラルが豊富に含まれてまろやかな出来栄えになっており、飲みやすく食事と相性がいい仕上がりとなっている逸品です。

 あと、「やはたいも」や白ねぎの「甲斐のぎゅぎゅっとねぎ」の農産物や、ワインを作る際に出てくるブドウ粕を飼料として育てた「ワインビーフ」も甲斐市の特産品として知られており、農業や畜産業などの第一次産業が伝統産業となっているのが甲斐市の特徴といっていいでしょう。

 最後に、甲斐市はワインづくりも盛んでワイナリー数も多く、サントリー登美の丘ワイナリーや、洋菓子で知られるシャトレーゼが運営しているベルフォーレ・ワイナリーが代表的です。中には工場見学のみならず、無料でワインが試飲できるワイナリーもあります。ワイン好きな方にとっては、一度は足を運んでみたい土地ですね。

   提供:伝統産業ドットコム

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