第11回　できるだけ削らない

こんにちは、「自称」歯医者さんコンシェルジュの葉月です。
このnoteでは、歯医者さんを選ぶ際の「コツ」について、歯医者さん歴の長い私がお伝えできることを発信しています。

今回は、虫歯治療についてお話しようと思います。
虫歯になった時に、「治療すれば大丈夫」と思っていませんか？治療後は痛みなどの症状はなくなりますが、一度削ったり抜いたりした歯はダメージを受け寿命が短くなる場合があります。なにより元に戻ることがありません。そのため、後悔しないようその場しのぎの治療ではなくて、先々のことを考えた治療を受けることが大切です！

これまでは、「虫歯になったら削る」という治療法が当たり前でしたが、昨今は安易に歯を削ることで口内環境が徐々に悪化するというリスクにも目が向けられているようです。虫歯を削る治療を受けた患者さんの中には、悪循環を招いてしまった方もいるそうです…。
その方は、虫歯になった部分を削り詰め物をしたあと、歯と詰め物の間に菌が入り込み虫歯が再発したといいます。再発した虫歯を削ったところ、もっと虫歯が大きくなり歯の神経に菌が到達してしまったので神経を除去。その部分を被せ物でカバーしたそうです。
しかし、神経を取り除いたことで歯根が弱まり、歯が抜けてしまったそう。抜けた歯を補うために両隣の健康な歯を削りブリッジを挿入。今度はダメージを受けた両隣の歯が抜けたので、その部分を入れ歯にしたといいます。すると入れ歯の支えにした歯に負担がかかり、最終的には全部の歯を失い、総入れ歯になってしまったのだとか…。

このように、最初は1本の歯の治療だったのが、他の歯を失うことに繋がる可能性もあるのです。高齢になっても自分自身の歯を保つには、虫歯治療で歯を削る量を最小限にすることが重要です。かといって、虫歯菌に冒された部分は確実に削る必要があります。
そのため、拡大鏡やマイクロスコープなどを備えているとともに、削りすぎず、でも確実に治療してくれる歯医者さんにかかると安心でしょう。
必要以上に歯を削らずに済み、痛みもほとんど感じないという「ドックスベストセメント」を行っている歯医者さんもあるようです。これは、虫歯部分に強い殺菌力のある銅イオンを含んだセメントを詰めて、歯質を無菌化する治療法だそうです。特に神経まで到達した虫歯にこの治療法を用いると、神経を抜かないで済む可能性が高くなり、歯を長持ちさせることに繋がるといいます。歯医者さんの公式HPや口コミ・評判などでこのあたりの情報はわかると思うので、ぜひチェックしてみてください！