第4回 「予約が取れない歯医者さん」は本当におすすめ?
こんにちは、「自称」歯医者さんコンシェルジュの葉月です。
このnoteでは、皆さんが歯医者さんを選ぶ上での「コツ」について、歯医者さん歴の長い私が思うことを発信しています。
クリニックに限らず飲食店でも美容院でも、今や人は初めて訪れる前に必ず口コミをチェックする時代です。それだけに、「評判がいい」ところはなかなか予約が取れず、そうでないところはガラガラという「二極化」が起こるのも無理からぬところ。
さて、では、なかなか予約が取れない人気クリニックは本当に良い歯医者さんなのでしょうか。もちろんそれだけの情報で「良い」「悪い」を断じてしまうのは乱暴にすぎるので、私なりの考えをお話ししたいと思います。
まず、これは間違いないことと思いますが、いろいろな症例の患者を自分の目で見て治療する、その経験値が高い歯医者さんは技術力が高いはずです。評判が高まれば、さらに多くの患者を診療することができるでしょう。そのような意味で、予約が取りにくい歯医者さんが良い歯医者さんである可能性は高いと思うのです。
しかしながら、時間は有限です。一日に見られる患者の人数には上限があります。それでもなお一人でもたくさん診療しようとすると、一人にかけられる時間が短くなります。さすがに治療が雑になるとまでは言えませんが、治療法の説明、患者からの質問や相談への回答などについては、疎かになるかもしれません。
以前、私が通院したことのある歯科クリニックは「地元の名医」と評判が高く、隣県から一時間以上かけて通う患者さんもいたそうです。けれども、ほとんど先生との会話もなく、黙って処置して「はいまた来週」。速い時は数分で終わることがありました。質問しても一言二言しか返してもらえず、そのうちに聞いてもムダと何も聞かなくなってしまいました。
ちゃんと治してくれるならば会話などなくてもいい、という人もいるかもしれません。そのような患者には、その歯医者さんは「名医」でしょう。でも私は、自分がどのような治療を受けているのか、どのような経過をたどっているのか知りたかったです。
日本歯科医療評価機構というNPO法人があり、こちらのホームページでは「しっかりと診療しようとすれば、1人30分以上は必要です」と記載されています。これもまた診療内容によるのでしょうけれど、個人的には「そのくらい時間を割いてほしいなあ」と思うのです。
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