1/5 癌治療知識の偏り
タイトルにある通りです。
歯科の座学が終了して、実習で放射線治療部を尋ねる機会に恵まれました。ある程度予習して行ったので、勉強になることが多かったです。覚えているうちに印象的に思ったこと、新しく学んだことをまずまとめます。
・口腔の小線源療法に現在用いられるのはPtコーティングされたIrまたはAuである。PtやAuがあるため術後売りに出そうと思っても、量が少なすぎて価格はつかない程度だから無駄(残念)
・Auは半減期が2.7日と短いため、なまものの様に扱う必要がある。患者さんにドタキャンされると困る。(臨床的だなぁと思いますね)
日本では東海村に送って作っている?
・Auの場合は胃管は必要ない(線源が小さいため舌の可動域は担保される)
・Irはピン状であるため舌くらい幅がある組織にしか使えない。すなわち口腔内では使いどころが舌くらいしかない。かつ、串刺し状になってしまうため誤嚥の危険を孕み、胃管が必要になる。
・Auは生涯入れっぱなし=永久刺入。半減期が短いからこそなせる技。MRIの撮影は可能、ただし組織に固定されている必要があるため入れたてで撮るのは危険。MRIの電子レンジ効果で温度は上がるがミリ程度だから無視できる。MRIにおいて金属アーチファクトが生じるため周囲数ミリは抜けてしまい再発の評価の時に邪魔になってしまう。
今までのカリキュラムで癌の治療を詳しく学んだ学科は口腔外科だと思います。癌の治療は最低でも、化学治療ー放射線治療ー外科治療の三本柱だというとを忘れてしまうほどにカリキュラムの学習内容が偏っていると感じました。それはタイトル画像にあるようにコマ数にも現れます。
以前に見学先の病院が癌治療をメインにされているところでしたが、化学療法のウィークリーパクリなどの略語やフォルフリなどの内容が全く分からなかったことも今までの学習内容が足りなかったことを裏付けると思います。
幸い、薬剤師の国家試験対策動画を趣味で見ることが多いので癌治療薬や分子標的薬についての知識は多少は課外学習で回収しているつもりです。しかし、まだまだ足りないと思い知らされる毎日です。以下のチャンネルです。
今後の病院実習ではケモをメインに学習してみたいと思いますが、残念ながら主幹事が口腔外科なので手術メインのレポートになるのが口惜しく感じられます。
もっと外科ー化学療法ー放射線療法の3つをバランス良く学びたいと本日の実習を通して強く感じられました。