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第三の目

カメラを買った。
何ヶ月か前から「あ~、カメラ欲しいなぁ」と思っていて、ネットで探して眺めたりもしていたのだけれど、ついに、買ってしまった。
少しだけ遠出をする予定ができて、そこは景色がきれいで間違いないところで、"そこに持っていく”という大義名分のもと、「せっかく行くしねぇ」という理由を自分にして、買った。

カメラ素人なのでいきなり0の数多めのものを買おうという気にもならず、サイズも、お値段もある程度かわいめのものを。
一応働いてお金は稼いでいるのでよくよく考えたらそこまで慎重にならなくても……という買い物だったのだけれど、私にとってはわりと大きめのお金を、趣味とか娯楽の意味合いの強いものに使うということに小さな気持ちの抵抗があったのか、買うときは「本当にこれでいいんだっけ?」「他に気になるのないかな?」と久しぶりにちょっと緊張しながら買った。
なんだか久しぶりに、新しいおもちゃを手に入れたときのようにわくわくした。
洋服とか食事とか、はたまた何かのセミナーとかにお金を使うときとはまた違う、どきどき、わくわくがあった。

家に連れて帰ってSDカードをセットし、バッテリーを入れ、充電しようかと思ったけれど、そのまま少し使ってみたくなり、ベランダに出て一枚撮ってみた。
その写真が今日の画像。
何を撮ったら良いかうーん、となって、とりあえず空を撮ってみた。

撮ってみて気付いたけれど、下に向かうに連れて青色が薄くなって、水色に変わっていっている。
カメラを連れて帰ってきたのは昨日のことで、試しに今日の空も撮ってみたけれど、今日は今日でまた違うグラデーションになっていた。
同じようにかんかんに晴れて雲が湧き出ている空でも、違って見えるんだなぁ。
カメラが好きな人って、こういうことを魅力に感じて好きなのかもしれない。
自分の目を通してみる景色にファインダーをかませてみると、直接目で見るだけでは気づけないことがある。

「カメラを通して見るよりも、自分の目に焼き付けたほうが良いに決まってる」
と今までは思っていたけれど、
ひとつ、別のフィルターを通して見てみると、また違った姿が見えてくるかもしれない。

カメラという第三の"目”を手に入れて、これから見えてくる世界が楽しみだ。
そしてその武器をどんなふうに活かしていくかは、私にかかっている。

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