屋根に光る朝日
昨日の頭痛を引きずったままのぼんやりした頭で、身支度をしていた。
床に座ってぼんやりしていたら、頭のあたりにある窓から外が見える。
朝日のひかりと、それに照らされて屋根瓦が黒ぐろと光っていた。
ちょっと濡れたようにつやつやして。
空に向かって斜めに積み上げられた瓦は、太陽の光を浴びるためにそこにいるかのような存在感を放っていて、
まだ日ののぼったばかりの薄い青い空に静かに馴染んでいた。
それを見て、
「あぁ、きれいだなぁ」
と思い、
「さてと、今日もがんばるか」
と思った。
数時間経った今は、濃く青くなった空に映えて、高くのぼり始めた太陽にぎらぎらと照らされているのだろう。
わんわん鳴くセミの声に合わせるように、強い光を跳ね返しているのだろう。
そういう、小さいきれいなものを数えて、過ごしていけたら良いと思う。
相変わらず頭は痛いし、若干の吐き気を伴ってきたけれども、それは一時的なもので、するっとやり過ごしたらそのうちに過ぎていってしまう。
私が頭痛と吐き気に悩まされている間も、屋根瓦は変わらずにそこで太陽の光を受けて、朝は優しく、昼間は力強く輝いているのだろう。
夜は、昼間に受けた光を放って、暗闇の中に静かに収まっているのかもな。
そんなこと考えている内に、頭痛よ、消えて無くなってしまえ。
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