カメラの効用
カメラを買って、一ヶ月ほど経った。
会社勤めなので平日の日中は写真を撮ることは出来ない。
その代わりに、休みの日に外に出るときは必ずと言って良いほどカメラを持ち歩いている。
写真を撮る/撮らないにかかわらず、なんとなくかばんに入っていると安心するし、
なによりわくわくする。
何なら仕事に行くときにもたまにかばんに忍ばせて、帰り道にたまに写真を撮ったりしている。
道ばたに綺麗な花が咲いていたらとりあえずカメラを構えてみるし、
野良猫がいようものならそうっと近づく(だいたい警戒されて逃げられる)。
私のカメラの中には、普段のなんでもない風景や、生き物や、花がたくさん収められている。
人物は、あまり写っていない。
ファインダーを通すと、自分の興味のあるところがどこなのか、ハッキリ分かる気がする。
人をあまり撮らないのは、人に興味が無いからというわけでは無いけれど。
被写体としてまだ惹かれないのかもしれない。
もっと上達したら撮りたくなるのかなぁ。
自分の嗜好というのは、カメラのフィルターを通すと、こんなにも見えてくるのかと驚いている。
それが分かったのも、「カメラを買って良かったな」と思ったことの一つ。
そして、日記のような文章を書きためておくのと同じで、写真を撮っていると目に見える形でその日に考えていたことを切り取っておけるのが良い。
「あ、これは帰り道にみた雲の形が面白くて撮ったやつだ」
「庭に植えてある花が綺麗だと思ったのだな」
とか、その時の気持ちを思い出す手助けになる。
これまでそんなに写真を撮らない方だったのだけれど、
自分や自分の周りの人たちをもっと写しておくと、きっとあとから懐かしく見返したりできるんだろうな。