「だが、情熱はある」から考えるコンビの関係性

いままでドラマを見る習慣がなかったのですが、春にやっていたドラマ「だが、情熱はある」は全話見ました。
今回の記事ではドラマを通じて見えてきた、南海キャンディーズとオードリーのコンビ内の関係性について書いてみたいと思います。

「だが、情熱はある」のあらすじ

あらすじを簡単に説明すると、主人公は南海キャンディーズ山里とオードリー若林の二人(本人が出ているのではなく、演じるのはジャニーズの二人)。この2組にスポットを当てて、売れるまでの下積み時代や、売れてからのギャップや苦悩、そして「たりないふたり」というユニットライブを経て、それぞれの道を歩んでいく、というストーリーになっています。ドラマという形にはなっていますが脚本はほぼ実話に基づいているそうです。
序盤の展開がけっこう暗めで、山里も若林も売れてないころはとがりまくっていたんだなあ…という感じだったので、途中で見るのをやめちゃった人も多かったようです。ただ、全部通して見ると、2組の歩んできた道のりや「売れる」ということがどういうことなのかが見えてくるので、個人的にはとても面白い作品でした。

南海キャンディーズの場合

ネタ作成者は山ちゃん。売れるためのビジョンを明確に持っていて、お笑いのセンスも熱量も同世代の中で頭ひとつ抜けていました。その一方で相方にも完璧を求める傾向にあり、しずちゃんと組む前に二度の解散を経験しています。
南海キャンディーズ結成後は、M1決勝進出を目標にネタを磨き上げます。山ちゃんは当初、自分のボケやワードセンスに重点を置いたネタを作っていましたが、しずちゃんの独特なキャラを前面に出した方が面白いことに気づき、自分はツッコミに徹する方針に切り替えます。その結果、なんと結成から2年の早さでM1の決勝に進み、そこで2位という好成績を修めます。それが南キャンのブレイクのきっかけでした。
コンビとしての売り出し方を考え、M1決勝で通用するネタを2本書き上げた山ちゃんの手腕は凄いですし、その山ちゃんの高い要求に応えたしずちゃんもさすがだと思います。コンビとしての役割分担がはっきりしていて、お互い信頼しているんだなと感じました。

オードリーの場合

オードリーは高校の同級生コンビとして結成します。今や相当の売れっ子となった2人ですが、オードリーの下積み時代は意外と長く、20代の時期を売れない芸人として過ごしています。
オードリーの2人も役割分担ははっきりしていて、ネタを考えるのは若林。売れるための計画やアイデアを考えて実行しては失敗し、どうやったら売れるのかと途方に暮れる若林がドラマでも多く描かれていました。一方春日は若林の指示には忠実に従いますが、根が楽天家なので若林の苦悩もどこ吹く風といった様子。現状に不満を持たない春日に対して若林はたびたび小言を言ったり、時には怒声を上げることもありますが、おそらく若林も内心では春日の楽天的な性格に何度も救われていたんだと思います。
舞台に立ってはスベッてばかりで迷走を続けるオードリーでしたが、2006年、ズレ漫才のネタを思いついたことが転機となりました。ズレ漫才を初めて披露したその年のM1は2回戦で敗退となり、若林は心が折れかけますが、渡辺正行からネタの発想をベタ褒めされ、M1決勝に行ける漫才だと背中を押されます。そうして2008年、敗者復活戦で勝ち上がり決勝の舞台へ。そこで準優勝し、ついにブレイクを果たしました。
若林が普通のことを言った後に春日がズレたツッコミをし、それに若林がツッコむというスタイルのズレ漫才は革新的なフォーマットでしたが、春日は若林からネタの説明を受けても何が面白いのかよく理解できなかったようです。このズレ具合も、オードリーの魅力の一つだと思います(笑)

まとめ

南海キャンディーズ、オードリーが売れるまでのエピソードをもとにコンビ内の関係性について書いてきましたが、コンビというのは持ちつ持たれつなんだなあと改めて思いました。
あと、今回は触れていませんが、令和ロマンの関係性もこの2組と結構似てる気がします。くるまはネタ作りも普段のトークやMCでもリードすることが多いし、ケムリはケムリで常にマイペースだし。(お金持ちと節約家で真逆なはずなのに、ケムリと春日はどことなく似た雰囲気を感じる…)令和ロマンについて語る記事もそのうち作りたいです(書きたいことが多すぎるのでだいぶ先になると思いますが、、)
「だが情熱はある」が面白かったので、今期のドラマもチェックしています。今のところばらかもんとハヤブサ消防団を見ようと思っています。
ということで今回はここまでです。

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