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未開なのか進んでいるのか?アイヌの音楽器

先日京都芸術大学で、アイヌ音楽研究家の千伸彦彦先生の講義を聞く機会ががありました。アイヌ音楽は阿寒湖のシアターなどで見聞きすることが何度かありましたが、 理論や 成り立ちについて説明を聞くことは初めてでした。 さすが 京都芸術大学の日本芸能士です。こんな方も講師で呼べるとは。


1 トンコリという楽器を見る


先日の講義の最に、トンコリの演奏がありました 。眠りを誘うギターのような旋律です。5本の弦を10本の指で演奏するということです。

トンコリについては 、2024年の10月に北海道を 釧路中心に訪問した時に見る機会がありました 。それも全くの 偶然です 樺太アイヌの辞書を制作中の藤田印刷株式会社の 藤田拓也社長が、楽器を修理に出しているので阿寒で 受け渡しをするとおっしゃいました 。私はその時 阿寒周辺の施設を社長にご案内をいただいていたので、 そちらの受け渡しにもつけは付き合うことになりました。 修理されていたのは ペテさんという若い男性の方で、当日 アカン 温泉のお店で 実際の楽器を見せていただくことができました。

その楽器は 樺太アイヌの高齢女性の方が持っておられたもので 、これの修理ができたら 楽器は網走にある北方民族博物館に寄贈する予定だということも伺いました。 全く アイヌの楽器や音楽について知らなかったのですが この機会に 実物も見せていただくことができ そして1ヶ月後には演奏もたくさん聞くことができて大変ありがたいことでした。画像はすべてその際のものです。トンコリという楽器はまだ樺太から北海道に伝わってそれほど時間がたっておらず、ここ10年ぐらいに入ってきたということでした 。ギターのように広まったり 習う人が増えたら面白いと思います。

修理のできた楽器です。

2 アイヌの音楽の組み立て


今まで民族学に音楽については 単にだらだらと 演奏しているだけなのだという理解をしていました。 アイヌ音楽にも 構成や 音程などがあり、 それが個人や演奏のシチュエーションで変化がつけられて色々な音楽になるというお話が大変 面白かったです。西洋音楽では楽譜があり、音程や表紙、演奏の速さまで決まっていますが、アイヌ音楽はそれがあまり厳しくないようです。

私自信の音楽体験をかたると、それはまずピアノの脱落から始まっています。親の強制で始めた習い事で、続きませんでした。下って40歳前後で始めた和琴は長く続きました。先生が好きだったのもありますが、音程も自分でとる、演奏も教本通りでなかったりする、そうした気息性のなさが気にっていました。「絶対音階がある」という方はそれなりにすごいと思うのですが、音楽を楽しむという点において、琴を楽しんで弾いたので、その体験を思い出しました。

3 トンコリの音色


千葉さんがおっしゃっていたように 本当に聞いていると眠くなる 安らかな音楽です。

私は時々 奈良で新年に催される 雅楽の演奏会に行くのですが、 大抵 寝てしまい先日などは前の席の方に叱られたことがあります 。

こうしたことは 西洋音楽などではないのかもしれませんが、眠りを誘うという音楽も悪くないものではないかとすら思われます 。先日からなぜかこうした 民族楽器について見たり聞いたりする機会ができて非常にありがたいことだと思います。
トンコリが流行する日も遠くないかもしれません。



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