大原女と伊豆大島のあんこさん
伊豆大島は東京都でした
大原女の調査を行って、京都古布保存会での調査報告会・京都工芸繊維大学での大原女展と、順調に一般の方々への広報が進みました。法人内で、できれば東京で展示をしたいという希望があり、それを実現してくださったのが、当時「世田谷文化生活情報センター 生活工房」で展示企画を担当しておられた鈴木律子さんです。鈴木さんのアイデアで、大原女と伊豆大島の「あんこさん」の衣装を同時に展示することになりました。どちらも働く着物です。
働きものの大島の女性たち
展示期間中に大島の方々からお話を伺ったのと、展示終了後に大島にいってみてわかったこと。それは大島の女性は大変働きものだっただということです。自宅で牛を飼ったり、観光客を板に載せて運んだりと、男性でもできないような労働をしています。特に頭に物を載せて運ぶ習慣があるようで、これは共通する地域が日本に多いのが興味深いところです。
この展示のおかげで、労働着に対する認識が深まりました。京都古布保存会にとっては貴重な情報です。また、衣装のひとつひとつにも意味があるのは、大原女と共通した点でした。共通点と相違点、そのどちらも労働着を研究する上で抑えていかなければならない点であると思います。
労働着を保存する努力を
労働着などの衣装は、祭りの晴れ着と異なり、地味であまり関心を寄せる人がいません。そのため保存しようという意識がないままに消滅する地域も少なくありません。
こうしたことを事前に防ぎ、伝えられるものを上手に伝えてゆく、そのノウハウの構築がこれから必要であると実感しています。
似内惠子(NPO法人京都古布保存会代表理事)
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似内惠子 NPO法人京都古布保存会代表理事
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