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ヒエン電工 長田野工場編3
都市の血管や神経として、私たちの生活を支える電線。
外を歩けば必ず目にしているはずなのに、景色に溶け込んでいるからその存在に気づかない、いわば「見えているのに見ていない」ものの代表でもあります。
今回は船舶用電線を作るための大きなマシンや、ヒエン電工株式会社さんで働くみなさんが仕事の合間に楽しみにしている景色をご紹介します!
電線専用ニッティングマシン
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京近さん「会社に入った頃は、どうしてこれで鉄線が編めるんだろう?と思っていました」
被覆された電線の表面を金属の糸で覆った「網代(あじろ)電線」は、船の生命線。
ブレーダーという大きなマシンを使って、金属の糸を編み、電線に網を被せます。いわば、電線専用のニッティングマシンです。
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ここで使われるのは0.3ミリの鉄線です。
見よ!隙のない編み目!!
腐食を防ぐ白い塗料で仕上げをすれば、丈夫な網代(あじろ)電線の出来上がり。
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網代(あじろ)は曲げやこすれ、火花などの外的要因から電線を守る鎧(よろい)です。船では天井の隙間などの限られたスペースに配線するため、カーブに耐えられる丈夫さが重要なポイントになるのです。
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ほかにも、介材テープを寄り合わせて形を丸く整えたり、電線の表面にスタンプで印字するなど、いくつもの工程を経てやっと一本の船舶用電線が完成するのです。
街の中でも海の上でも、どんなところでも電線が働いています。寡黙で着実な仕事をする電線の頼もしさは、電線の作り手となる方々の思いと技術がものに宿っているからなのだと思います。
取材でお世話になったみなさん
今回の取材でお世話になったヒエン電工の皆さんに、仕事中に楽しみにしている景色について聞いてみました。
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松尾工場長「朝晩の通勤で見る由良川の水位は目測でピタッと当てられます。つりが趣味なんです。夜釣りでは、川から泳いでくるクマの気配を感じたこともあります。釣った魚を捌いて料理するのも楽しみの一つです。」
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前原生産本部長「長田野工場を囲む山々の紅葉が毎年の楽しみ。あの美しさは言葉では説明できません。これからもあの景色を眺められると思うといいですね。サッカーが好きで、部下や同僚とのサッカー話なんかも好きなんです。」
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仲西主査「普段は大阪勤務です。長田野工場へ来させてもらうとき、移動の車窓から緑や川が眺められ、ちょっとひと息つける時間です。車窓から福知山城が見えたら仕事モードに切り替わります。」
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西野経営企画本部長「福知山の桜が好きです。3月下旬に大阪で桜を見て、4月に新入社員研修で福知山に来ると、気温差によりもう一度桜を楽しむことができます。福知山の桜を見ると、桜を2回楽しめるお得感と、新しい季節が始まる、というワクワク感が味わえます。
社員一人一人に思い入れがあり、出会いの一つ一つが忘れがたい思い出です。」
先日、一人でフェリーと小型船に乗り、海の上を移動しました。
ふと、ここでも壁や天井の裏には電線が張り巡らされていて、その先にはきっとヒエン電工のみなさんがいるのだろうと思ったとき、窓の外の真っ暗な海さえ身近であたたかなところのように感じました。
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お忙しい中お時間をいただき、たくさんのお話を聞かせて下さったヒエン電工の皆様、ご協力いただきましてありがとうございました。大変勉強になりました。
次回も「見えているのに見ていない」電線の世界を取材します!
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