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電線さんぽ 大阪・曽根崎編

全国を気ままに散歩し、身近な街にある歴史や電線とのつながり、そして電線のある景色を楽しむ「電線さんぽ」。

今回は大阪・梅田で、いい電線との出会いがありました。


2023年5月に公開されたこちらの記事で伺った弥栄電線さんは、大阪の会社です。

社長の岡さん曰く、大阪には昔からゴム製造の会社が多く、ゴム被覆電線の製造や技術発展にも深いつながりのある土地なのだそう。
昔と今をビヨーンとつなぐいい電線を眺めにいきましょう!

悲恋と電線

大阪府大阪市にある梅田駅は、大阪を代表する繁華街・オフィス街です。
駅から4分ほど歩いた商店街には、近松門左衛門が手がけた人形浄瑠璃文楽の名作である「曽根崎心中」ゆかりのお初天神こと露天神社があります。

曽根崎お初天神通り商店街アーケードの入り口には、ヒロインの遊女・お初の大きな飾りが! 

お初の顔の横にもばっちり電線が伸びています

路地には赤提灯と電線が一緒に愛でられる路地があり、居酒屋などの飲食店が軒を連ねておりました。

夜を前に気の早い赤提灯の隣で、電線も弾んでいるよう

どこか懐かしい雰囲気に、歩いているだけでワクワクします。

と、散歩していたら…「本」だ!!おおきな「本」がある!!!
アーケードの屋根の部分にある配電用の柱が、漢字の「本」の形になっています。さすが名作ゆかりの地。

近くで見上げてもやっぱり「本」だ!

それにしてもなぜこの形になっているのでしょう。
ミステリアスです。

商店街を通り、ビルの間を抜けると露天神社に到着します。
曽根崎心中は、1703年(元禄16年)にこの神社の境内で起こった心中事件に基づき、劇作家の近松門左衛門が書いた作品です。

土地ごとに電気設備資材の違いを眺めるのも旅のたのしみ

若い二人が自ら命を絶ったセンセーショナルな悲恋の物語は、令和のいまも多くの人の心を掴んでいます。ふたりがこの場所で亡くなってから320年。
原作の結びとなるのは「未来成仏 疑ひなき 恋の手本となりにけり」という台詞です。

現在、露天神は恋のパワースポットとして親しまれているそう。
電線への思いは一方通行ですが、好きという気持ちは時間を超える強さがありますね。

撮影協力:関西電力送配電


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