2022/12/09 Pitti imagine uomo 参加を決める.
ブランドデビューのお披露目の為、イタリアのメンズファッションの展示会
Pitti Uomoに参加する事を決める。
1.申請から参加確定まで
12月9日
日本だけでなく、海外でも販売を考える。
海外にどのように発信していくか、考えていた時に、"ヨーロッパ圏の反応だけでなく、世界の反応も見れるPittiはどうか?”と
アドバイスをもらう事もあり、参加したい旨をメールでPitti事務局に伝える。
12月12日
Pitti事務局の申請、登録担当のAlessandra から英語で返信が来る。
次回6月の展示会は、2月から参加申し込みの受付を開始するとの事。
12月16日
国の海外に進出する企業への事業支援制度に申請する事を決める。
申請の為に、Pittiのブース代等費用や出店要項が必要となる。
締め切りまであと4日。急いで日本語訳を作成。
正確な次回のPittiの会期をAlessandraに教えてもらう。
2月6日
Alessandraより参加申し込みに必要な情報、資料の詳細なメールがくる
1. Piitiのインターネットサイトシステムに登録
メール、パスワード登録
参加申請フォーム記入 会社概要、ブランド概要、イタリア人/外国人 取引先、工場、生産者等記入
*申請フォームの情報はPittiの審査委員会の評価の基準になる為、 とても重要とのコメントあり。
ブースがどのエリア、建物に入るかの判断基準にもなる。
2.コレクション情報の提出
*Lookbook(ブランドの世界感を伝える商品カタログ 直近2期分)
*Linesheet(卸売価格と店頭価格の一覧表)
*来期のコレクション(スケッチでも可)
3.オプションとして追加可能
*販売計画
*プレスレビュー
上記のものをメールでデジタルフォーマット(PDF、JPEG何でも良い)
で送る。Pitti用に会社やブランドのプレゼンテーションを作成するのも歓迎
これらが全て揃ったら審査する
2月10日
会社概要等をPittiのシステムに登録
申請状況等を確認できる自分のページMy Pittiが作成される。
使い方がよくわからない。
登録が完了してから、事務局よりホームページ、Lookbook等はいつできるか、早く送ってほしいと連絡が何度か来る
Lookbook、ホームページができていない為、Pitti用のプレゼンテーション資料を作成する事を決める
4月..Lookbook撮影
5月..Website開設
6月..Instagram開始予定とAlessandraにメールで連絡
3月6日
ブランドのプレゼンテーション資料、会社情報をPittiに送る
9ーjourの製品の平置き写真、ブランドコンセプト、ブランドのイメージ写真
生産者の情報をまとめて送る旨を連絡する
3月17日
Pitti審査部問のDavideより、9-jourのPitti参加に対し、前向きに検討してい るとの連絡がある
できるだけ早くLookbook等の資料を送ってほしいとの事。
3月24日
Davideに撮影のスケジュール詳細を伝える
4月の初め..キービジュアル、商品の撮影
4月の終わりまでに写真のリタッチを終えて、Pittiに送る予定
試着サロンのショールームの写真を自分で撮って送る
4月3日
キービジュアル写真5枚、自分で撮ったデニム平置き写真21枚
をDavideに送る
2.契約書、支払,建物の確定、Pitti Connect
4月12日
Pittiの展示者営業、管理部問のCarlottaよりメールが来る
Pitti事務局の9-jour出店が確定後、展示会場のビル、セクションの件でCarlottaがやりとりを担当する。
9-jourはSUPERSTYLING セクションが良いのでは?と
Pitti事務局から提案される。
(建物はArsenaleとSALA DELLE NAZIONI
の2つ)
前回のブースの写真や備品のリストが送られてくる。
前回の出店ブランドはGoldwin, BLK Denim, Nanamica,John Smedley etc..
*ブースの広さは9/12/15/18/21/24/27/30㎡の中から選べる
*ラックや机、イス等の備品込みでブース代は1㎡は382€
*EUから参加の場合はVAT(付加価値税)がかかる
*実際の展示会場以外にPittiのデジタルプラットフォームPitti Connectに
9-jourの情報が掲載されて、宣伝、顧客とのやりとりも可能
(9月4日まで)
建物ごとにテーマが違うが、全体的に商品の印象は大きく変わらない
Centraleだからイタリアの老舗ブランドが入っている事は多いが、クラシコ、スーツ中心のブランドだけではない。
ブースの規模、施工がCentraleはデパート(建物が大きいせいもあるが)
その他はセレクトショップのような大大的な施工はあまりないように感じた。自社で敷地内に簡易的な建物を建てているブランドもあった。
入場者はCentraleをメインに見つつ、他の会場を見て周るルートが主流のような印象。
*この後から、展示会に関する情報、契約書、支払いの件は
My Pittiに送信されて、メールのやりとりが減る。
展示会期間の規則、消防法、建物の構造図も添付ファイルでくる。
施工をしないのであれば、general information and regulation を軽く目を通すだけで充分で、必要事項(サンプルの受け取り、いつから準備で入場できるか)は、後々別に連絡が来る。
My Pittiをあまり確認しなかったのと、見にくかった為、支払いと契約のデッドラインを見落として慌てる事になる。
4月13日
Carlottaに9-jourのブースの場所(壁側・通路側),広さ、装飾の件で質問
場所、広さ等は5月中までに両方回答する、との事。
装飾の件は責任者がStefaniaなので、Stefaniaに聞いてほしいとの事。
4月18日
My Pittiで出店契約の為にフォームに会社情報等入力。
VAT番号の欄にnoneと入れても登録できず、Pittiに確認。
数字を何でも良いから、打ち込めばOKとの事、、
ブランド登録を完了したら、契約書がメールで届いた。
ブース代の支払い締め切りが20日とわかる。
銀行からの海外送金で払いたい(国の支援金で個人のクレジットカードは 対象外、会社名義のクレジットカードはない為)が、送金手続きに数日かかるので、締め切りを過ぎてしまう、、
4月19日
CludiaからVAT免税についてのメールがくる
会社の登記謄本の原本と英語訳を送ると、VAT免税になる、との事。
急いで両方送る。
4月25日
日本の銀行からイタリアのPitti指定の銀行に振り込みをする。
数日後に入金される予定。
振込依頼書をelenaにメールで送る
1.ブース装飾用品を送ったら、事務局が受け取ってくれるか
2.装飾の制限について確認のメールも送る
4月27日
天井か梁から布を垂らす装飾を希望していたが、170cより高い位置の装 飾はできない、との返答。(ビルディングが違えばできるが、Arsenaleでは不可)装飾用品の受け取りについては返答なし。(My Pittiに送られてきたGeneral Informationにサンプルのみ受け取り可能と記載があったのを後日知る)Elenaにも同じ質問をするが、返答なし。 ブース装飾、ブースのプランを考え始める。
5月5日
ElenaよりDegital Pittiがネットで開始されるので、ブランド情報、商品
を早めにアップロードしてほしいとの連絡あり。
5月9日
国際送金で支払ったブース代が不足している、と連絡あり。
支払い日と送金日のレートのズレ?
急いでMyPittiのクレジットカード払いを利用する。
5月12日~
ブランドロゴ、ブランド説明文、イメージ写真をSEの方に頼み、Degital
Pittiのブランドページにアップロードしてもらう。
5月12日
ブースの位置、大きさについて再度質問をPittiに送る。
まだ、振り分け中で決まっていない、との事。
5月16日
Aresenale(建物)の2Fを希望していたが、Pittiの展示会場の中で
おそらく来場者が少ない可能性が高い、と知り、メインの建物
Padiglione Centraleに変更可能か、ダメ元でPitti事務局に
確認する。変更はできない、との返答。
ブース代に含まれている以外にも、借りられる備品のリストが届く。
仕切り用のカーテン枠、追加のラック、SmartScan(入場者のバーコードリーダー入場者の情報がバーコードを読み取ると、MyPittiに自動的に転送される)を借りる事を決める。
料金表の図が、レンタル料金が枠だけなのか、ラックこみなのかわからず、
何度も質問する。(料金が高かった為)
ラックは含まない枠だけの料金とわかる。
レンタルの申し込みが29日まで(そのあとも申し込みは可能だが、料金が20%ほどあがる)、ギリギリで返答をもらい、申し込む。
3.ブースの広さ/位置確定
5月18日
Elenaよりメールで場所と広さの連絡がくる
My Pittiに詳細が書かれている(柱の位置、縦m×横m)
4.出発準備
利用者登録後、カルネのホームページで商品は何か、枚数、色、値段等を
1枚ずつ記入していく。90本以上の記入
ネットで申請後、4日後くらいでカルネが届く
サンプルを手持ちで持ち込むか、Fedex等で送りにするか、調べて検討する。航空機の預かり荷物の制限が、以前より厳しくなっており
スーツケースを想定より多く借りる事になる。
(カルネはどちらでも対応できるが、送りの場合、可能性は低いと思うが、税関で止められた時、現地で対応する人がいない)
*Pitti connectのDegital catalogue の作成
商品写真、値段、サイズを登録する
(自社のホームページに全ての情報があるのであれば、作る必要は
ないかと思います。9-jourはネット販売で、店舗で販売する場合は店舗への
卸価格が必要だったので作成)
*展示会の入場券Pits mart Budgeの登録
携帯にダウンロードして、入場の際にバーコードをスキャンする仕組み
携帯にPittiのアプリをダウンロードして、ログインするとQRコードがでてくる。
5.ブース設営/準備
6月11日
イタリア フィレンツェ着
入国時の税関でのチェックが厳しいのか、心配していたが、スーツケースも開けられず、カルネの内容を口頭で確認されるだけで終わり。
Pitti会場に、Pitsmartbudge(入場証、携帯にダウンロードしてQRコードを入口の機械に読ませる)で入場。
会場にフリーのWifiはあるが、入口のあたりは弱くて、QRコードを開けない事もあったので、スクリーンショットでQRコードを撮っておいた方が良いかも。
Pitti会場でブース設営を始める。
日曜日で、会場にはまだブース用の電源はきておらず、
人もほとんどいない。展示用のラックや机は運び込まれている。
商品サンプルを装飾備品と一緒に持ってきていたので、クローク部屋で荷物を預ける予定だったが、日曜は人がいないので鍵がかからない。
ブースに隠すようにして置いていく。
6月12日
引き続き設営
朝、ブースについた時にラックに監視カメラがついている事に気づく。
他のブースも設営を始める。
Aresenaleは備品込みのブース会場の為か、凝った装飾を
しているブースはなく、午後から設営を始めるブースも多かった。
建物全体で、統一感のある展示を目指している為でもある。
施工をしてブースを作るCentraleは、11.12日共に業者が施工中だった。
6.Pitti開催
6月13日
Pitti uomo 104開催
会場入り口は、入場者で人だかりができている。
初日の来場者が4日間で1番多い。メインの建物前の広場にいるファッショニスタの数も多い。(4日目の来場者はかなり少ない、午後はほぼいない)
イギリスの雑誌Drapersの取材をうける。
PittiのWebサイトで、9-jourに興味をもってくれて、数日前からメールをくれていた記者さんはとても感じが良かった。
Piiti特集の中で扱われるとの事。
ポツポツとブースにお客が入ってくる。
ブース装飾で、外側に布をたらして、陣幕のようにしていたが、
布を途中から外す。ブースに入らずに、商品に触れるお客が増える。
Aresenaleは、装飾のほぼないシンプルなディスプレイで統一しており、
隠す事で、興味を持って貰える事を狙った装飾は、逆効果の可能性を感じた。(ブースに見えないかも?)ノベルティでA4サイズの布バックを入り口に置く。
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Pitti事務局の企画で、参加ブランドの商品をモデルが着用して撮影 商品提供、翌日Pittiのホームページにプリントデニム着用写真が載る
6月14日
ディスプレイを変更する
数の迫力はあるものの、倉庫のようにも見えてしまう恐れもあるのと、
若干、圧迫感があったので、90本のデニムの展示を60本ほどに数を減らす。
イメージ写真をプリントした布のポスターの枚数も減らした。
プリントデニムを目につく場所に配置変えをしたら、
プリントが目に留まって、中まで入ってくるお客も増えたように感じた。
バイヤーの他に、イタリアの服飾専門学校生が多かったが、
他の展示会への参加を促す営業,インスタグラマーとの商品宣伝、撮影のコーディネート業者?等もくる..
6月15日
Pitti全体的に客数が少なくなる
ブースには、イタリアの服飾専門学校生が多く訪れる
(学生は、学割なのかカードサイズの紙にQRコードをプリントした入場券をもっている)メンズの展示会ではあるが、女性客が半数近い。(学生が多かったせいもあるが)
ドイツのアート系雑誌 WeArから取材をうける。
商品を雑誌に掲載する為に撮影するので、30分程貸す。
掲載はまだ未定だが、掲載号は10月号になる、との事。
6月16日 最終日
客足はかなり少ない。ポツポツとお客が通るくらい。
しかし、ミラノのセクトショップに、9-jourのPop―UPショップの提案
をしてもらうなど収穫がある。
午後15時くらいから片付けをはじめる。
DHLなどの宅配便の伝票を貼った、大きな段ボールが各ブースに置かれて、
展示者達がブースを去っていく。飾り付けがほぼないので、早い。
9-jourは手持ちなので、スーツケースに入れて、商品と一緒に会場を出る。
会場をでる時には、退出証を見せないと出れない。
(期間中にメールでPittiより送られてくる)
*感想
コロナの影響もあるのか、全体的にアジア系の来場者は少なく、
イタリア、ヨーロッパ圏のお客が多かった。
9-jourは、アジア圏では、インドからのお客が2人。
デザイナー、学生、メディアに興味を持ってもらう事が多かった。
日本に店舗を持つお店のバイヤーの来客はなかった。
卸売り価格を設定してはいたが、ミニマム枚数、金額面では厳しい設定にしていた。お客に値段設定が新ブランドにしては、高すぎるのでは?と言われたこともあった。販売を第一に目指さず、宣伝目的でPittiに参加は、対費用効果的には厳しいものがあったが、外国の人々の反応を知れたのは良かったと思う。
9-jourの商品はユニセックスだが、女性に興味を持ってもらえる事が多かった。アパレルで長年働いてきたベテランの男性デザイナーには、素晴らしい、と言われた。
それぞれにとって、9ーjourの魅力は手法だったり、物作りの姿勢だったり、純粋に色、フォルムだったりと様々違うが、驚きだったり、好意を持ってもらえた。来客数自体は決して多くないかもしれないが、ゆったり見てもらって良かったのかもしれない。
7.Pitti後の反応
6月20日
イギリスの雑誌Drapersから記事掲載のメールが来る
(WWD、繊研新聞に近いイメージ?)
60年代のジーンズを元に新しいシルエットのジーンズで、
天然素材100%を使用、植物、天然の染料で染色している事などや
インターネットで販売を7月から開始するブランド紹介の記事がのる
6月30日
イタリアで最古、最大規模の服飾専門学校 Istituto Marangoni( イタリア以外にもロンドン、パリにキャンパスあり)の学内メディアに
Pitti Uomo特集で大きく取り上げられる
この記事のおかげか、学生、特に女子生徒が9-jourのブースに来てくれた。