服薬についてのライフハック

※正確を期すようにしてはおりますが、服薬を希望する場合は、必ず主治医とよく相談してください。

かしこ。@EboshiNo さんの制作です。

くすりのしおり

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神経発達症(発達障害)に対する主な病院処方薬

ADHD(注意欠如/多動性)症状

(処方対象年齢)6~18才未満

・ビバンセ
(処方対象年齢)6才以上

・コンサータ

・ストラテラ/アトモキセチン

・インチュニブ

ASD症状かつ易刺激性(感覚過敏/攻撃性傾向)

(処方対象年齢)6~18才未満
・エビリファイ/アリピプラゾール
(処方対象年齢)5~18才未満

・リスパダール/リスペリドン
処方対象年齢(年齢制限ナシ)

・抑肝散加陳皮半夏
抑肝散加陳皮半夏はストレス性の心身症状緩和が目的。

※攻撃性の判定基準

患者さん本人の意志関係なく、日常的に「暴言/自傷行為/他害行動」が著しくみられる、言行動に困難を抱える場合。

服薬の医療アプローチについて

処方薬はあくまでも緩和目的。
完治を目指す治療薬でも、強い抑制効果目的の薬でもありません。
患者さん本人が頻繁に
特性の強すぎる影響によって本当にやりたい事を阻害される場合
薬の力を少し借りる事で
本当の気持ちや行動したい事を表に出しやすくする、が目的です。

わかりやすく例えると…
頭痛がひどくて、やりたい事が出来ない時に痛み止めの薬を飲む

…という、鎮痛剤と似た服用感覚でのお付き合いです。

薬の服用感覚バランス
「よく効く薬≠強い効果≠即効性の薬」

強い副反応が出る場合
服用してるお薬自体の見直し・変更をするところも含め

「担当医・薬剤師と相談の上」

長期的な見通し/上手なお付き合い/が必要です。

コンサータ

コンサータは脳の中枢神経に働きかける刺激性のお薬です。副反応として強い乱用性依存性があります。

調剤のプロ薬剤師であっても取扱注意『劇薬指定・麻薬同等扱い』のセンシティブなお薬です。

コンサータ錠適正流通管理委員会

コンサータを取り扱える方は厳しい条件と管理のもと限定されてます。医療機関では…コンサータ錠適正流通管理委員会から「登録病院/登録薬局」「登録医/登録薬剤師」と認定、患者さん側では「登録患者」承認された方のみです。

処方/投薬条件
担当医の判断、かかりつけ病院・調剤薬局がコンサータ取扱許可の登録済みである事。

服用可能年齢は6才以上。
※6才~18才未満に処方された過去あり。

※ただしコンサータ自体、刺激性・乱用性・依存性があるため…小児に対する服用は現在あまり奨励されない。

投薬可能な必須条件
(家族以外の)第三者の証言『発達障害による困難な事情』を説明/証明する書類(メモ書きも可)提出も必須です。

患者登録について(書類手続き)
コンサータ服用を希望したい場合、事前の患者登録が必須です。

患者さん本人の基本情報提出
「氏名のイニシャル、性別、生年月日」の情報提出/登録

第三者視点の症状に関する情報提供
『発達障害の影響と思われる行動困難な状況の具体例』書類(※メモ書き/母子手帳などのコピー可)

コンサータ錠適正流通管理委員会からの承認「患者登録」することが義務付けられています。

※家族以外の証言情報が必須です。

患者登録に必要なもの
登録の際、本人確認可能な「公的身分証明書」と「第三者による証言/証明書類」も必須です。

大人(18才以上)
患者さんの保険証、本人確認可能な公的証明書…運転免許証、マイナンバカード、住民基本台帳カード、パスポートなど。

18才未満
本人の保険証、保護者の身分証明(上記参照…保護者本人確認/証明)も必要です。

第三者の証明書類として
通知表、園や学校の連絡帳、母子手帳なども可

※第三者の証明書類として…母子手帳、通知表(できれば小学生時代)、園や学校の連絡帳の提出をお願いするのは

先天的(生まれつき)の発達障害と
素人目で似たように見える後天的精神疾患(例…パニック障害など)の判別に役立てるためです。

患者登録完了で、数日~数週間後に患者カードがもらえます。

お薬をもらうには(薬局での手続き)

コンサータをもらうには、
患者カード・本人証明(※保険証で可能)・処方箋の3点が必須です。

調剤薬局/院内薬局で上記3点を提出します。薬剤師さんは患者カードの登録IDから読み取った情報と本人証明の情報を念入りに確認、照合します。

※服用者と処方ルートは厳重に管理されてます

コンサータ服用と注意

18歳未満の患者さん
初回服用は18mg。効き目が現れる目安は18mg~45mgとされる。
1日1回、朝に服用が基準。

増量は医師の判断が必要
医師の判断のもと、1週間以上の間隔をあけてから…前回の1日の総服用量に9mgまたは18mgの増量で様子見。1日の総服用量は最大54mgまで。

18歳以上の患者さん
初回服用量は18mg。
1日1回、朝に服用が基準。

増量は医師の判断
服用感覚を相談しながら担当医の判断のもと、

1週間以上の間隔をあけてから…
前回の1日の総服用量から9mgまたは18mgの増量で様子見する。1日の総服用量は最大72mgまで。

(製薬会社の医療人向け公開データより)

ストラテラ/アトモキセチン

ストラテラ。ジェネリック名および主成分名…アトモキセチン。

世界保健機関(WHO)のATC分類では…NO6B-精神刺激薬に分類される中枢作用性交感神経刺激薬です。

現医療業界では(コンサータとは異なる)非刺激性で、乱用性も依存性も無いと判断されてるお薬です。

服用基準…小児(6才以上)。服用は4段階に分けて慎重に行われます。1~2段階目は慣らし期間、服用効果は3段階目以降。

アトモキセチン服用と注意

18歳未満の患者さん
第1段階…0.5mg/kg(体重)
第2段階…0.8mg/kg
第3段階…1.2mg/kg
第4段階…最大1.8mg/kg

1日2回(朝・夕)服用。
効き目の目安は1.2~1.8mg/kgとされる。

増量は医師の判断のもと
1週間以上の間隔をあけて行う。

1日の最大総服用量…1.8mg/kgまたは120mg

18歳以上の患者さん

初回は1日総服用40mg
その後は1日の総服用量80mg増量で様子見
服用…1日1回または1日2回

効き目の目安は
一日の総服用量80mg~120mgとされる

増量は医師と相談の上
1日80mgまでの増量は1週間以上、その後の増量は2週間以上の間隔をあけて行う。1日の最大総服用量は120mgまで。

(製薬会社の医療人向けデータより)

インチュニブ

インチュニブは脳の交感神経系(アドレナリン受容体)の活動を低下される事で、神経伝達物質を調整する目的のお薬です。

服用基準…小児(6才以上)。最低処方量1mg。アトモキセチンよりも即効性あり。副反応として低血圧と傾眠※に襲われる傾向あり

服用中の注意事項
・こまめに水分摂取
(☝血中濃度調整の水分摂取で低血圧傾向を回避)
・傾眠を越える意識障害に注意
※傾眠(けいみん)とは、意識障害(意識混濁)の程度の一つである。周囲からの刺激があれば覚醒するが、すぐに意識が混濁する状態を指す。
場所と時間が分からなくなったり(見当識傷害)、直前の出来事の記憶がないことがある。自発的に動くことが少なく、ベッドに寝たきりの生活になりやすい。食事は口に入れると自ら咀嚼し、嚥下できるできることもある。
昏蒙(こんもう:大声で呼ぶとやっと返事をする状態)と近い意識レベルの状態である。傾眠よりも意識レベルが低下すると嗜眠、昏眠、昏睡となる。
意識障害の分類の定義はあいまいなものが多いため、現在ではジャパンコーマスケール(Japan Coma Scale;JCS)やグラスゴーコーマスケール(Glasgow Coma Scale;GCS)といった評価方法を用いるのが一般的である。

インチュニブ服用と注意

18才未満の患者さん
服用量は体重で厳重管理される。
(※体重17kg未満は服用不可)

初回の1日総服用量
体重17kg~50kg未満…1mg
体重50kg以上…2mg

増量は医師の判断のもと
1週間以上の間隔をあけながら…前回の1日総服用量に1mgずつ増量で様子見する

規定量は以下を参照

1日総服用量「効き目がある」目安
17kg~25kg未満…1mg~(最大)2mg
25kg~34kg未満…2mg~(最大)3mg
34kg~38kg未満…2mg~(最大)4mg
38kg~42kg未満…3mg~(最大)4mg
42kg~50kg未満…3mg~(最大)5mg
50kg~63kg未満…4mg~(最大)6mg
63kg~75kg未満…5mg~(最大)6mg
75kg以上…6mg(18才未満限界量)

18才以上の患者さん

初回の1日総服用量2mg
1日1回の服用。

増量は医師と相談のもと
1週間以上の間隔をあけながら…前回の1日総服用量に1mgずつ増量し、様子見する。

効き目のある1日の総服用量
「4mg~6mg」の服用が目安とされる。最大の1日総服用量は6mgまで。

(製薬会社の医療人向け公開データより)

エビリファイ/アリピプラゾール

ジェネリック名および主成分名…アリピプラゾール。
自閉症スペクトラムの患者さんで
「(感覚)過敏性・(言動行動の)攻撃性」が強めに表れる症状に対し『小児限定』で処方されるお薬です。

抗精神病薬の1つであり…総合失調症、双極性障害、うつ病の患者さんにも処方されます。

服用量の増減で脳内の神経伝達物質の量を調節する目的のお薬です。

エビリファイ服用と注意
(小児期の自閉スぺクトラム症に伴う易刺激性の患者さん向け)

初回の1日総服用量1mg
効き目の目安…1日総服用量「1mg~15mg」とされる。服用は1日1回。

増量は医師の判断のもと
2週間以上の間隔をあけながら…前回の1日総服用量に最大3mgずつ増量可。
最大1日総服用量は15mgまで。

(製薬会社の医療人向け公開データより)

エビリファイ補足説明

薬剤師さん曰く…エビリファイの服用は、眠気が出る患者さんが大半なので…初回の服用は夕食後にするのが一般的とされてます。

服用量と服用タイミングを
固定した状態で効き目が表れる期間は「2週間以上~約1カ月かかる」とも言われています。

※大人(20才以上)は飲酒厳禁

アトモキセチンの副反応で
ごく稀に『食欲減退・体重減少・(服用前よりも)攻撃性行動などが表れる』という患者さんがいらっしゃいます。

上記に当てはまる場合
エビリファイに変更する事で

攻撃性行動が緩和されたり、
落ちてしまった食欲が戻ってくる場合もあります。

ごく稀に表れる副反応
製薬会社の医療人向け公開データに記されてます。

食欲減退や体重減少の件は
薬剤師さんからも副作用(→眠気や腹痛など)説明ありますが…

ごく稀に『攻撃性が増す』の
症状については…製薬会社の医療人向け公開データ(※医療用語・知識必須)を熟読で知り得た情報です。

投薬による医療アプローチ

現在の処方事情(病院)
発達系小児科(15才未満)では…主に「ストラテラ/アトモキセチン」「インチュニブ」を処方します。

例外として「エビリファイ/アリピプラゾール」も処方する場合もあります。

患者さん本人/患者さん家族も含め

『薬は飲んだら効き目が現れる』
という観念が根強いため、

現在の医療現場では
即効性のある「インチュニブ」を最初に投薬する傾向がある模様です。

医師の判断により、投薬加療開始できる最年少は「6才」です。

投薬加療する事で
『二次障害(※うつ病など)』発現予防できる事もあります。

15才未満の投薬管理

小児科の対象年齢(15才未満)である子ども達は、体重によって最大服用量が決まります。

薬剤師の常識
どの病、どの体質、どの体型、先天的疾患の持ち主であっても、15才未満は『最大服用量=体重で管理』です。

体重計で体重変動を確認せず、最大服用量を変更されそうな場合は要注意です。

処方薬のまとめ

代表的なADHD処方薬

コンサータストラテラ/アトモキセチンインチュニブの3つ。

どのお薬も用法用量が
「6才~18未満」と「18才以上」で区切られてます。

噛んだり、砕いて飲むのは厳禁。
製薬会社で適切な場所/時間を計算して製造してるため…薬の形を変えてしまうと効き目が薄れる事もあります。目に入ると失明の危険性があるお薬(ストラテラ/アトモキセチン)もあります。

薬の効き目は本人次第

投薬する医師は対面診察のもと

患者さん本人の体調/体質も踏まえて適切な投薬を心掛けてます。

あくまでも患者さん本人に合わせた処方です。

たとえ血の繋がる親子間であっても薬の共有は厳禁です。

「薬は実際に飲んでみないと効き目が判らない」と、調剤のプロである薬剤師さんも口を揃えておっしゃります。

ほとんどの医療人は服用未経験
『医療・薬剤業界の一般常識』を指針として、現場実践で答え合わせしてる状態です。

医師に相談しながら
自分の中の正解「服用感覚」をどうぞ大切に。

最後に(医療人からの切なる願い)

必要な加療を得るために
時には患者さん・患者さん家族が粘り強く「いま抱えてる症状」を

根気強く切実に訴えながら…
違う医療アプローチ提案を『医師の口から』引き出す事が「鍵」だったりします。

※余談…新型コロナの抗体カクテル療法も、医師の口から加療提案されない限り…処置される事はありません

かしこ。@EboshiNo 監修

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