妖怪の正体!?

妖怪について、井上円了先生(1858-1919,東洋大学創立者)は以下のように分類している。

https://www.toyo.ac.jp/link-toyo/culture/youkai-hakase-enryou より引用

円了先生は世に妖怪とされるものの五割は偽怪(人為的妖怪)、つまりインチキやホラ話の類であるとしている。そこに異論はないのだが、「インチキやホラ話」と切って捨てるには、偽怪の概念はもったいない気がする。もっと言うなら「口にしてはならぬこと」が、「偽怪」として語り継がれているケースが、大いにありそうなのだ。具体的には「口裂け女」がその一つではないかと思う。

詳しくはwikiをご覧いただきたいが、「口裂け女」は1979年に爆発的に流行した都市伝説である。口元をマスクで隠した若い女性が
「私、キレイ?」
と子供に近寄り、返答に関わらずマスクの下の耳まで裂けた口を見せつけ、子供の口を刃物で耳まで裂いたり、切り殺したりしてしまうというものである。
その正体や発生・拡散の経緯については数多の先行研究があるが、正直思うのである。
「これ、変質者じゃね?」
もちろん口が耳まで裂けた女性の変質者が出た、という話ではない。女性(あるいは女装した男性)の変質者が、子供に性的な加害をし、自分が何をされたか理解できない(言語化できない)子供が、「口が耳まで裂けた女性に遭遇した」と語った可能性の話である。この場合「口が耳まで裂けた」は、その子供が目撃したもの、あるいはされた性的な行為のメタファーであると考えられる(具体的な言及は避けたい)。

このパターンで説明できそうな妖怪は多い。風呂場に出る「あかなめ」やトイレに出る「かんばり入道」は、「糾弾できないノゾキ」の可能性がある。家族・親族・隣人・権力者などによるノゾキがあり、家族や村の権力関係の中で、あからさまに語ることがはばかられるとき、それが妖怪のせいにされたのかもしれない。
もちろん全ての妖怪の正体が変質者だと言いたいわけではなく、「名指しで糾弾できない変質者」が妖怪として語られることがあるかもしれない、という話であるので誤解なきように願いたい。

今回のオチ。
ということは「砂かけ婆」の正体は「小動物による砂かけ行為」ではなく
「認知症でウ◎コを投げつけてくる老人」
がマイルドに表現されたものじゃないですかねえ…


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