生存っ戦っ略-! 愛とケアの循環について~ハッタツ民の方舟第11回
「リンゴを投げつける」「リュックから落したリンゴだから勝手に拾ってください」などの言葉が方舟内では飛び交うことがあります。この「リンゴ」とは、愛情やケアの象徴で、なぜリンゴなのかと言うと、TVアニメーション『輪るピングドラム』において、リンゴが愛とケアの象徴として用いられていたのがきっかけです。
『輪るピングドラム』とは
80年代末~90年代はじめにかけて大ヒットしたTVアニメ『美少女戦士セーラームーン』シリーズ。
その世界観を構築した※幾原邦彦監督(以下イクニ)は、東映アニメーションを離れて、制作集団『ビーパパス』を立ち上げて1997年、野心作『少女革命ウテナ』を制作した。
『薔薇の花嫁』を守るため、学園を支配する決闘(デュエル)に挑む、「王子様に憧れ、自ら王子様になろうとする少女」天上ウテナを主人公とした『ウテナ』はヒット作となったが、イクニはそれから10年以上もの間、アニメ監督として表だった活動をしなかった。そして突然、2011年にお出しされたのが『ピングドラム』である。
両親の帰りを待ちながら一軒家で暮らす、高倉冠葉・晶馬の兄弟と、その妹の陽毬。しかし陽毬は不治の病に冒されており、水族館で倒れる。病院で絶命する陽毬を前に、冠葉・晶馬は無力だった。しかし水族館で買ったペンギン帽を被った陽毬は「生存っ戦っ略-!」と叫んで蘇生する。
帰宅後、再びペンギン帽を被った陽毬は別人格「プリンセス・オブ・クリスタル(プリクリ)」として、「この娘の命を助けたければ、『ピングドラム』を手に入れろ」と兄弟に命ずる。ピングドラムの鍵を握るのは、兄弟と同い年の女子高生・荻野目苹果が持つ『運命日記』。だが、日記とピングドラムを狙う者は、兄弟だけではなかった……物語は中盤以降、兄弟が生まれた年に起こった大事件を巡り、思いも寄らない展開を迎えて行く……。
※『セーラームーン』シリーズはメディアミックス作品であり、武内直子先生のコミックは原作ではない(当然すり合わせは行われている)。なお2014年から放映された『美少女戦士セーラームーンcrystal』シリーズは、竹内先生のコミックを忠実にアニメ化した作品である。
『ピングドラム』とは何か
劇中ではリンゴのような「運命の果実」として、「ピングドラム」がやり取りされる。
運命の果実を分け合うことで、生きる意味が生まれる。
『ピングドラム』から学んだこと
贈与による循環は、交換による取引とは明らかに異なる
自分のリンゴは食べられない
他人からリンゴを奪い取ることもできない
リンゴは増やすこともできる(ゼロからは増えない)?
DENNYさんのしたいこと
できる範囲で構わないので、愛とかケアとかを循環させたい。
方舟は情報共有の場であると同時に、みんなの考えを深める場である。
さあ、「運命の果実」=「智恵の実」をみんなで一緒に食べよう。
GiverにはGiverの問題がある
人間はGiver(与える者)、Taker(受け取る者)、Matcher(バランスを取る者)の三者に分類される。
DENNYさんは典型的なGiverで、見返りを求めずに与えて行くが
・(与えられる側が)成長するチャンスを奪ってしまう
・与え尽くして「世界の果て」になってしまう
・自分を後回しにし過ぎてセルフネグレクトしがち
・ニーズに即さないGiveによって、与えられる側の時間や資源を奪う
などのリスクを抱えているし
「アンパンマンがカバオくんを乗せてどこまでも飛んで行こうとすると、カバオくんは空中でアンパンマンの顔を食べ尽くしてしまい、二人で墜落する」
=共依存になりやすい問題も抱えている。
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