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#4 それぞれのたくらみ

○ 4 - 1(3 - 41と同じ)

   管嶋の車(再)
運転する管嶋。
白鬼(電話) 「僕は知らないですよ」
管嶋 「他に誰がいる?」
白鬼 「だから、あの夜逃げハッカーじゃないですか」
管嶋 「そんなことが?」
白鬼 「できます」
管嶋 「どうやって」
白鬼 「それくらい自分で勉強してください」
管嶋 「・・・」
管嶋、カーステレオで音楽をかける。

 
  147日前

○ 4 - 3    管嶋の部屋 夜

管嶋が自身のデスクに座り、小型のPCを開く。

メールに記載されているURLを押し、ソフトをダウンロード。(白鬼自作のトークソフト)
そのソフトを開き、イヤホンを装着。
通話ボタンをクリック。
しばらくして応答がある。
白鬼 「はい」
管嶋 「こんばんは。無理言って申し訳ないです」
白鬼 「・・・」
管嶋 「どうしても、文字だけだと不安な性分でね。世代もあるんでしょうけど」笑う
白鬼 「ゼンゼンモンダイナイデスヨ。セキュリティーノモンダイデス」合成された音声
管嶋 「あははは」声を出して笑う
白鬼 「すみません。冗談です」
肉声に若干エフェクトをかけた音に。
管嶋 「低くて良い声ですね」
白鬼 「・・・」
管嶋 「すみません、イメージと違ったので」

途中、白鬼サイドのカットにも。
モニターには管嶋の顔が映っている。

白鬼 「なんで、僕なんですか?」
管嶋 「え?(笑) 白鬼さんが有名なのはご存知ですよね?」
白鬼 「有名人なら他にもいます」
管嶋 「・・・去年の〇〇事件、あれ白鬼さんですよね?」
白鬼 「よく知ってますね。そんなマイナーな事件」
管嶋 「確かに、規模は小さいですが。なんて言えばいいんでしょう、凄く琴線に触れたんです。変な話ですが・・・ 犯罪にも、センスの良し悪しってあると思いませんか?」
白鬼 「まあ」
管嶋 「あれは、ハイセンスでしたね。あれは、ご自分で?」
白鬼 「そうですね。思いつきですけど」
管嶋 「さすがですね。・・・私は、日本人の民度の低さを嘆いています。どいつもこいつも、ボーッと生きてると思いませんか? 大した野望もなく、奴隷のように働く」
白鬼 「僕はやりたい事をやってるだけです」
管嶋 「それって、いわゆる天才ですよね」
白鬼 「買いかぶりすぎです」

管嶋 「私は平穏が人を貧しくしてると思うんです」
白鬼 「はい?」
管嶋 「どいつもこいつもボケーっと生きてると思いませんか? 目的もなくダラダラと」
白鬼 「・・・」
管嶋 「一緒に一石を投じませんか?」
管嶋、笑顔に。

○ 4 - 4(3 - 41と同じ)     管嶋の車(再)


運転する管嶋。
白鬼 「で。解除できました?」
管嶋 「電源切ってる」
白鬼 「とりあえず、スマホ買い換えてください。後、盗聴器とかも調べたほうがいいですよ」
管嶋 「わかった」
白鬼 「・・・いよいよですね」
管嶋 「ああ」
白鬼 「頑張ってください」
管嶋 「ありがとう」
白鬼 「では後ほど」

○ 4 - 5     怪しげなホール


管嶋と、怪しげな連中。30人程。
スクリーンで映画を見ている。
古い白黒映画のラストシーン。

○ 4 - 6     人気のない場所(劇中映画)

悪魔 「よく頑張った。約束どおり、ご褒美をあげよう」
嬉しそうな少女。
悪魔 「ここに、好きな数字を書いて」
少女 「なんですか?」
悪魔 「君が書くのは、金額だ。それが君のものになる」
少女が目を輝かせる。
悪魔 「ただし。その数字は、人数でもある。君が書いた数だけの人間が死ぬ」
少女 「え?」
悪魔 「でもいいだろう? 君には家族も友達もいないんだから」
少女が紙に数字を書く。
悪魔 「本当にいいのかい?」笑う
少女が頷く。
悪魔が消える。
紙には0の文字が。

ENDの文字。

○ 4 – 7     怪しげなホール

映画が終わり照明がつく。
シノサキ会長の目がウルウル。イタガキ号泣。
司会の女性(MCマツコ)が皆の前に立つ。
MCマツコ 「只今より、第一回GRAM HACK CONTESTを開催します。はじめに、天求会会長シノサキ先生よりご挨拶です」若干気だるそうに
司会女性がシノサキ会長にマイクを渡す。
シノサキ会長がゆっくりと低い声で喋る。
シノサキ会長 「映画はどうでしたか?」 
コンテストの挑戦者(管嶋含め5人)は緊張の面持ち。
シノサキ会長 「アンナは非常に愚かな選択をしました。金をもらえる上に人を殺せる、神様に与えられた素晴らしい権利を放棄しました。彼女はノートを使い、自分の村を、国を、守るべきだったのです。この結末は、この国の縮図です。何も変えられない。何も守れない。想像力がないからだ。そんな無能で怠惰な人間は、滅んで然るべし!」 
シノサキ会長が一息つく。
シノサキ会長 「ですから、みなさんには、日本国民の目を覚まし、この国の底力を補強するための、素晴らしくも悪魔的な作品を期待しております」 
黒服(シノサキの手下たち)とコンテストの挑戦者達が拍手する。
MCマツコ 「では、各チーム順番にプレゼンをお願いします」

〜  〜  〜

挑戦者TAMAYO 「私たちが考えたのは、フリーメールをジャックできるシステムです。これで是非、会長様のメッセージを・・・」
〜  〜  〜
挑戦者2 「監視カメラを使って居場所を特定するシステムですが・・・顔認証の技術を」
〜  〜  〜
挑戦者3 「ブロックチェーンで、シェアリングエコノミーをですね、実用的なサービスにしっかりと・・・」
〜  〜  〜
挑戦者D 「これは、映画のノートの機能を模したマルウェアで、ATMのシステムを狂わせます」
シノサキ会長 「人も殺せるのか?」
挑戦者D 「いえ・・・」

〜  〜  〜

管嶋の順番になる。
MCマツコ 「では、最後の方どうぞ」
管嶋が前にでると、タイマーが始動。
管嶋のプレゼン開始。
管嶋 「私たちが開発したのは、他人のスマホを覗けるタブレットです。この通り」
画面を操作してみせる。
シノサキ会長の反応はいまいち。
管嶋 「こちらは実際のデータです。タレントなんかも何人かいますね」
管嶋、とある人気女優のトークや写真を表示。
挑戦者たちが食いつく。
管嶋 「実はこのタブレット、ここ福岡で実験的に販売してみたところ、そこそこ売れました。つまり、我々と何の接点もない一般人がこれを手にしているということです。あ、ちなみに、このタブレットから足がつくことは絶対にありませんので、ご安心ください。さて、このタブレットを手にした人々がどういう行動に出たか、気になりませんか?」
1分が経過し、アラームがなる。
管嶋がタイムウォッチを叩き壊す。
皆驚く。
キシノ 「おい!!」
会長が黒服を制する。
シノサキ会長 「続けなさい」
管嶋がプレゼンを続ける。
管嶋 「現に様々な活動が行われています」
スクリーンに、タブレットが関連する事件の数々が映し出される。アイドル自殺事件も。
挑戦者2 「ことみん殺したのお前かああっ!!」取り乱す。
管嶋 「違います」
黒服が興奮した挑戦者②を抑える。
シノサキ会長が興味を持ち始める。
管嶋 「そして。面白いのはここからです」

管嶋の持つタブレットから音楽が鳴り、アップデートが始まる。
(タブレットの画面がスクリーンに映し出されている)
〈 サイレンの鳴らし方 〉が開かれ、テキストが表示される。

管嶋 「これが何かわかる方?」
ハッカーたちは身を乗り出してスクリーンを見る。
それ以外の面々はポカンとしている。
一人のハッカーが手をあげる。
管嶋 「はい」指名する
参加者A 「消防車のハッキング!!」
管嶋 「違うっ!」
挑戦者Dが恐る恐る手をあげる。
管嶋 「はい」指名する
挑戦者D 「緊急時アラート?」
管嶋 「正解。素晴らしい」

管嶋 「これらは、ハッキングのちょっとしたヒントですね。ですが、日々トレーニングをしている人間なら、これは大いなる手がかりとなるはずです。例えるなら、市販の手品セットみたいなモノです。あれ、仕組みがわかっても、案外難しかったりしませんか?」
数人が頷く。

管嶋 「誰か、鳴らすと思いますか?」
シノサキ会長 「鳴らす」
管嶋 「僕もそう思います」

キシノ 「以上で宜しいですか?」

アラートが鳴り響く。

管嶋 「今、誰かが、自分で考え、行動し、これを鳴らしたわけです。このタブレットは、良くも悪くも人間の想像力を掻き立てます。さらに! 今後のアップデートで追加される機能がこちらです」アラームをかき消すような大声で。
今後のラインナップが表示される。
〈 TVジャックの仕方 〉
〈 政治家の消し方 〉
〈 村の沈め方 〉
〈 coming soon 〉
ざわつくオーディエンス達
アラートが鳴り止む。

管嶋 「これは、この国の意識を変えるアイテムです。ですが、もしも仮に、万が一、私が捕まり、警察がこのタブレットを撲滅したとしましょう。それはそれで、この国の安全保障における夜明けだと言えるでしょう。以上です。ありがとうございました」

〜  〜  〜

プレゼンが終わり、結果発表に。
5人のプレゼンターにグラスが渡される。
MCマツコ 「では、合図で飲み干してください」
プレゼンターたちがグラスを持つ。
MCマツコ 「今回の優勝者はー」
プレゼンターが一気にドリンクを飲み干す。
管嶋、飲み終えて苦い表情に。
5人とも苦い表情をしており、不審に思う。
しばらくすると、管嶋以外の4人が口から血を吹き出し、床に倒れこむ。
恐怖で呼吸が荒くなる管嶋。
ミタライ 「おめでとう」拍手。
イタガキ 「素晴らしい」拍手。
キシノ 「おめでとう」拍手。

黒服がトロフィーと賞金(台車の上に現金山積み)を持ってくる。
シノサキ会長 「非常に、私好みの、アイデア、何より、この国を変えたいという熱い気持ち、恐れ入った。今後も裏社会貢献に励んでください。おめでとう。感動した」
シノサキ会長からトロフィーが手渡される。
会場が拍手で包まれる。
シノサキ会長 「君には支援を惜しまない」
管嶋 「ありがとうございます」
ミタライ 「失望させるなよ」笑顔だが目が笑ってない

○ 4 - 8     エレベーターの中

トロフィーと現金ケースを持った管嶋。
声を出して笑いだす。

○ 4 - 9     川沿いのベンチ 夜

一人ベンチに座る白鬼。イヤホン。
白鬼がスマホでテレビを見ている。
ニュースが流れる。
キャスター(TV) 「臨時ニュースです。今日16:35に福岡県で全国瞬時警報システムが鳴り・・・」

○ 4 - 10     新アジト

ライチ 「思想犯? 愉快犯?」
混乱するライチ。
ライチ 「ふざけてるとしか思えない。このタブレットを売るメリットがわからない」

考え込むライチ。

ライチ 「けど、ま、いっか。捕まえて訊けばいいね」
冬吾 「どうやって?」
ライチ 「人は焦るとボロが出るんだよ」
ライチ、近くにあった立体パズルを手に取り、弄ぶ。
ライチ 「冬吾がされて一番嫌なことは?」
冬吾 「殺される」
ライチ 「それ以外」
冬吾 「作ったものを壊されるとか?」
ライチ 「それで行こう」
冬吾 「え?」
ライチ 「これ壊せる?」
冬吾 「・・・」
ライチ 「無理?」
返答を躊躇する冬吾。
冬吾 「時間もらえれば」
ライチ 「どれくらい?」
冬吾 「・・・とりあえず5日」
ライチ 「オーケー」
冬吾、複雑な表情。

○ 4 - 11     薄暗い和食店の個室

高級店の個室。
管嶋とノムラ(黒服)が対面で食事している。
管嶋は書類に目を通している。
ノムラ 「どいつも首根っこ抑えてっから」
管嶋 「助かります」
ノムラ 「スキルは知らん。というか俺には分からん」
管嶋 「大丈夫です、スキルはおまけですから」
ノムラ 「ただの監視ならいくらでもいんぞ」
管嶋 「それだと角立ちますから。気持ちよく仕事して欲しいですからね」
ノムラ 「難儀だな。ガキの機嫌取るのも」笑う
管嶋 「いえ、コントロールは簡単ですよ。自己承認欲求の塊ですからね。良いことした時に褒めるだけで良いんです」
ノムラ 「ほぼ洗脳じゃねえか」
管嶋 「教育ですよ。大人としての義務です」
ノムラ 「ま、下手だけは打つなよ」
管嶋 「心得てます」
ノムラ 「おめでとうな」
管嶋 「先輩のおかげです」頭を下げる。
ノムラ 「生きてて良かったな」
管嶋 「そう、冗談じゃないっすよ」
ノムラが笑う。

○ 4 - 12     管嶋別邸 外 昼

郊外の立派な一軒家。(別荘風)
白鬼が建物に近づくと、ナマムギ(31・男)が出迎えにくる。
ナマムギ 「お目にかかれて光栄です!」
白鬼 「どうも」
ナマムギ 「僕、勝手にてっきりグループかと思ってたんですけど、本当にお一人なんですね。あ、僕もタブレット買ったんですよ。マジで神がかってますよこれ」

○ 4 – 13 管嶋別邸 PCルーム 昼

PCとデスクが複数ある部屋。
白鬼がナマムギに案内されて入る。
部屋の中にはヤドク(24・ガラの悪い男)が一人座っている。
ナマムギ 「僕らでバックアップするんでこき使ってください」
白鬼 「特にすることないですけどね」
ナマムギ 「あ、白鬼ルームは向こうです」

○ 4 - 14     管嶋別邸 白鬼ルーム 昼

様々な機器が置かれた部屋。
豪華な設備にテンションが上がる(密かに感動している)白鬼。

○ 4 - 15     新アジト 昼

ライチが壁を見つめている。
アイドルソングが大音量でかかっている。
壁には相関図、資料、地図等が貼られている。
[管嶋匠、白鬼、タブレット、恐喝、アイドル殺害、アラート、自己承認欲求、不和・・・]
管嶋と白鬼のプロファイリングが進んでいる。

李 「何すかこの曲?」
ライチ 「死んだアイドルの曲」
李 「ああ」
ライチ 「気持ちを高めようと思って」
死んだアイドルの写真を見る。
李 「多分、違うグループっすよこれ」
ライチ 「そこは重要じゃない」
李 「重要でしょ」

少し離れたところでは、冬吾がノートPCで作業している。過集中状態。
タブレットクラッキングのための武器を揃えている。

○ 4 - 16     管嶋の会社 デスク 昼

デスクで管嶋が電話対応している。
管嶋 「もしもし。お世話になります」
女性(ライチ) 「・・・」
管嶋 「お電話代わりました。管嶋です」
女性(声) 「・・・」
管嶋 「もしもし?」
女性(声) 「タブレットの件ですけど」
管嶋 「はい?」
女性(声) 「例のタブレットです」
管嶋 「何のことでしょうか?」
女性(声) 「白鬼ですよね?」
管嶋 「・・・」言葉に詰まる。
電話が切れる。
管嶋しばらく考え込み、顔色を変える。

○ 4 - 17     新アジト 昼

ライチ、電話を置き、何かを考える。

○ 4 - 18     新アジト 夜

ずっとクラックの準備をしている冬吾と李。
ライチがやって来る。
冬吾は集中していて気付いていない。
李 「いけるかもです。いわゆる奇襲ですけど」
ライチ 「さすが」
冬吾がライチに気づく。
ライチ 「邪魔した?」
冬吾 「いや」
ライチ 「ねえ、もう一個頼んで良い?」
冬吾 「何?」画面を見たまま
ライチ 「対白鬼秘密兵器」
冬吾 「オーケー」生返事
冬吾が我に帰る。
冬吾 「何それ?」

○ 4 - 19     管嶋別邸 白鬼ルーム 夜

薄暗い部屋の中。
白鬼、管嶋とビデオ通話している。
管嶋(電話) 「使いごこちは?」
白鬼 「良いですよ。設備は」
管嶋(電話) 「一人優秀なのいるでしょ?」
白鬼 「まあ、雑用クラスですけど」
管嶋(電話) 「そうか、君から見ればそうなんだろうね」笑う

管嶋(電話) 「・・・ところでさ」
白鬼 「はい」
管嶋(電話) 「誰かに話したでしょ」
白鬼 「何をです?」
管嶋(電話) 「この案件のこと」
白鬼 「いえ」首を振る。
管嶋(電話) 「俺については?」
白鬼 「何ですかそれ。特に言う相手もいませんし」
管嶋(電話) 「本当に?」
白鬼 「僕になんのメリットが?」
管嶋(電話) 「・・・」
白鬼 「それより、もう良いですか?」ちょっとテンション高い。
管嶋(電話) 「ああ、頼む」
白鬼がエンターキーを押す。
タブレットのアップデートが開始される。

○ 4 - 20     管嶋別邸 PCルーム 昼

ナマムギ 「キタキタ!」興奮
ヤドクはゲームをしている。

○ 4 – 21     様々な場所 昼

各々のタブレットがアップデートされ、 〈 TVジャックの仕方 〉アプリが出現する。

色々な人間がタブレットを手にしている。
ハッカー集団、不良グループなど。

○ 4 - 22     とある中学生の部屋 夕方

一人の中学生(少年A)がノートPCとタブレットを弄っている。
その様子を見守る、3人の友人。
テレビがついており、バラエティー番組が流れている。

○ 4 - 23     家電量販店の一角 夕方

テレビの販売コーナー。
複数のテレビで同じバラエティー番組が流れている。
突然、ノイズが混じり、チープな映像に。
仮面を着けた少年たちがカメラに向かって喋っている。声は変えられている。
少年A 「皆さん初めまして。突然ですが、皆さんは今のテレビは面白いと思いますか? 僕は、クッソつまんないと思います・・・」
ざわつく店内。

○ 4 – 24     とある中学生の部屋 夕方

テレビがジャックされているのを見て、中学生たちが喜びの声をあげる。
床にはマスクなどの小道具が落ちている。

○ 4 - 25     各所 夕方

色々な場所で、ジャックされたテレビを見る人々。

○ 4 - 26     某所 夕方

シノサキ会長がテレビを見て大喜びする。

○ 4 - 27     各所 メディアの画面

電波ジャック事件は各メディアで取り上げられ、様々な憶測を呼ぶ。
TVニュース、新聞、ネット記事、SNSなど。

○ 4 - 28     薄暗い怪しげな部屋

スピリチュアルクラブの会合。
複数の大人がPC作業している。
大神信者 「早くお声を届けましょう」
大神先生 「ゆっくりで構いません。焦るとサークルが乱れますよ」笑顔で
信者たちが返事をする。
一人がPCで大神先生が喋るVTRをチェック。

○ 4 - 29     youtubeの画面

youtuber 「皆さんはご存知ですか?」
タブレットの画像が差し込まれる。
youtuber 「都市伝説なんですが、一連のテレビジャック事件、このタブレットが関係してるとかいないとか」
youtuber 「出どころには諸説があります」
youtuber 「第一のリンゴやプロメテウスの火のように」
イメージ画像が差し込まれる。
youtuber 「あるいは、あのノートのように」
死神と黒いノートのイラスト。
youtuber 「このタブレットがもたらすのは、究極の情報の民主化なのかもしれません

○ 4 - 30     新アジト

ライチがそのyoutube動画を見ている。
ライチ 「気色わるっ」
冬吾は相変わらずPCを触っている。

BGM入り


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