スケッチブックがあればどこまでも【主婦杯】
皆さんは20歳を過ぎてからスケッチブックを何回買っただろうか?
美大生や絵を描くのが趣味でない限り、そうそう成人を迎えてから触れる機会のないスケッチブック。
僕は絵を描くという本来の目的から遠く離れた「素敵な出会いとワクワクした移動」のために幾度かスケッチブックを購入している。
そう、勘の鋭い方ならもうお察しかもしれない。ヒッチハイクである。
大学生の時から通算すると100台近くの車に乗せてもらい、100人以上の個性的で素敵な人々に出会ってきた。
そんな少しの勇気とスケッチブックがあれば、誰もが出来る壮大な冒険「ヒッチハイク」の魅力を余すことなく皆さんに伝えたい。
魅力① 何が起きるか分からない
それは他の旅行に比べて不確定要素が多いからだ。
その日どこまで行けるのか...分からない。
その日どこに泊まるのか...分からない。
その日どんな出会いがあるのか...分からない。
この事実に僕は凄くワクワクする。
ただひたすらスケッチブックを掲げて待つ。この究極とも言える無駄な時間。この贅沢な無駄はヒッチハイクにおける魅力の1つだ。
普段の僕は丸っきり逆だ。無駄なこと・余計な事は極力やりたくない。
特に休日は時間をフル活用したいとの思いからやることリストとタイムスケジュールを前日夜に作成し、その通りに自身をガチガチに縛って行動する。結果、予定通り行動出来るとニヤニヤが止まらない。
予測不能な無駄を排除し、効率よく自身のやりたいことを消化していく。
この一連の流れに快感を覚えているのだと思う。
普段はこのくらい無駄が嫌い。
だからこそ長期休暇などは1分先の未来が分からない贅沢な無駄の時間に見を投じたくなってしまう。
何かと忙しい現代社会。合理的に、効率よく動くのは素晴らしいと思う。
ただ、たまーに是非こういった無駄な時間、予定を入れようにも入れれない時間を作ってみると良い。
きっと病みつきになるはずだ。
魅力② 個性的で素敵な人々との出会い
ヒッチハイクが趣味ですと言うと、決まって聞かれる質問がある。
「変な人に乗せられるんじゃないの?」
「危なくないの?」
半分YESで半分NOだ。
個人の主観になるが、危ない目に会ったことは一度もない。むしろ人の優しさに触れてばっかりだ。
「乗せること出来ないけどジュースあげるから頑張れ」
「良い思い出になるよ!楽しんで!」
など乗せてくれた人はもちろん、そうでない人たちからもたくさんの優しさを貰っている。
半分YESと答えたのは「変な人に乗せられるんじゃないの?」の方。
ヒッチハイクが趣味ですという言葉がフットサルが趣味、映画鑑賞が趣味ほど市民権を得ていないことを考えると、変わった趣味といえる。
ただ僕はそんな変わったヒッチハイカーを乗せようとする人々…彼ら彼女らも良い意味で個性的で魅力溢れる変な人だと思う。
こんな全身真っ赤な怪しい2人…乗せると決めた人は間違いなく変な人(ちなみにドライバーさん良い意味で変だしめちゃめちゃ面白かった、ヒッチハイク後何回か飲みました。)
特に覚えているのが、山口県ー広島県まで乗せてくれた営業途中のお兄さん。
その時は漫才コンビを組んでいた相方との卒業旅行も兼ねたヒッチハイクだった。
車内で「僕ら漫才ずっとやってて、コンビ組んでたんです」と話すと、
「よし!じゃあ目的地のサービスエリアで下ろしたら俺がお客さん集めるから漫才やってよ。」と。
到着するとお兄さんの流れるような営業トークであれよあれよと15人くらい集まって、久々の漫才を披露することが出来た(ウケたか、滑ったか全然覚えてない。でも覚えてないってことは…)。
これ以外にも
キャンピングカーを乗り回す社長さんに乗せてもらったり…
1人学校側の古いルールと戦う熱血中学教師の方に乗せてもらったり…
車内では少し変わった魅力的な人々との濃密なトークを楽しむことが出来る。
ヒッチハイクをしなければ一生接点を持つことのなかった人とたまたまそのタイミングでヒッチハイクをしていたから出会う。
もの凄く素敵な出会いだなぁと感じてしまう。
さぁさぁ!ここまでの話を聞いて皆さん既にスケッチブックを片手に目的地を今にも書かんとしているところだろう。
最後に僕のヒッチハイク写真ともに何点かコツを紹介したい。
※ヒッチハイクにはコツがある。ただ闇雲にスケッチブックを掲げてもドライバーさんは乗せたいけど乗せれない場合もあるので、是非参考にしていただきたい。僕は闇雲に掲げていた頃、雨の中9時間ひたすら立っていたこともある。涙とおしっこがちょっとだけ出ていた。
コツ① 車の止まれるスペースを確保する。
ヒッチハイカーを見つけて乗せてあげたいと思っても止まれるスペース(コンビニの駐車場や少しの間路上駐車が許可されているスペース等)がないと素通りされてしまう。
また信号の近く等、こちらを見つけてからドライバーさんが考える時間を作れる場所も効果的だ。
コツ② まずは高速道路に乗ることを目標に!
ヒッチハイクで遠くへ行きたいとなると、高速道路を使うのが必須条件だ。
よって高速道路の入口付近に拠点を構えたり、徒歩で入ることの出来るサービスエリアを検索しそこからスタートするのも手だと思う。
サービスエリアによってはヒッチハイクを禁止しているところもあるので、よーく調べながら戦略を立ててほしい。
コツ③ とにかく笑顔を心掛ける!
乗せてくれた人になぜ乗せてくれたのかを聞くと「笑顔だったし怪しくなさそうだった」「笑顔で面白そうだと思った」とのコメント。
ドライバーさん側は自分の車に全く知らない人間を乗せるのだから、少なからず不安はあるはずだ。
その不安を払拭出来るのはマクドナルドよろしくとびっきりのスマイルだと思う。
以上である。是非皆さんもスケッチブックを掲げてみてほしい。
終わった後には自分にしか語れない冒険譚が出来上がっているはずだ。
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