[奇談綴り]自分が死にかけた話
オカルトじゃなくて、子どもの遊び方がヤバかった話です。
ツイッターではよくなんで?!というエピソードが流れていますが、自分でもやらかしたことがあるので、反省を込めて書き記します。
それは小学校の中学年ぐらいの、ちょうどこんなお盆の時期でした。
祖母の友人に酪農家の方がいて、お盆のあいさつにいくというので無理やり着いていきました。
実は行くのは初めてではなくて、何度かお邪魔しているお宅なんですよね。
なので、先方も私の事を知っているし、こちらも勝手知ったるなんとやら。
家の中には入らず、牧場と牛舎を見学させてもらうことにしました。
今なら消毒に気を使うでしょうが、昭和のことなので、かなりアバウトです。
お家の方から「子牛がいるよ、見ておいで」と言われたので、真っ先に牛舎へ行きました。
牛舎にはたしかに超絶かわいい子牛がいました。人懐こくて、手をベロンベロン舐めてきます。
子牛は可愛かったのですが、そこは小学生、あっという間に飽きました。
次はどこを見学しようかと立ち上がって牛舎を眺め回します。
ふと、牛の上に何かがぶら下がっているのが気になりました。
どの牛の上にもぶら下がっています。
「なんだろう、あれ?」
ここで大人に聞きに行けばよかったのですが、なにせ子どもの考えることです。
気になったらすぐ触らずには居られません。
牛舎の柱を掴んで目一杯背をのばし、一番手近なその「ぶら下がっているもの」を掴みました。
次の瞬間、全身なにかにぶつかったような衝撃があり、視界がブラックアウトしました。
何がなんだかわかりません。
混乱していると、体がすーっと下に沈んでいきました。
まるで深い海に静かに落ちていくような感覚。
「あっこれヤバい…めっちゃダメなやつだ…上に…上に行かないと!」
混乱した頭でとにかく「上」に行こうともがきました。
ジタバタしていると、沈む速度がすーっと緩くなり、やがて止まり、ジリジリと上がり始めました。
上に、と願うとさらに体が浮いていきます。
徐々に視界が明るくなり、まるで水面から飛び出すように光のなかに飛びこむと、パーッと視界が戻ってきました。
本当に水泳をしていたかのようにプハーッと息を吐いてから吸い込みます。
気がつくと、牛舎の柱を掴んだまま立っていました。光のかげんから考えて、時間もさほど経っていないようです。
その時、パッと「感電」という言葉が頭に浮かびました。
そう、電牧に相当する部品をガッチリ掴んで「感電」していたのです。
牛であれば痛いとかびっくりする程度でしょうが、体の小さい小学生が「握りしめた」となると…。
そのまま倒れていたら見学を許してくれたお宅にとんでもない迷惑がかかっていたでしょう。何事もなく戻ってこれて幸いでした。
左手で掴んでたら最悪死んでたかもしれないです…。
やらかした自覚があったので、祖母や親には結局話していません。
二度と牛は見せてもらえないだろうし、どれほど怒られるかわかりませんからね…。
というわけで、自分がやらかした記憶があるせいで、イベントで小学生以下の子どもが参加している時は、絶対に目を離さないようにするクセがついてます。
ホントに一瞬でやらかすんですよね…。大人が思いもよらない事を。
何かあってからだと注意のしようがないので、これを読んだ方もなるべく気をつけてあげてほしいと思います。