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【奇談綴り】異界とのつながりと使いっぱしり

私は自分では霊感などというのはほとんどないと思っている。
多少変な事に出会ったりはしているけれど、恐ろしい思いはしたことがないし、今後もしたくない。
霊障というような体調不良もほとんど出会ったことがない。

「ほとんど」というのは、片手で数えられる程度にごく軽く、変な音がしたとか気分が悪くなった、電球がものすごい音をたてて切れた、というようなことがあったためなのだけど、どれも恐ろしいとは感じなかった。

だから、この話でもずっと「零感」と書いてきたのだが、視える友人に言わせるとそうでもないらしい。
友人に言わせると、私に視えることがバレるきっかけになった「深淵を覗く」のもっと前から、悪いものをまるで見えているかのようにヒョイヒョイ避けるので、かなり疑っていたらしい。
「視えてないなんて嘘だ」と言われるのだけど、わかっていないのだからしょうがない。そんな恐ろしいものが視えてたら避ける前に逃げるし。

単に悪いものを避けるだけでなく、彼岸とか異界とつながっているような言動もあるらしい。
例えば「本に落ちる影」。
あの日あの時間にお寺に行く予定を決めたのは私だった。つまり友人は「私が何かから影響を受けて日時を指定した」ということが言いたいらしい。
影響も何も、両方の予定の空く一番近い休日がその日だった。操作されたというなら両方だろう。

ただ、自分でも使われたかな、と思う話がある。
それが「嫌だけど、しょうがない」というエピソードだ。
モノクロか、ものすごく彩度の低い夢だったはずなのだけど、10年以上前なのにまだかなり細かい部分を覚えているし、くどくどと繰り返す「引っ越したくない」という声も覚えている。
なぜか友人に話さなくては、と思ったのも、今考えるとおかしい。
どちらの神社かわからないのだけど、使われたかな、という気はしてしまう。

もうひとつ、大きい寺社への旅行も結構「使われている」感じがすることがある。
旅行は基本的に一人で突然行くタイプなのだけど、ごくたまに友人を誘わないといけない…ような気がすることがある。
そういう時は急に飛び入りで人数が増えて、何故だか私が引率することになる。
そして行った後、人生の選択が変わるとか、体調が良くなるとか、謎の理由でお礼を言われたりする。
引率している私には特にいいことも悪いこともないので、なんかこううまく使われたようなモヤモヤした気持ちが残ってしまう。

視える友人に愚痴ったことがあるのだけど、友人からするともっと様々に「変なところとつながっている」ような現象が起きているらしい。
その一つとして「金粉」がある。金色の粉がどこからか降ってくる現象で、オカルト全盛期によく話題になっていたのだけど、私と一緒にいるとよく降ってくるのだそうだ。
実際に「かなりしっかり降ってるのに、気付かないの?」と言われたこともある。
金粉…現実の金の粉なら是非ほしいですが、私に視えないってことは異界の粉ですよね…全くわかりません。

そういえば祖母がおそらくそれなりに視える人で、ちょいちょい使われる人だったのではないかと思う。
何かを視たというような話はほとんどしなかったが、自分の娘、要は私の叔母が「死んだ飼い猫をあまり良くない場所に埋めた」時、その猫が足元にまとわりついて大変だった、という話はしてくれた。
そのせいで叔母のやらかしが発覚し、祖母の大目玉を経て猫はきちんと供養されたのだけど、それも「使われた」事にならないだろうか。
余談だが、この猫の埋められた場所は別の親戚宅の敷地で、ごく近くに犬3匹と気の強い猫1匹(全部寿命で亡くなったもの)が埋まっており、そんな場所に全く接点のない気の弱い猫を埋めたと聞いて、なんと気の毒な、と思ったものだった。

こういう使われ方は察知できないので避けようがないし、嫌がったら悪い影響が出そうで断ることも難しい…。
本人の気付かないところでいい影響が出ているのかもしれない。そもそも私に影響がでているのかもわからないのだけど。

基本的に自覚がないので詳しく説明はできないけれど、また思い当たったらこちらで話したいと思う。


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