身長
身長がでかいやつが嫌いだ。男なら180cm、女なら170cm以上あったらもうダメ。この嫌悪感は165cmしかないおれのただの嫉妬とか妬みでは片付けられるようなものではなく、怒りや復讐心に近いものがある。
身長がでかいやつ全員が嫌いではない。身長がでかくて好きなやつもいる。おれが嫌いなのは身長を武器に生きてるやつだ。身長がでかいだけで初期装備がマシンガンで、初期装備ナイフの低身長共とは生まれながら別レベルの部隊だと勘違いしてるやつがこの戦場にはのうのうと生きている。早よどっか行け。今でも内戦が絶えないイラクでは、『身長がでかい兵士は銃で狙われる的が大きいという理由で部隊から外される』という話を転売屋の知人から聞いたような覚えが微かにある。
努力もない、態度の大きさは富士山級、才能は親から大きく育つDNAを受け持っただけ、そんな身長がでかいだけで威張っている奴らのせいで、身長がでかく謙虚で善良な人間が風評被害を受けている。それにおれは頭きている。大学で知り合った友人(女性)にこんな人がいた。彼女は170cmで、“身長だけ”の人間だった。高いヒールを履いて高身長アピールをしたと思えば、小柄な女の子を羨ましがってみたり、もっと身長欲しがってみたり、わけがわからない。しまいには「スタイルいい」などと周りに言われて喜んでいる。高身長で“スタイルだけ”がいいという話。マシンガンを持ちながら素足に下着1枚、身長しか取り柄がないことに気づいていないことも考慮すれば、重りが入ったリュックを背負っているような雑魚装備でありながら、「銃いいね」と言われ舞い上がっているような状況。誠に滑稽。彼女も見事に身長だけを武器に数々の戦場を渡り歩いてきた玄人なのであろう。ただ、身長がでかいだけではもう長くは生き延びられない。火縄銃は当初、高い殺傷能力からあの武田信玄や織田信長が惚れ込んで戦に使われていたが、装填に時間がかかることや湿気に弱いことなどが弱点となり衰退し、それらの弱点が見直されたピストルが生まれた。(たぶん)このように武器は時代に適応して進化・強化されてきた。身長という武器に対しても人間が『あれ、身長って大きくても小さくても何でも良くね?』『あれ、身長でかいことの良さってそんなにないよね』と気づき、身長が武器として価値がなくなる日も近い。そんな時生き延びれるのは、低身長ながら日々自己研鑽に努め高い人間レベルを持つ私のような人間だろう。
世は戦国。武器は人間性。体大脳小大名を討ち取る小さな武将。それがおれなのだ。ガハハハハハ〜おなごよ、もっと近う寄れ〜〜
って話。