おでんの季節がやってきた。
急に寒くなりました。東京では木枯らし1号が吹いたそうです。また北海道では雪になったようです。こんな時には、暖かいおでんが恋しくなります。いろいろな具が入ったおでんは、典型的な家庭料理でしたが、いまでは”コンビニおでん”の方が幅を効かせているかもしれません。
田舎の実家のおでんは、『明治キンケイ おでんの素』を使ったおでんでした。このおでんの素は、その当時のテレビCMでもよく見ました。”明治キンケイ”というのは昔あったブランドで、カレールーなども発売していました。いまでは普通の“明治”ブランドとして、『明治 おでん横丁 おでんの素』と言う名前で売られています。
おでんの具は比較的一般的なものだと思いますが、牛スジ・タマゴ・カマボコ・チクワ・コンニャク・ダイコンなどが入っていました。当時は”餅キンチャク”は一般的ではなかったので、鍋に入っていた記憶はありません。
子供の頃好きだったのは、なんと言ってもタマゴでした。また”子供の舌”でしたから、カラシは使いませんでした。先ほどのレギュラーメンバーの具に加えて、時々ルーキーが代打でメンバー入りすることがありました。なかでもピカイチのルーキーはタコでした。
父が若い頃、タコ漁に凝ったときがあって、ある時期、冷蔵庫にタコが大量にストックされていました。タコ料理のレパートリーは少なく、茹でて酢味噌で食べるくらいしかありませんでした。なので、タコに飽きた我が家では茹でたタコが大量に余っていました。そこで、余ったタコを”仕方なく”おでんの具にすることになりました。
関西のおでん(関東煮き)では、タコも通常の具のようですが、我が家では初めてでした。怪我の功名というか、ダメ元で入れたタコが良い味になりました。これまでに一番美味しかったおでんの具を聞かれれば、迷わず「タコ」と答えます。