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源流をたどる「生地」

今日のnoteは、頭の中を整理するためのメモです。
良かったら、お付き合いください。

私が「生地」に対しての意識にスイッチが入ったのは、30代になってからでした。

長男が生まれた時、私は25歳。
保育園に通い始める前、思い切ってミシンを買ったのですが、下糸ごっちゃごちゃで(笑)全然、うまく縫えなくて挫折、ミシンは押し入れのすみっこへ・・・

その5年後、次男が生まれて、もはや保育園グッズを作ろうなんて気すら起こさないまま、押し入れのすみっこのミシンも、眠ったまま(笑)

しかしスイッチが入った!
当時つとめていたクリニックで、胎教博というイベントに出た際に、同じくブースを構えていた「スペース・ムウ」さんで、布ナプキン用の無漂白ネル生地と本を購入。

出来上がった布ナプキンも売っていたのに、お財布の中に現金がなくて買えるのは生地と本だけだったのです(笑)
作らざるを得ない状況が生まれたのですっ!!!

スペース・ムウの角張光子さんの本 「ひろがれひろがれエコナプキン」

やっと押し入れから出てきたミシンは、やはり下糸ごちゃごちゃ。
でももう逃げられない(笑)
2008年当時、ミシン会社ブラザーの電話相談というのがあり、勇気を出してかけてみたところ、優しく教えていただき、なんとか縫えるように!

布ナプキンの使い心地の良さに、本当に惚れてしまい、何度か作るうちに、見よう見まねで、たまねぎの皮で染めてみたりするようになり、生地への愛情が沸騰(笑)自分の分だけでは飽き足らず、おおめに作って、欲しいというお友達に配るようにもなりました。

そんな時、高校の大先輩が手芸の先生をしていて、卓上機織り機を持っているとのことで、体験させていただくことができました。

https://kinarino.jp/cat6/8263

↑ こんな感じのかなり立派な卓上機織り機でした!

娘が生まれたことで、スペース・ムウさんの生地で布ナプキンだけでなく、布おむつ・ふんぱんを作るようになり、ミシンもまぁまぁ使えるようになってきたころ、

今度は「手紡ぎ(てつむぎ)」という世界に出会います。
幸運なことに、ヒマラヤの3000m級のところを行き来しながら製品を販売しているBella Terra のむつみさんが、私の住む町で手紡ぎのワークショップを開催してくださったのです!

スピンドルという素朴な木の道具で、羊毛を紡ぐむつみさんは、ただただ消費されるような商品ではなく、美しい地球と、その美しさを守る生き方をしている人たちの息吹まで伝えてくれました。

↑ 羊毛の手紡ぎは、こんな感じです

羊を育て、毛を刈り、ヒマラヤの水で洗い、乾かして、キレイに整えたものを、電気・ガスなど何もいらない、人の手と木のシンプルな道具だけで糸にする・・・

糸を機織り機で織ったり、編んだりして、生活に必要な衣類などを作る、もちろん電気もガスもいらない。

その衝撃は、計り知れないものでした。

さて、ここでタイトルにした「源流」
綿や毛を「紡ぐ」ということを人は、どうやって考え出したのか?

私が感じ取ったものは、最初に作られたのは、糸や生地ではなく、ナワ・ヒモ・アミだったのでは?ということ。

出雲大社の立派なしめ縄

動物の毛皮を服にして着るのは、なんとなくわかるのですが、綿花や蚕(かいこ)の糸から、糸を作って生地にしよう!って、いきなりそうは、ならないだろうと思ったのです。

日本は、「瑞穂(みずほ 米の稲穂)の国」とも言われ、天照大神が「わが高天原(たかまがはら)にある斎庭(ゆにわ)の穂をわが子に与えなさい」といういわゆる天孫降臨から稲作が始まった、と言われています。

ワラ(稲)を使った生活用品も昔はたくさん作られていたことと思いますが、その第一は、きっと「物をしばったり、結わいたり、束ねたりするナワ・ヒモ・アミなど」だったのではないでしょうか。

そんなことを感じながら、では日本にいつワタ(綿)が入ってきたか?を調べていたら、こんな記事を発見!

「オーガニックコットンへの思い」安藤株式会社さん

799年に愛知に漂着したインド人青年が持っていた綿?!
なんというパワーワード(笑)

実際には、その種が思うように育たなかった、ということもあったようですが、とにかく記録に残る日本初の「綿」はどうやらインドから来たようです。

余談ですが、日本で「機織りの始祖」は、天羽槌雄神(あめのはづちのおのかみ)と言われているそうで、日本国内でも紡績や養蚕がさかんな地域に神社もあるようです。

世界では、ギリシャのアテネ女神が、戦い・正義・そして機織りの女神と言われています。戦いと機織り・・・不思議ですね。

綿がない頃、日本人は、何を着ていたの?!毛皮だけ?!と、なりますよね。そこで出てくるのが、麻です。

「イラストで分かる麻の歴史」麻絲商会(まししょうかい)さん

エジプト、縄文・・・やっぱりナワだった!!
麻絲商会さん、ありがとうございます!!スッキリ💗

麻のなかで、比較的そだてたり紡いだりしやすいとなると「亜麻(あま)」になります。種はスーパーフードとして食べられたり、種から作られる亜麻仁油も、体にとても良い油として注目されています。


繊維として使うのは、茎の部分。大麻と違って、育てるのに許可もいらないため、さっそく種を購入してみました(私は、メルカリですが、以下のリンクは栽培用として売られている種になります)

「有機種子 固定種 亜麻 フラックス10g」

和綿の種は、3種類ほど持っているので、今回は、亜麻。
春が来るのが楽しみです!

そんななか、先日、東京スピニングパーティー(2023)というイベントに行ってきました!紡ぐ、織る、染める・・・など、まさに糸と生地に関するイベントです。

その中で、娘と共に、はじめて綿をスピンドルで紡ぐ体験に参加したり、さをり織り の存在を知りました。

東京スピニングパーティーでの綿工房さんによるアットホームな体験講座

ここでも、常に意識するのは源流です。
紡ぐことに関しては、このスピンドルや糸車が、とてもシンプルで原始的なものだということは、よくわかりましたが、綿や羊毛の繊維を整える「ハンドカーダー」での作業に関しては、なんだかモヤモヤが残り調べました。

すると、驚くことにカーディングの原始的な方法は、ギザギザ・ツンツンの植物を使っていた!ということを知りました。

「起毛の沿革・日本の起毛の歴史」起毛のプロ職人 島本化繊起毛工場さん

この記事には「あざみ」とありますが、もう少し良く調べたところ、あざみによく似た「チーゼル(日本語では羅紗掻草 ラシャカキソウ)」だと知り、こちらも早速、種を購入しました(毎度おなじみメルカリにて。以下は、楽天で見つけた苗へのリンクになります)

「宿根草 チーゼルフロナム 苗」

寒さにも強く、こぼれ種で毎年生えてくるとのことですから、比較的、広い範囲で栽培が可能なのではないかと思います。ガーデニングやドライフラワーとして飾りに使う方もいるみたいですよ!

このイガイガで、生地の表面をこすりにこすりまくると「起毛」といって、ぬいぐるみなどの表面のようなフワフワ生地になるわけです。

ここまで来てやっと、長年、愛用してきた布ナプキンの生地の源流をたどることができました!

そしてたどった源流は、一番近くにあった、という事実&不思議・奇跡・・・

夫の田舎で今も親族が経営している手機織り工房

私の夫は、バングラデシュの田舎出身なのですが、夫の父は、かつて大きな手機織り工場を経営していました。

昔は、日本からのシルク糸(蚕の真綿から紡いだ生糸)も使っていたそうで、生糸は戦後の日本復興を支えたとも言われており、私が生まれ育った横浜から船に乗って輸出されていました。

⚓ 一般社団法人シルクセンター国際貿易観光会館(シルク博物館)

今年からバングラデシュと日本の二拠点生活をはじめたことで、現地の手機織り工房にも行くことが出来ました!今、ここで作られているのは、シルクの生地で、イスラム教の学校(マドラシャ)でコーランを暗唱できるくらいに覚えて卒業する子どもたちに、卒業記念として渡されるものだそうです。

手機織り機で織る前の糸

織りあがった生地は、重い石でアイロン(笑)
夫の田舎で今も親族が経営する機織り工房(二か所、20機ほどあり)
織って染めたものは、木々の間に紐をわたして干していました

↑ この生地の写真を撮ろうと思ったら・・・なんと、買ってきた分はすべてお土産で仲間たちにあげてしまっていました(笑)自分の分がない!と今、気づく。。。

夫と出会ったのは、1998年ドイツの首都ベルリン。
そこから数々の試練をなんとか乗り越え(涙)
今年の春から、やっとのこと、夫の田舎に私たちが住むための家を建て始めました。その家は、マドラシャ(イスラム教の学校)のお隣になります。

🏡 家を建てる@バングラデシュ(Instagram)
建築も・・・とにかくスローに手作業で建てているレンガのおうちです。

生地の源流をたどる旅と共に、少しずつ小さな小さな点と点がつながってきたように思います。

というわけで、東京スピニングパーティーの際に、ひとめぼれして、体験させていただき、さらに心ときめいた小さな糸車「ラップトップ・チャルカ」を注文しました💗

Human Tech Labさんのラップトップ・チャルカ

🧵 Human Tech Labさんのラップトップ・チャルカ

小型なので場所もとらない上に、折りたたむとさらにコンパクトになり、しかもまるで竹筒のようなフォルム!そして、バービーちゃんが実演しているのは障害を持った方でも機織りができるようにと試作されたという機織り機のミニバージョン。Human Tech LabさんインドネシアのBambooUでもお勉強されたようです。たまりません!!
この日は、ちょうど自分のお誕生日だったので、自分へのお誕生日プレゼントです💗

綿を育てる、糸をつむぐ、生地を織る、起毛させる、布ナプキンをゼロから作っていく活動は、情熱クラブ 布ナプキンチームでも、行っています!

🌟 情熱クラブ 布ナプキンチーム(Instagram)
🌟 情熱クラブ(情熱メディア)コットン栽培編

情熱クラブに入ってよかった!と思うのは、みんな本当に「多芸多彩で情熱的!!」
そしてゼロ(レイ)からイチ(1)を生み出す活動をしていることです。

私も自分が目指す自然と寄り添う暮らしをこれからも続けて、未来を生きる子どもたちのために知恵や技術を伝えていきたいと思っています。まずは、ここ数日の頭の中身や調べたことなど、整理のために。

最後までご覧いただき、ありがとうございます!
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