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“器”をつくる

日頃、住宅や店舗等建築の設計をする中で、僕自身心掛けていることがあります。
それは、“ストーリー”を“設計”するということです。

住宅であれば、その土地やご家族の特徴をくみ取り、いかに日々の暮らしの中に落とし込んでいくか、店舗であれば、その地域の中でどのような商いが必要とされていて、それをいかに円滑に運営できるようにするかということを考えながら設計していきます。

また、“設計”には物事を“整理”するということも含まれています。様々な諸条件を片端から解決し盛り込むのではなく優先順位を付け、場合によっては取捨選択をしながら整理し設計することで、“暮らし”や“商い”が淀みのない水の流れのような“ストーリー”となって、建物という“器”が出来上がっていくと考えています。

そして、料理が盛り付けられる器によって、見た目だけでなく味わいまで大きく左右されるように、人の暮らしや商いも建物という器によって大きく変わるのではないでしょうか?

快適性や利便性だけでなく、その家族や地域だけが持つ特徴が織り込まれた建物は、きっと愛着を持って長い時間大切に使って頂けると思いますし、その建物での出来事はきっと色濃く人の記憶に刻まれることだと思います。

僕は、人や地域にとっての“器”である建物が、いつでも心が休まる場であり、明日への活力となる場であってほしいと思っています。


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