見出し画像

【マッチングアプリで100人とデートしてみたら】合コンの2股クン #4

【お家で待ってる】

2股クンに呼ばれ、尻尾を振って会いに行った私。

朝まで一緒にいられると、ウキウキしてたんだけど

「ごめん、デニール。バイトのヤツが熱出したみたいで。ちょっと今日行かなきゃ行けなくなった」

えええええ!

2股クン「デニール、明日は予定ある?」
私「ないよ~」
2股クン「じゃあオレ帰って来るまで待っててよ

え!
いいの!?

何かそんなの…
彼女みたいじゃない!?

「うん!待ってる!バイト頑張ってね」

2股クンを見送り、暇になった私は
「そうだ!ご飯でも作って、胃袋掴んじゃおう!」
と、近くの100円ローソンで買い出し。

ちなみに私、実家暮らしで料理経験はほぼありませんでした。

ってことで、3時間後。
似すぎて野菜の原型がほぼなくなった、ドロドロの肉じゃがもどきができあがりました。

…まぁ、見た目はちょっとアレだけど。
…味も、ちょっと濃いけど。
食べれるし、大丈夫でしょ!

肉じゃがを作り終え、暇になった私。
脳裏に、イケナイ考えが過ります。

あれ?私、今1人なんだよね?
これ、チャンスじゃね?

彼女と本当に切れたのか、それとも続いてるのか?
何か証拠があるかもしれない。

多少の罪悪感に苛まれながら、家宅捜索スタート。

【交換ノート】

程なくして、目的のブツは見つかった。

電子レンジの横に無造作に置かれたノート。
何か違和感ある。気になる。

表紙をめくってみると
「Y菜(彼女の名前)へ
今日はほんとコメンな…
傷つけて泣かせてしまったぶん
本気でめちゃめちゃ大事にする!
大好きだからな!!」

あぁ?

一瞬フリーズしてしまった。

これはどうやら、2股クンからY菜に宛てたメッセージらしい。
内容からして恐らく、2股が発覚して私が電話をかけた、あの修羅場の日に書いたものだろう。

さらにページを捲ってみる。

「2股クンへ
『コメン』になってるよ~笑
よっぽど焦ってたのかな?
もー本当にカワイイなー。2股クンは!
アタシも大好きだよ!
これからもず~っと一緒にいようね。
Y菜」

その次のページからも
「あけましておめでとう!今年もよろしくね」とか
「2股クンはただいまバイト中です~。つまんない。早く帰ってきて~!」とか
Y菜からのメッセージが中心で、たまに2股クンからの返事もあった。

「Y菜、まじで大好き!」

きっつ…。

【もう別れるなんて言わないで】

そして

「2股クン
今日から学校だね。
あんまり会えなくなるのかな?寂しいな…。
ちゃんとかまってね。
Y菜」

ん?
学校?

2股クンの大学が始まるのは、確か8日からだったはず…?

さらに

「Y菜
当たり前だろ!
寂しい思いなんかさせね~よ」

んんんんん!?

ちょっと待って!

私に
「彼女とは別れるから待ってて」みたいな電話してきたのって、3日だったよね?

それ以降も、普通にラブラブなメッセージやりとりしちゃってますけど!?

あいつ、彼女と別れる気なんかなかったな!?

さらにさらに

「2股クン
昨日は突然来ちゃってごめんね。
けどもう別れるなんて言わないでよー。
これからもずっと一緒だからね!
Y菜」

ちょ、ま!

コレって…

もしかして
もしかしなくても

復縁しとるがな!!!


つまりは、こういうこと?

何かの原因でケンカになった2人。
勢いあまって、2股クンがY菜「別れる」のメールを送信する。
私に会おうと連絡して、「Y菜と別れた」と報告。
ところがどっこい
恐らく連絡のとれなかった金曜、土曜日あたりに、Y菜が2股クンの家に乗り込んできて、仲直り。

無事、復縁。

…おや?

ということは、またしても浮気相手にされている「可哀想な女」は私の方!?

とんでもない事実に気づいてしまった私は、それでも希望を捨てなかった。

「いや、でも今日また私に連絡してきたってことは、またY菜とケンカでもしたんじゃ?それなら、また別れる可能性もあるよね?」

思考回路が完全にバグっている。

【尋問スタート】

そして、朝方。
2股クンが帰宅。

私「おかえり~」
2股クン「ただいま~。…何か、いい匂いしない?」
私「肉じゃが、作ったの~」
2股クン「まじで!?すげー嬉しい!食べていい?」
私「うん!」

ってことで、ほぼスープ状になった肉じゃがを頬張りながら、尋問スタート。

まずは、ジャブ。
「2股クン、先週末、連絡とれなかったじゃない?何か、あったの?」

すると2股クンは、隠しだてする様子もなく、先週末あったことを話してくれた。

2股クン「実は…オレ、彼女に『別れる』ってメールしただろ?そしたら、Y菜がすげー怒って…週末、家に来たんだ。アイツ、クラブ行ったりとかしてるし、オレはアイツの方が遊んでると思ってたから。だから、オレ『別れる』って言ったら、すんなり別れるんだと思ってたんだ」
私「うん」
2股クン「けど、嫌だ!別れない!って泣かれて…」

待って待って。
ほぼ予想通りじゃない!

私「じゃあ、Y菜と…戻ったの…?」
2股クン「うん。ごめん…」

何よ、それ…。

正直、今は自分の気持ちがよく分からないんだ。Y菜に泣かれて揺れたのは本当だけど、やっぱりデニールに会いたいと思って連絡してるオレもいて…」

うわぁ、クズ。
これって、ようはただのキープなわけですよ。
男って、自分のこと好きな女は、手元に置いていおきたがりますよね!

でも、当時の私は「これって私にもチャンスある?」と、心躍ってさえいたわけです。

「オレのこと…嫌いになった?」

この質問はズルイよねー!
「好きか嫌いか」じゃなくて、「嫌いか嫌いじゃないか」の2択だもんね!
「嫌いじゃない」への誘導尋問だよね。

「嫌いになんか、なれるわけないじゃん…!」
悲劇のヒロインぶった私が答えます。

2股クン「本当に!?」
私「2股クンは、私のことどう思ってるの?」
2股クン「大好きだよ…!」

そう言って強く抱きしめられました。

うん。私、待つよ。
2股クンは、Y菜に泣かれて、ちょっと気持ちがぐらついてるだけ。
きっとその内、私の方を向いてくれる。
それまで、待とう!

こうして、脳内お花畑女が完成しました。

次回!デニール、男を紹介される。
乞う、ご期待!


いいなと思ったら応援しよう!