![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/99009003/rectangle_large_type_2_7657d06201740da3cee552355bd6797f.png?width=1200)
【競馬】ド素人が『ジャパンカップ2020』を予想してみた(感想)
2020/11/29(日)、前例のない3冠馬3頭が一同に会する伝説のレースが開催された。『ジャパンカップ2020』である。普段はG1レースがあっても、真剣に見ることはほとんどなく、予想したり、馬券を買ったりすることもなかった。ただ、今回は歴史に名を残す3頭のスターホースが出場するレースということを聞いて、記念にでも目に焼きつけておきたいと思って見ることにした。せっかく見るのだから、1レースとはいえ、競馬の素人なりに結果を予想してレースを見た方が楽しめるだろうと思い、家族全員を巻き込んで、ジャパンカップ予想会を開いた。あくまで予想するだけで馬券は買っていない。(後になって『記念馬券』だけでも買っておけばよかったと少し後悔している)
私の競馬の思い出
本題に入る前に、私の競馬歴について少し語っておこう。私は、馬券の買い方すら知らない、完全なるド素人なのだが、一応、京都出身ということで、淀の競馬場があるので、小学生の頃なんかは競馬好きの父に連れられて、競馬場に入ってレースを見たり、馬券を買ったりしていた。私が見に連れていってもらっていた頃といえば、『テイエムオペラオー』の全盛期で、他には『メイショウドトウ』や『ナリタトップロード』などの馬が強かった記憶がある。小学生なので、大人みたいに色々データを集めて予想するなんてことはできず、ただ単にパドックを歩く馬と競馬新聞をつきあわせて、なんとなくどの馬が強そうだとか言っていた気がする。勝ち負けなど全く気にしていなかった。生で競走馬が走る姿の迫力に圧倒され、しばらく競馬場に通い続けた。
小学校を卒業した頃くらいから、しばらくは競馬から離れて、テレビ等でも全くレースを見ないという日々が続いていたのだが、状況が変わったのはあの名馬の登場による。『ディープインパクト』だ。競馬ファンのみならず、一般層にも認知されている超スターホース、先日、史上3頭目の無敗の3冠馬を達成した『コントレイル』の父親であり、『コントレイル』の前の無敗の3冠馬である。この馬、レースの進め方が圧巻で、最後方からレースをスタートし、徐々に位置を上げていった後、最終コーナーを曲がったあたりから、猛烈な末脚を発揮して、大外から他馬を一気にごぼう抜きにするというスタイルであった。ほぼすべてのレースで勝ち方が鮮烈過ぎて、1年あまりで普段競馬に関心のない一般層も認知する、『スーパースターホース』となった。国内のレースはほぼ敵なしで、負けたのは、『有馬記念2005』で、初めて古馬を相手にしたレースで『ハーツクライ』に競り負けたのみであった。翌年(2006年)には、世界ランキング1位にもなり、世界一のG1レースと呼ばれている『凱旋門賞』にも出場した。結果は、3着入線後の禁止薬物使用による失格と非常に残念なものであった。「この馬でも『凱旋門賞』は取れないのか…」と思った記憶がある。ディープが負けた『有馬記念』も『凱旋門賞』も、馬どうしが近距離で馬体をあわせて競り合うというような形で負けており、ディープの得意な大外からの末脚を生かすという展開に持っていけなかったのは、共通点だと思う。主戦ジョッキーであった武豊騎手も「馬体をあわせるのはあまり好まない」という話をしていたのをどこかのメディアでも目にした気がする。私は競馬の素人なので、技術論的な話はまったくわからないが、「馬体をあわせるのを嫌う」という、馬の性格のようなものも勝敗に関係してくるのかな、深いゲームだな…とこのとき思ったのを覚えている。『ディープインパクト』は、『有馬記念2006』でいつもの如く、大外から見事な末脚を見せて期待通りの1着フィニッシュでレースを終え、引退した。
ディープのレースの中でも特にお気に入りのレースが2つある。1つは、『シンボリルドルフ』以来、(当時)史上2頭目の無敗の3冠達成が懸かった最後の砦である『菊花賞2005』である。このレースは芝3000 mと長距離であり、2度の坂越えを含む、馬のタフネスとスタミナが試されるレースである。『ディープインパクト』は、1週目の電光掲示板を目にした所で、「ここがゴールだ!」と勘違いしてしまったようで、かかってしまった(馬の「前に行きたい!」という気持ちを制御できなくなってしまった)。しかし、このようなアクシデントをものともせず、最終コーナーでいつも通りの爆発的な末脚を発揮して他馬を寄せつけず、3冠を達成したというレースである。ゴール時の関西テレビ、馬場アナウンサーによる「世界のホースマンよ、見てくれ!これが日本近代競馬の結晶だ!」という名実況は今も耳に残って離れない。
【ディープインパクト】2005年菊花賞 史上2頭目の無敗の三冠制覇 実況:馬場鉄志《Triple Crown # 6 Deep Impact》
もう1つは、『天皇賞(春)2006』である。ここでも、ディープは驚くべきレースを見せる。これも先述の『菊花賞』と同じく、芝3200 mという非常に長距離のレースだ。追い込み馬であるディープにとっては、終盤までどれくらい脚をためておけるかが勝負のカギとなる…。はずだった。この日のディープは、いつも通り後方から競馬をスタートさせた。その後、ペースが落ちた2周目3コーナーから、こらえきれないように馬群の外に進出し、バックストレートで徐々にポジションを上げていくディープ。会場はどよめく。早くも残り600 m地点で先頭に。「これは仕掛けるのが早すぎるのではないか?」とレースを見ていた誰もが思ったことだろう。後に、このレースで2位に入線した『リンカーン』に騎乗していた横山典弘騎手も「この時点で『勝った…!』と思った」と述べている。レースはいよいよ最終コーナーを曲がって、ラストの直線へ。直線に入ると『リンカーン』が猛烈な追い込みを見せる。「もう終わったか…。」そう思われたのだが、この馬には杞憂だった。武豊騎手の右鞭一発が入ったディープはさらに加速し、『リンカーン』の追い込みをかわし、最終的には3馬身半差をつけてのゴール。記録が驚異的で、ラスト3ハロンのタイムが33.5秒と出場馬中、最速を記録し、しかも、1997年に『マヤノトップガン』が記録したレコードを1秒も上回る3.13.4というタイムでニューレコードを叩き出した。2位の『リンカーン』も3.14.0というレコードに値する素晴らしいタイムを出していたのだが、それを上回るタイムでの勝利という衝撃的なレースだった。
第133回 天皇賞(春) ディープインパクト
今回の『ジャパンカップ』について(家族みんなで予想してみた)
『ディープインパクト』の思い出話はこの辺りにしておいて、本題である『ジャパンカップ2020』の話に移ろう。
競馬を予想するときには、本来なら、騎手、血統、戦績、斤量、馬場、距離適性、牡牝、パドックでの様子、過去レースでの勝ち方、個人の好き嫌い等々、様々な要素を考慮しないといけないと思う。しかし、私は冒頭にも述べた通り、競馬のド素人なので、そんなにたくさんの要素を考えた緻密な予想はできない。まあ、でも、下手なりにも色々考えて予想した方がおもしろいだろうということで、とりあえず、ネットで本レースの出走馬のリストを確認した。
3頭の3冠馬が人気を寡占するであろうことは事前から言われていたことなので、予想はできたのだが、3頭ともオッズがかなり拮抗しており、着順の予想は難しいなと思った。(今回は家族で、3着までの着順までピッタリ当てるという競争をしていた)
で、参考にしたのが直近4戦の戦績が記録されたリストである。
参考(出走馬と直近のレース結果など):https://web-keiba.com/g1/4202/
まず、本命の『アーモンドアイ』。直近では、2020/11/01の『天皇賞(秋)』を制しており、主戦ジョッキーはあのC.ルメールだ。位置取りや駆け引きもうまいだろう。ただ、直近3戦の他の試合を見てみると、1600 mという短距離しか走っておらず、そのうち一方、『安田記念』では負けている(今回のレースは2400 mである)。そして、その前に走った『有馬記念』(2500 m)では、9着と大敗している(疲れなどもあったのかもしれない)。①直近で短距離のレースしか走っていないこと、②一番直近で走った2500 mのレースで大敗していること、③前走の疲れがどうなのか?、この3点の理由から、私は大本命である『アーモンドアイ』を3着以内に入線しないと予想した。一応、良馬場が得意であるという情報も掴んでおり、『コントレイル』の連戦での疲労なども考慮すると、『アーモンドアイ』に有利な要素はあるのだが、私は敢えて予想から外すことにした。
次に、2番人気の『コントレイル』、先ほど言ったとおり父『ディープインパクト』以来の無敗の三冠馬である。3ヶ月連続の連戦ということで、「疲れ」が最大の懸念点であるが、直近のレースを見る限り、距離適性は2000-2500 mにありそうだ。場合によっては『菊花賞』のような3000 mの長丁場も耐えうる。何よりあのディープの血をひいている。そして、斤量もチェックすると、55.0 kgとなっており、最大のライバルと目される『アーモンドアイ』と同質量である(デアリングタクトよりは、両者とも2.0 kg重い)。①疲れの問題はクリアしてくれる(希望的観測)、②今回のレースに距離適性がありそうだ、③あの『ディープインパクト』の血をひいている、④斤量は55.0 kgで『アーモンドアイ』と比べてハンデを背負っているわけではない。この4点から、私は1着に『コントレイル』を推すことにした。ここは、完全に好みの問題なのだが…。
続いて、3番人気の『デアリングタクト』、直近4戦を見ると、「距離適性が若干、上の2頭に比べると短距離寄りなのかな?」とも思ったが、2400 mでも勝っている。充分勝てる力はある。特に私が着目したのは、斤量だ。『アーモンドアイ』、『コントレイル』と比べて2 kg軽い53.0 kg。この差がどれほどレース結果に影響するのかはわからないが、私は2 kgの差をそんなに小さくない差だと見た。特に終盤の追い込みのところで効いてくると私は予想した。あとは、今シーズンの古馬混合のレースでは、7レース中、6レースで牝馬が勝利しているという、圧倒的「牝馬の年」なのである。というわけで、①2400 mにも適性があると判断した、②斤量が他馬よりも軽い、③今年は、牝馬が強いというデータ。以上、3点から、私は『デアリングタクト』を2着に予想した。ひょっとしたら、『デアリングタクト』1着もあるなと思って、かなり迷ったが、ここは15年ぶりの無敗の三冠馬を達成している『コントレイル』の実力を信じることにした。
3着目には、正直、順当にいけば『アーモンドアイ』が入ってくるだろうなと思ってはいたが、他の予想者の予想との兼ね合いの結果、「被ったらおもしろくないな…」というのと、「3着までの予想が人気上位3馬のみというのはあまりに面白味に欠けるではないか?」と個人的に思い、敢えて『アーモンドアイ』以外の馬から探すことにした。
ここは、もう完全なる好みとあとは直近の戦績である。最初、私は『キセキ』を3着に推していた。直近4戦の戦績を見る限りは、3着以内に2度入れている。良い感じだ。この馬は、基本的に波のある馬だと私は認識していて、良ければ3着以内に絡んでくるが、悪ければ全然という感じであろうと予想していた。例のごとく、直近4戦の結果を見ると、6、2、2、5着という感じで良い感じの成績だ。しかし、2着に入っている2つのレースを見るといずれも馬場が稍重だ。「この馬は重めの馬場を好む馬なのか。今日は良馬場だしなあ…。」と思って、少し迷いが生じた。
もう1頭、3着に入線しそうだなと期待していたのは、『カレンブーケドール』であった。この馬は完全に成績で選んだ。直近4戦では、いずれも2着に入るという健闘ぶりを見せている。距離適性的にも2000-2500 mというところだろう。かなり期待できる。ただ、重い馬場が得意なのは、『キセキ』と同じようだ。『キセキ』か『カレンブーケドール』か。この2頭で迷っていた。しかし、これも他の予想者の予想との兼ね合いもあり、結局外すことにした。
最終的に、3着入線に予想したのは、『ワールドプレミア』である。前走から体調不良により、約1年のブランクがあるという懸念点がある。しかも、本日の体重が-10 kgとコンディションもやや心配だ。しかし、ブランク前の成績は素晴らしい。2、3、1、3着ときている。距離適性も結構長めで、特に3000 mの菊花賞を勝っている。スタミナも充分だ。この馬は、馬券に必ず絡んでくる。そう信じて、3着に『ワールドプレミア』を入れた。
家族4人で事前に予想した結果が、以下のメモである。「もう少し、キレイに整理したものを用意しろ!」と思われるだろうし、私もそう思うが、こっちの方が、素人なりに色々と試行錯誤した過程が見えていいだろうと思った次第である。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/39882947/picture_pc_b6b55d3be0f43b93e80295a438857df8.jpg?width=1200)
上から、私、母、弟、父の順である。それぞれ1着から3着までを予想している。
一応、もう少しキレイにまとめておくと、
私が、①コントレイル、②デアリングタクト、③ワールドプレミア。
母が、①アーモンドアイ、②ワールドプレミア、③デアリングタクト。
弟が、①コントレイル、②デアリングタクト、③カレンブーケドール。
父が、①コントレイル、②デアリングタクト、③グローリーウェイズ。
である。一応、「馬のゲートインが完了するまでは予想を変えても良い」というルールだったので、ゲートインの直前まで父と弟がゴチャゴチャ予想を変えた結果、私と弟と父の三者で、1着と2着が『コントレイル』と『デアリングタクト』で完全に被るという事態が発生してしまった。あれだけ、被らないようにと配慮していたのに…笑。
レースが始まった。展開としては、細かいことはよくわからないが、『キセキ』の大逃げだった。『アーモンドアイ』がやや前方、『コントレイル』と『デアリングタクト』はやや後方からレースを進めるという感じであった。この大逃げがレースを盛り上げてくれた。最終コーナーを曲がりきった時点では、『キセキ』が1位をキープしていたので、「ひょっとすると、キセキが奇跡を起こすのか…!?」なんて思ったりしたけれども、最後のストレートで、他馬の猛烈な追い込みによってかわされてしまった。結果、①『アーモンドアイ』、②『コントレイル』、③『デアリングタクト』の順で決着した。人気上位3馬が、3馬とも3着以内に入るという、結果だけ見れば順当なレースだが、そこに至るまでの展開は熱かった。
参考(レース後データ):https://jra.jp/datafile/seiseki/g1/jc/result/jc2020.html
レース後のデータを見ると、ラスト3ハロンのタイムでは、トップが『コントレイル』で34.3、次に『デアリングタクト』の34.4、3番目に『アーモンドアイ』の34.7だった。各コーナーでの通過順位も見てみると、『アーモンドアイ』が4、5、4、4で、『コントレイル』が9、9、9、9で、『デアリングタクト』が7、7、7、7であった。このレースでは、人気上位3頭がすべて内枠スタートだったので、「どれだけ早い段階で馬を馬群の中から持ち出して、ポジションを前に進められるかが勝負を分けるかもしれない」と素人ながら予想もしていた。先の2つのデータを見て、「もし、『コントレイル』と『デアリングタクト』が、もう少し早めに前に持ち出せていれば、展開は変わったかもしれない」と思うなどした。「そのような駆け引きや位置取りも含めて、C.ルメール騎手が巧かったのかなあ」とも思った。
【ジャパンカップ2020】アーモンドアイ世紀の一戦を制す!三冠馬のワンツースリー伝説のレース
レース全体の感想としては、『キセキ』が大逃げをしてくれたおかげで、レースが大いに盛り上がった。『キセキ』ありがとう。あとは、前評判どおりキッチリ馬券に絡んでくる3頭の強さ、そして、ラストレースで有終の美を飾った『アーモンドアイ』、おめでとうという感じである。あとは、1レースだけだが、素人なりにも(下手くそなりにも)色々考えて予想して、レースに「参加」してみて、非常に面白かった。久々に競馬の楽しさを思い出させてくれた。そういった意味でも素晴らしく、思い出に残るレースだった。
家族での予想大会は、色々データをかき集めたりしながら、あーだこーだ予想していた、私と父と弟ではなく、仕事で家を出る直前に、あまり深く考えずに直感に従って予想をした母が着順を3頭中、2頭的中させるという、一人勝ちの結果となった。素人どうしの勝負においては「欲のないものが強い」ということなのか笑。一応、負けた私たちが、勝った母にコンビニで好きなモノを奢るという約束になっている。(一応、その場で消費できる飲食物なら、『賭博罪』にはあたらないと事前に調べた。私は牢屋に入りたくない)
というわけで、「競馬の素人なりに色々予想して競馬を楽しめたよ、チャンチャン!」という記事になった。その機会を与えてくれた『ジャパンカップ』と特に『3頭の3冠馬』に感謝する。もちろん、他の出走馬や関係者たちにも。
いいなと思ったら応援しよう!
![Denchu│electrope](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/148036708/profile_c7f18d53d9836e584e89875b08365f9d.jpg?width=600&crop=1:1,smart)