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【NYM】 Metsに必要な補強

 ご無沙汰しておりました。最近もMetsの試合は大量得点かつ僅差という馬鹿試合もといシーソーゲームが多いですね(最たるものが延長11回15-11で勝利した一昨日の試合)。やたらとハラハラする試合が多いのはなぜかとデータを見てみると、面白い傾向が見えました。

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 回の開始時点でリードしていた場合普通は終盤になるほど勝利が確実になるものですが、Metsの場合はその傾向が他のチームに比べて低いようです(リードを保って終盤に入っても負けやすい:上の図)。一方で下のグラフを見ると、他のチームに比べて終盤のビハインドからの逆転勝ちをしやすいということがわかります。Metsの試合を見ることが内蔵にストレスが大きく依存性が高いといわれることの理由がわかりますね。エンタメ球団の鏡。

↑Metsが最近提供したエンタメの一つ

 さて、あれよあれよという間にオールスターゲームが終わり、トレード期限(米時刻で7月30日)が近づいてきました。7月のMetsは貯金5−7付近をうろうろしています。特にここ最近は、Jacob deGromの再度の故障離脱もあり、先発陣が粘りきれない試合が目立っていました(それでも、5月8日以降NL東地区の首位の座をキープしています)。そんな中でも、昨日のMarcus Stroman(ここ数試合は序盤に打ち込まれ、4連敗を喫していた)の完璧な投球は非常に価値あるものでした。彼の好投によって希望は見えたとはいえ、(シーズン序盤は強みであった)先発投手がMetsの不安要素であることは変わりません。deGromに代わってオールスターに出場したTaijuan Walkerの大炎上は一試合きりの悪夢だとしても、好投を続けているとはいえ経験の浅いルーキーTylor Megillが矢面に立たされ、Jerad EichhoffRobert StockらDFA組が谷間を埋めるという状況はポストシーズンを目指すチームにとって健康的ではありません(Carlos CarrascoNoah Syndergaardの復帰が囁かれつつありますが、そんなことには期待しないでおくのが健康のためです)

↑Tylor Megill (チェンジアップとファストボールのコンビネーションが武器)

 もちろんMetsは先発投手の補強に向け何らかの策を講じるでしょう。しかし他にも打線(試合当たり平均3.95点はMLB27位)や中継ぎ投手(守護神Edwin Diazは3連続でBlown Save)といった弱点も指摘されています。ちなみにGMを務めるZack Scott氏のインタビューを聞く限りでは打線よりも投手(ベンチの野手はよくやってくれている発言)、中継ぎよりも先発に興味があるのかなという印象ですが(Diazへの信頼は未だ厚い発言)、選手のモチベーションへの影響があるので本心を言っているとは限らないでしょう。いわゆるTrade rumorは方々で論じられていますが、本記事ではチーム得点・失点に関するデータ(主に出典はここ、上の表も)を用いて補強ポイントを論じてみたいと思います。

打線の補強:下位打線を無視するなかれ

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 最初にご覧頂きたいのはこちらのグラフです。イニングごとの平均得点をMetsと全球団の平均で比較しています。前述の通りMetsの得点力は高くはありませんが、イニングごとで見ると序盤(とくに2回)の得点力が全体と比べて低いようです。これは下位打線の攻撃力に弱点があることを示唆します。

 トレードの対象としてCubsのKris Bryantが盛んに論じられていますが、このようにしてみると、下位を打つ選手の補強も重要だと言えそうです(個人的には、Bryantの補強はJD. Davisら主軸&Top1プロスペクトのFrancisco Álvarezを出さないという条件付きでやってもいいかなという程度)。

投手の補強:寸前☓が課題か

 続いてMets自慢の投手陣について以下のデータをご覧ください。

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 勝率5割以上(2021年7月23日時点)のチームと比べたときの失点割合を見てみると、3回と7回で低く、5回、8回、9回で失点しやすいというパワプロだと寸前☓が付きそうな様子です。チーム防御率の割に安心して試合が見られないのは、このように印象が悪い失点が多いからなのでしょう(冒頭のグラフトのも符合しますね)。中継ぎの柱と言われていたはずのSeth LugoEdwin Diazがともに防御率4点台であるという事実がそれを物語っています(もしここに、Craig Kimbrelが加入すれば救世主となることは間違いないでしょう)。逆に7回は失点が少なく、Aaron Loup (ERA 1.45)やツイッター芸人Trevor Mayといった好調のリリーバーの頑張りが伺えます。

まとめ

 こう見てみると、攻撃陣よりも要所で粘りきれない投手陣の補強が優先なのではないか(「勝てた」試合の負けを減らす戦略)という気がしてきます。実際、AS明け以降では一試合当たり6.7点の得点があり、リハビリ期間にマイナーで絶好調だったDJ. Davisの復帰以降、Pete AlonsoMichael ConfortJeff Mcneilといった選手の復調の兆しが見られます。さらに故障したFrancisco Lindorに代わって入ったLuis GuillormeもOPS .780という好調なアプローチ(2020年以降でみると出塁率が.420を超えている)で下位打線を支えています。一方で8、9回を安心して任せられるリリーバーがいない状況は、勝ち方の可能性を減らしてしまうことから、改善が必要と考えられます。

 今年はNL東地区の他球団が軒並み足踏みをしていますから、ある程度の出費は覚悟の上で、ポイントを抑えたベストな補強をしてもらいたいものです。

おまけ

チームごとの逆転勝ち数

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チームごとのblown lead

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実はリードを吹き飛ばした回数は30球団最小。しかし印象の悪い被逆転がお多い…。

チームごとのWalk-off wins/losses

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 サヨナラ勝ちも負けも多いMetsはやはりエンタメ球団の鏡

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