東京歯科大学2023年度物理の過去問解説 第5回
こんにちは私立歯学部予備校のデンアカです。シリーズとして東京歯科大学の2023年度の物理の過去問解説をします。本日は第5回です。
力学(問8~問9)
図1のように、水平方向の床の上に、水平方向と角度 $${\theta}$$ をなす斜面(長さ $${L}$$)と水平面(床から高さ $${H}$$)からなる上面をもつ台が固定されている。水平面に物体Aを置き、さらに斜面の最高点に物体Bを静かに置いたところ、Bは斜面上を滑り出し、斜面の最下点をなめらかに通過し、Aに衝突した。衝突後、A、Bとも台から水平方向に飛び出した。
A、Bの質量はともに $${m}$$ であり、Bと斜面との間の動摩擦係数を $${\mu}$$ 、重力加速度の大きさを $${g}$$ として、水平面とAやBとの間の摩擦、A、Bの大きさや空気抵抗は無視できるものとする。以下の設問に答えよ。
問1 斜面上でBに働く垂直抗力の大きさを求めよ。
問2 斜面上でBに働く動摩擦力の大きさを求めよ。
問3 斜面上を移動中の、Bの加速度の大きさを求めよ。
問4 Aに衝突する直前の、Bの速さを求めよ。
以下では、問4の答を $${V_B}$$ とし、AとBとの間の反発係数を $${e}$$ とせよ。
問5 AとBの衝突直後の、Aの速さを求めよ。
問6 AとBの衝突で、A、Bが失った運動エネルギーの和を求めよ。
問7 問6で求めた、A、Bが失った運動エネルギーの和は、主にどのようなエネルギーになったか。簡単に説明せよ。
図2のように、台上でAとBが衝突した後、Aは空中に飛び出し、その後、床に衝突し、はね返った。問5の答を $${V_A}$$ とし、Aと床が初めて衝突した直後の速度と床となす角を $${\alpha}$$ とする。また、床とAとの間の摩擦は無視できるものとする。
問8 物体Aが床に初めて衝突した直後の物体Aの速さを求めよ。
問9 Aと床との間の反発係数を求めよ。
問7までは前回解説しています。問8から考えてください。
考えてみましょう!
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問8: 物体Aが床に初めて衝突した直後の物体Aの速さを求めよ
物体Aが床に衝突した後、Aの速さは水平成分と鉛直成分に分かれます。水平成分は衝突前と同じく $${V_A}$$ で変わりません。鉛直成分は、床との衝突で反発が起こり、角度 $${\alpha}$$ の方向に速さを持つことになります。
衝突後の物体Aの速さを $${V_{\text{after}}}$$ とすると、この速さは水平成分 $${V_A}$$ と鉛直成分 $${V_y'}$$ の合成速度として表せます。衝突後の速さの方向は、床となす角度 $${\alpha}$$ なので、次のように分解できます。
$$
V_{\text{after}} \cos \alpha = V_A
$$
これを $${V_{\text{after}}}$$ について解くと、
$$
V_{\text{after}} = \frac{V_A}{\cos \alpha}
$$
したがって、Aが床に衝突した直後の速さは
$$
V_{\text{after}} = \frac{V_A}{\cos \alpha}
$$
問9: Aと床との間の反発係数を求めよ
反発係数 $${e}$$ は、床との衝突前後の鉛直方向の速度成分に関係しています。衝突前の鉛直方向の速度成分は問8で求めた $${V_y = \sqrt{2gH}}$$ です。
衝突後の鉛直方向の速度成分 $${V_y'}$$ は、$${V_{\text{after}}}$$ の鉛直成分として次のように表されます。
$$
V_y' = V_{\text{after}} \sin \alpha = \frac{V_A \sin \alpha}{\cos \alpha} = V_A \tan \alpha
$$
反発係数 $${e}$$ は、衝突後と衝突前の鉛直成分の比で定義されます。
$$
e = \frac{V_y'}{V_y}
$$
したがって、反発係数は次のように表されます。
$$
e = \frac{V_A \tan \alpha}{\sqrt{2gH}}
$$
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