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私立歯学部推薦入試の小論文で一番やってはいけないこと

こんにちは、私立歯学部専門の予備校デンタルアカデミーオンラインの松本です。
私立歯学部を目指している方は、推薦入試を受験される方が多いと思います。ほとんどの大学で小論文は試験科目に入っています。今日はこの歯学部推薦入試の小論文で一番やってはいけないことを取り上げます。意外と多くの受験生がやってしまいます。

やってはいけないこと⇒相手の問いに答えない

一番やってはいけないことは、相手の問いに答えない、ということです。相手の問いに答えないのが良くないって、そんなことわかってるよ、と思いますよね。
でもこれがかなり多くの人がやってしまうんです。最初からきっちり相手の問いに答えることができる人は体感2割もいません。ほとんどに人が問いからずれたことを書いてしまいます。

わかりやすいように例を出しましょう。

世界の平均気温が上昇しています。あなた個人としてどのような行動をとることができるか述べよ。

日本大学歯学部2021年の小論文をもとに作問

このような問題が実際に日本大学歯学部で出題されてます。ありがちな良くない回答例からいきましょう。

地球の平均気温が上がっているのは、大変な問題だと思います。でも、自分は歯科医師を目指しているので、まずは歯科医師として何ができるかを考えました。歯科医院では、エネルギーを使う機械が多いです。例えば、治療に使うライトや機械です。これらを使う時に、無駄にエネルギーを使わないように気をつけることが大切だと思います。また、患者さんに環境に優しい歯ブラシや歯磨き粉をおすすめすることもできると思います。さらに、医院の中でもリサイクルを進めたり、紙の無駄を減らすことで、地球に優しい活動ができると思います。気温の上昇を止めるために、歯科医師としてできることを少しでもやっていきたいです。

次にちゃんと相手の問いに答えている回答例です。

世界の平均気温の上昇は、地球全体で深刻な問題です。個人として、自分ができることを考える必要があります。まず、日常生活でのエネルギーの使い方を見直すことが大切です。例えば、無駄な電気を消す、エコな製品を選ぶといったことが挙げられます。また、家族で出かけるときは車ではなく、できるだけ公共交通機関や自転車を利用することで、二酸化炭素の排出を抑えることができます。さらに、普段の買い物で環境にやさしい商品を選んだり、リサイクルを進めたりすることで、地球に優しい社会づくりに貢献できます。このように、一人ひとりが少しずつ行動することで、大きな変化を生み出すことができると考えます。

違いがわかりますでしょうか?全然違いますよね。

個人として何ができるか?と問われているのに、前者の回答はもし歯科医師だったら何ができるか?という問いに勝手に変更していますよね。自分がすでに歯科医師ならばまだよいですが、歯学部を受けに来ている学生はまだ歯科医師ではありません。
おそらく理想の歯科医師やSDGsといった内容で事前練習を積んだため、その内容を無理やり書いてしまったのでしょう。

それに対して、後者の回答例はストレートに個人としてできることを答えています。今回の問いは歯科医は関係ないのですから、無理やり歯科医に絡める必要はないのです。

相手の問いに答えることの大切さ

なぜこれほど多くの大学で小論文が試験に採用されているのでしょうか?数学や理科科目がなくても、小論文だけはある大学も多いですよね。
それは文章で相手の問いに答える、ということが今後の仕事や研究で普遍的に必要な能力だからです。
普段の人間同士のコミュニケーションは口頭がメインで、テキストであってもLINEスタンプや絵文字など、感情的なやりとりが中心です。人間関係を作るだけならそれで十分です。
しかし仕事や研究は感情のやりとりだけでは成立しません。実際にものやサービスを作るには膨大な知識の集積が必要ですし、正確な情報のやり取りをする必要があります。そのベースとなるのが、相手の問いに文章で答える、というスキルになります。
小論文は単なる試験対策ではなく、今後一生必要となるスキルなのでぜひこの機会にしっかり練習して習得しましょう。

私立歯学部専門のオンライン予備校のデンタルアカデミーでは歯学部に沿った小論文の指導も行っております。小論文の書き方がわからない、お困りの方はぜひご相談ください。


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